理学療法士問題表示
理学療法士国家試験
運動学
解説
小脳は運動制御において、記憶に基づく運動の修飾を行います。他の選択肢にある機能は、大脳皮質の異なる部分で行われます。
選択肢別解説
一連の動作の企画は、主に大脳皮質(前頭連合野)で行われるため、小脳の役割ではありません。
運動プランの切り替えは、大脳皮質(前補足運動野)で行われるため、小脳の役割ではありません。
記憶に基づく運動の修飾は、小脳や視床、大脳基底核で行われるため、この選択肢が正しいです。
視覚情報を運動指令に変換するのは、大脳皮質(運動前野)で行われるため、小脳の役割ではありません。
自発的な行為のプログラミングは、大脳皮質(一次運動野)で行われるため、小脳の役割ではありません。
解説
随意運動の制御には、皮質-橋-小脳-歯状核-赤核-視床-皮質回路が重要であり、その中で歯状核が関与している。
選択肢別解説
海馬は随意運動の制御には関与しておらず、記憶や学習、空間の方向指示に関与している。
歯状核は正解で、新小脳を経由して大脳皮質運動野に連なり、同側肢の随意運動の発現や調整を行っている。
松果体は随意運動の制御には関与しておらず、メラトニン(睡眠を誘発)を産生する役割がある。
青斑核は随意運動の制御には関与しておらず、覚醒レベルの制御やストレス、痛みの中枢性抑制に関与している。
扁桃体は随意運動の制御には関与しておらず、本能や自律神経、記憶に関与している。
解説
肩関節外転90度での水平屈曲に作用する筋は烏口腕筋である。烏口腕筋は肩関節の水平屈曲に作用し、肩関節屈曲と内転にも補助的に作用する。
選択肢別解説
広背筋は肩関節の伸展、内転、内旋と水平伸展に補助的に作用するが、水平屈曲には作用しないため、正解ではない。
大円筋は肩関節伸展、内転、内旋のほか、水平伸展にも補助的に作用するが、水平屈曲には作用しないため、正解ではない。
棘下筋は肩関節の外旋と水平伸展に作用するが、水平屈曲には作用しないため、正解ではない。
烏口腕筋は肩関節の水平屈曲に作用するほか、肩関節屈曲と内転にも補助的に作用する。このため、正解は烏口腕筋である。
肩甲挙筋は肩甲骨の挙上と下方回旋に補助的に作用するが、水平屈曲には作用しないため、正解ではない。

解説
安静時の呼吸運動では、横隔膜の動きや筋肉の収縮・弛緩が重要な役割を果たしています。吸気時には横隔膜が下降し、胸腔が拡大することで空気が肺に入ります。呼気時には横隔膜が上昇し、胸腔が縮小することで空気が外に出ます。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。呼気時ではなく、吸気時に横隔膜が下降することで腹圧が上昇します。
選択肢2は正しいです。吸気時に横隔膜が下降することで、胸腔が拡大し、空気が肺に入ります。
選択肢3は間違いです。呼気時ではなく、吸気時に外肋間筋が収縮し、胸郭が拡大します。呼気時には外肋間筋が弛緩します。
選択肢4は間違いです。吸気時ではなく、呼気時に気道抵抗が上昇します。吸気時には気道抵抗が低下します。
選択肢5は間違いです。胸郭下部は前後方向の動きではなく、左右方向の動きが大きいです。下位肋骨の挙上により、胸郭の横径が増大します。
解説
運動学習は、練習や経験を通じて運動パフォーマンスが向上する過程であり、動機付けや覚醒レベル、学習の転移などが影響を与える。正しい選択肢は、2種類の運動課題間に類似性があるほど転移の影響が大きくなるというものである。
選択肢別解説
動機付けが高いほどパフォーマンスが向上するとは限らず、課題内容が複雑になると動機付けが低いほうがパフォーマンスが良好になることがある。
覚醒レベルが高いほどパフォーマンスが向上するとは限らず、覚醒レベルが高すぎると興奮状態になり、パフォーマンスが低下する場合がある。
学習によるパフォーマンスの向上は直線的に起こるわけではなく、慣れや感作などが関係してくるため、向上の過程は非直線的である。
学習の転移とは、以前行った学習が後の学習に影響することで、2種類の運動課題間に類似性があるほど転移の影響は大きくなる。この選択肢は正しい。
運動学習のパフォーマンスは直線的に向上するわけではないため、向上がみられないことが運動学習の停止を意味するとは言えない。
