50歳の男性。多発性硬化症の再燃で入院加療中。四肢の痙性麻痺と運動失調とがみられる。立位保持は可能だが、Romberg徴候は陽性。神経症状が安定したため理学療法が開始された。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: 筋のストレッチングを行う。
2: 早期に歩行補助具を作製する。
3: 痙縮に対して温熱療法を行う。
4: 運動失調に対して重錘を負荷する。
5: 筋力低下に対して1RMで筋力増強を行う。
SteinbrockerによるステージⅠの肩手症候群に対する理学療法として適切でないのはどれか。
1: 交代浴の実施
2: ホットパックの実施
3: 他動的伸張運動の実施
4: 自己による介助運動の指導
5: 臥床時の上肢ポジショニングの指導
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動と基本軸の組合せで正しいのはどれか。
1: 肩甲帯挙上 ― 肩峰を通る床への垂直線
2: 肩側方挙上 ― 両側の肩峰を結ぶ線
3: 肩水平伸展 ― 肘を通る前額面への垂直線
4: 肘屈曲 ― 肘を通る床への垂直線
5: 手掌屈 ― 橈 骨
転位のない大腿骨転子部骨折に対する観血的整復固定術後の理学療法として優先度の低いのはどれか。
1: 早期からの歩行練習
2: 脱臼予防肢位の指導
3: 早期からのROM練習
4: 大腿四頭筋の等尺性運動
5: 足関節の自動的底背屈運動
65歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月。1か月前から平行棒内で歩行練習を行っている。現在の歩行パターンを図に示した。この症例における歩行の特徴として誤っているのはどれか。
1: 患側の立脚初期に過度の股関節外旋が生じている。
2: 患側肢では足趾接地が踵接地の前に生じている。
3: 患側の遊脚期に過度の膝関節屈曲が生じている。
4: 患側の遊脚期に股関節外転分回しが生じている。
5: 患側肢に内側ホイップが生じている。
進行性核上性麻痺について正しいのはどれか。
1: 延髄が萎縮する。
2: L-Dopaが著効する。
3: 頸部が前屈位となる。
4: 垂直方向の眼球運動障害を呈する。
5: MIBG心筋シンチグラフィーで心/縦隔比が低下する。
脳血管障害の患者に対する治療で適切でないのはどれか。
1: 片麻痺に対するCI療法
2: 抑うつ状態に対する認知行動療法
3: 弛緩性麻痺に対するボツリヌス毒素療法
4: 歩行障害に対するトレッドミル歩行練習
5: 半側空間無視に対するプリズム適応療法
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。
1: 肩屈曲 ――― 前腕回外位
2: 股内旋 ――― 膝関節伸展位
3: 股外転 ――― 股関節伸展位
4: 膝屈曲 ――― 股関節伸展位
5: 足底屈 ――― 膝関節伸展位
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)における運動と前腕肢位の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 肩関節屈曲・伸展 - 回内位
2: 肩関節外旋・内旋 - 中間位
3: 肘関節屈曲・伸展 - 回外位
4: 手関節屈曲・伸展 - 回外位
5: 手関節橈屈・尺屈 - 中間位
下位頸髄損傷患者の呼吸理学療法で誤っているのはどれか。
1: 体位排痰
2: 胸郭の徒手的振動
3: 胸郭の圧迫
4: 横隔膜の筋力増強
5: 肋間筋の筋力増強
スポーツ傷害と理学療法との組合せで誤っているのはどれか。
1: 膝蓋軟骨軟化症-膝屈曲位での大腿四頭筋強化
2: ハムストリングス断裂予防-ストレッチング
3: 脛骨疲労骨折-PTB免荷装具
4: 野球肩-PNF
5: テニス肘-アイスマッサージ
60歳の女性。視床出血発症後1か月。左片麻痺を認め、Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅳである。左手指の発赤、腫脹および疼痛を認め、訓練に支障をきたしている。この患者に対する治療で正しいのはどれか。
1: 交代浴を行う。
2: 肩関節の安静を保つ。
3: 手指の可動域訓練は禁忌である。
4: 疼痛に対し手関節の固定装具を用いる。
5: 肩関節亜脱臼にはHippocrates法による整復を行う。
38歳の男性。交通事故による右腕神経叢損傷。肘屈曲を指示したところ、抗重力位では、回外位、中間位、回内位とも自動運動はみられなかった。そのため図のように重力を除いた肢位にしたところ、手関節の伸展、前腕の回内を伴いながら全可動域屈曲した。しかし前腕回外位のままでは肘屈曲ができなかった。この患者の肘屈曲について正しいのはどれか。
1: 上腕二頭筋の筋力は2(Poor)である。
2: 上腕二頭筋の筋力は3(Fair)である。
3: 腕橈骨筋の筋力は3(Fair)である。
4: 除重力位での肘屈曲は主として長橈側手根伸筋で行っている。
5: 除重力位での肘屈曲は主として橈側手根屈筋で行っている。
変形性膝関節症の理学療法で誤っているのはどれか。
1: 低い椅子からの立ち上がり訓練
2: 疼痛に対する温熱療法
3: 下肢伸展挙上訓練
4: 膝内反変形に対する外側楔状足底板
5: 水中歩行訓練
脊髄損傷の合併症とその対策との組合せで適切でないのはどれか。
1: 拘 縮-他動運動
2: 褥 瘡-体位交換
3: 異所性骨化-電気刺激
4: 自律神経過反射-血圧測定
5: 起立性低血圧-腹帯装着
治療法と対象の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: Frenkel体操―――脊髄性失調
2: Codman体操―――腰痛症
3: 漸増抵抗運動―――痙 縮
4: Williams体操―――下肢閉塞性動脈硬化症
5: ミラーセラピー――幻肢痛
基本肢位からの肩関節の運動で正しいのはどれか。
1: 広背筋は屈曲に作用する。
2: 棘上筋は内転に作用する。
3: 大円筋は外旋に作用する。
4: 肩甲下筋は内旋に作用する。
5: 棘下筋は水平屈曲に作用する。
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で誤っているのはどれか。
1: 体幹の側方動揺が大きい。
2: 股・膝関節の屈曲が大きい。
3: 股関節が内転位になりやすい。
4: 足先から接地する。
5: 上肢は伸展位をとる。
55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。
1: 長対立装具
2: IP伸展補助装具
3: ナックルベンダー
4: Thomas型懸垂装具
5: コックアップ・スプリント
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
1: 金属支柱の強度を増した。
2: 下腿半月を深くした。
3: 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
4: 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
5: 足継ぎ手の位置を後方へずらした。