62歳の男性。閉塞性動脈硬化症。著しい感染を伴った下肢壊疽に対して大腿切断術が施行され短断端となった。糖尿病性末梢神経障害を合併している。この患者の術直後の断端管理で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 断端の色調を観察する。
2: 断端の自動運動を行う。
3: 切断部の温熱療法を行う。
4: ギプスソケットを装着する。
5: 切断側股関節を外転位に保持する。
右半球損傷による全般性注意障害の片麻痺患者に対する初期の基本動作支援について正しいのはどれか。
1: 移乗動作の誤りを繰り返し修正する。
2: 杖歩行は複数人とすれ違う環境から開始する。
3: 車椅子駆動練習は外乱の少ない環境から開始する。
4: 寝返りにおける性急な動作は口頭指示で修正する。
5: 起き上がり動作は一連の動作を一度に口頭で指導する。
68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
39歳の男性。野球の試合中にジャンプしてボールをキャッチした着地時に、踵に疼痛と違和感とを訴えた。その直後から歩行困難となったために、応急処置の後に緊急搬送された。搬送先の病院で撮影された足部MRIを示す。矢印は損傷部位を示す。受傷直後の処置として適切なのはどれか。
1: 足底板による固定
2: 足関節周辺の保温
3: 足関節底屈位での固定
4: 強擦法による下腿部のマッサージ
5: 端座位による下腿下垂位での安静
25歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日で運動麻痺は進行しており、呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理中である。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 体位変換
2: 筋力増強運動
3: 胸郭ストレッチ
4: 関節可動域運動
5: 30°程度のリクライニング位
24歳の女性。2日前に室内での火災に巻き込まれ救急搬送された。35%の範囲の熱傷と診断され入院中。意識は清明。顔面から前頸部も受傷し煤のような色の痰がでる。肩甲帯から上腕にかけては植皮が必要な状態。骨盤と下肢とに傷害はみられない。この時期の理学療法として適切なのはどれか。
1: 患部局所の浮腫に対する弾性包帯による持続圧迫
2: 下肢に対する80%MVCでの筋力増強
3: 背臥位での持続的な頸部伸展位の保持
4: 尖足予防のための夜間装具の装着
5: Squeezingによる排痰
50歳の女性。外傷性頸髄損傷。筋力は左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、上腕三頭筋4、長橈側手根伸筋4、橈側手根屈筋1、手指伸筋4、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0であった。この患者の機能残存レベルはどれか。
1: 第5頸髄節
2: 第6頸髄節
3: 第7頸髄節
4: 第8頸髄節
5: 第1胸髄節
65歳の女性。元来、几帳面な性格だが友人も多く活動的に過ごしていた。3か月前に、自宅のリフォームを契機に、早朝覚醒、食思不振、抑うつ気分や意欲低下が生じ、友人とも会わないようになった。自宅で自殺を企図したが未遂に終わり、1か月前に家族が精神科を受診させ、即日医療保護入院となった。単独散歩はまだ許可されていないが、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあり、病棟での軽い体操プログラムへの参加を看護師から勧められて、初めて参加した。この時点での患者に対する作業療法士の関わりで適切でないのはどれか。
1: 必要に応じて不安を受け止める。
2: 過刺激を避けながら短時間で行う。
3: 具体的体験により現実感の回復を促す。
4: 参加各回の達成目標を明確にして本人と共有する。
5: 薬物療法の副作用が生じていないかアセスメントする。
60歳の男性。右利き。歩行困難のため搬送された。発症7日目の頭部MRIと頭部MRAを示す。閉塞している動脈はどれか。
1: 右前大脳動脈
2: 右中大脳動脈
3: 右内頸動脈
4: 右椎骨動脈
5: 脳底動脈
44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。
1: 頸部:中間位
2: 肩関節:外転位
3: 右前腕:回内位
4: 体幹:軽度屈曲位
5: 膝関節:軽度屈曲位
71歳の女性。独居。臥床傾向となり、訪問作業療法が依頼された。畳の上に布団を敷いて就寝しており、床からの立ち上がりは台につかまり実施していた。セルフケアは時間がかかるが実施可能である。家事は簡単な炊事を行い、洗濯を時々行う程度であった。生活機能の拡大に向けて、作業療法士が行う指導で最も優先されるべきものはどれか。
1: ベッドを導入させる。
2: 運動習慣を確立させる。
3: 食料品の買い出しを促す。
4: 家事動作を積極的に実施させる。
5: 地域活動への参加を促進させる。
60歳の男性。右利き。意識障害のため搬入された。脳梗塞と診断され、保存的治療が開始された。片麻痺を呈している。入院後2週の頭部CTを別に示す。この患者に認められる可能性が高いのはどれか。
1: 失算
2: 失書
3: 注意障害
4: 物体失認
5: 左同名半盲
35歳の男性。実業団の長距離選手だったが、ランニング中の交通事故で左脛骨中央部での下腿切断となった。切断術後4週が経過し、左膝関節に軽度の側方不安定性と軽度の筋力低下があるものの、断端は成熟し皮膚の状態は良好となった。スポーツ復帰を念頭に義足を製作することとした。最適なソケットはどれか。
Parkinson病患者のADL指導で適切なのはどれか。
1: 階段よりも傾斜路を利用する。
2: 食事には手関節固定装具を用いる。
3: 下衣の更衣はできるだけゆっくり行う。
4: 浴槽のへりの高さは洗い場の高さに合わせる。
5: 起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する。
32歳の女性。右利き。診断名は右乳がん(ステージⅡ)。右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった。夫と2歳の子どもとの3人暮らし。職業は保育士。術前の右上肢機能は良好であり、セルフケアや家事動作は自立していた。術後作業療法について正しいのはどれか。
1: 日光浴を勧める。
2: 術側の上肢は固定する。
3: 事務職への転職を勧める。
4: 重量物を持たないように指導する。
5: 3か月間物干し動作は行わないよう指導する。
14歳の男子。デュシェンヌ型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)。養護施設に入所し教育・訓練を受けている。作業療法で適切でないのはどれか。
1: 歯磨き動作維持のためアームサポートを工夫する。
2: 更衣動作自立のためボタンエイドの使用訓練を行う。
3: トイレでの姿勢保持用に前方テーブルを設置する。
4: 食事のリーチ補助にターンテーブルを利用する。
5: 趣味活動の草花栽培にかさ上げした花瓶を設置する。
65歳の男性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。診察時のJCSⅢ-200、血圧210/120 mmHg、脈拍90/分であった。搬送時の頭部CTを示す。意識を回復した際に認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 左半側空間無視
2: 右上肢麻痺
3: 左下肢失調
4: 相貌失認
5: 失語症
82歳の女性。転倒して右股関節痛を訴えた。エックス線写真を示す。疑うべき疾患はどれか。
1: 股関節脱臼
2: 坐骨骨折
3: 大腿骨近位部骨折
4: 恥骨結合離開
5: 恥骨骨折
65歳の女性。右変形性股関節症に対する人工股関節置換術後6週経過。股関節深部の温熱効果に適した物理療法機器はどれか。
変形性膝関節症で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 中年期以降の肥満女性に好発する。
2: 頻度は変形性股関節症より低い。
3: 起立動作時よりも歩行時に痛みが強い。
4: 進行すると膝外反変形を生じやすい。
5: エックス線写真で関節裂隙の狭小化がみられる。