30歳の男性。統合失調症。高校時代から体調不良を訴えるようになり、自宅に引きこもっていた。5年前に幻覚妄想状態のため入院し作業療法を継続していたが、最近、「退院したい」と意欲を見せ始めた。この時期の作業療法の目的で適切なのはどれか。
1: 就労準備
2: 趣味の拡大
3: 心身機能の回復
4: 生活リズムの改善
5: 自己管理技能の改善
精神科作業療法のインフォームドコンセントについて適切なのはどれか。
1: 作業種目を変更する場合の同意は必要ない。
2: 医療保護入院の入院患者は同意を得る必要はない。
3: 言語理解が困難な場合は誘導しながら同意を得る。
4: 活動内容の説明は良好な患者―治療者関係の構築に必要である。
5: 精神症状が重篤な場合は患者の同意よりも治療効果が優先される。
認知症患者の運動療法を行うときの対応として適切でないのはどれか。
1: 肯定語で指示する。
2: 患者のペースに合わせる。
3: 同じ動作を繰り返し実施する。
4: 運動を拒否しても説得して行う。
5: 日常慣れ親しんだ動作を利用する。
被害妄想が持続し自宅に閉じこもることで安定している慢性期の統合失調症患者に対する訪問作業療法として適切な支援はどれか。
1: 外出の促し
2: 家事行為の指導
3: 近所づきあいの指導
4: 本人が困っていることの傾聴
5: 内服薬の種類についての話し合い
うつ病患者に行った訓練を表に示す。あてはまる訓練法はどれか。
1: コラム法
2: 自己教示法
3: 行動活性化法
4: ポジティブ日誌
5: アサーショントレーニング
チーム医療において理学療法士が行わないのはどれか。
1: チームのリーダーを務める。
2: 要介護認定申請の意見書を作成する。
3: 栄養指導について管理栄養士に相談する。
4: 人工呼吸器の設定について医師に相談する。
5: 福祉用具の貸与についてソーシャルワーカーに相談する。
工場生産労働者の腰痛対策として、産業理学療法の観点から優先度が低いのはどれか。
1: 作業姿勢の評価
2: 作業方法の変更
3: 職場の配置転換
4: ストレスの軽減
5: 労働生産性の維持
適応障害について誤っているのはどれか。
1: 日常生活に支障を生じる。
2: 認知行動療法は有効である。
3: 薬物療法が治療の中心になる。
4: 抑うつ気分を伴うことが多い。
5: 適応的なストレス・コーピング技能を養う必要がある。
境界型人格障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 個別面接は患者の要求に応じて随時行う。
2: 作品作りを通して依存欲求を満たす。
3: 自傷行為がみられたら担当者を交代する。
4: 攻撃行動がみられたら解釈して患者に説明する。
5: 表現活動を通し衝動発散を促す。
精神分裂病(統合失調症)の作業療法の初回面接で適切でないのはどれか。 ア.病棟での日常生活状況を聞く。イ.作業療法参加の動機を確認する。ウ.作業療法に対する希望を聞く。エ.発病時の症状を聞く。オ.家庭の経済状況を聞く。
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
老年期精神障害者に対する作業療法面接で適切でないのはどれか。
1: 情緒的なメッセージを読みとる。
2: 面接時間は長く設定する。
3: 疲労を避ける工夫をする。
4: 身体的な訴えも聴く。
5: 生活史を聴き取る。
境界型人格障害の患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 種目は患者に任せる。
2: 手順や結果が明確なものを選ぶ。
3: 枠組みのある作業を選ぶ。
4: 作業環境を一定にする。
5: 共同作業を勧める。
家族心理教育について正しいのはどれか。
1: 病気に関する知識を増やす。
2: 患者の育て方の振り返りを行う。
3: 通常は個人プログラムとして行う。
4: 患者は診断名を知らないことが前提となる。
5: EE〈Expressed Emotion〉を高める指導を行う。
介護予防について正しいのはどれか。
1: 運動器の機能向上を主目的とする。
2: 社会参加意欲の高い人は対象としない。
3: 一次予防から三次予防を別々に展開する。
4: 要介護状態の重度化の防止は三次予防である。
5: 一次予防事業の対象者は、要支援・要介護状態となる可能性の高い人である。
理学療法士及び作業療法士法で正しいのはどれか。
1: 理学療法士の理学療法業務独占を規定している。
2: 理学療法士の退職後の守秘義務を規定している。
3: 理学療法士免許は都道府県知事から交付される。
4: 理学療法士が1日で治療できる患者数を規定している。
5: 理学療法士養成施設の修業年限を1年以上と規定している。
17歳の女子。転換性障害。高校1年の2学期終了前にボーイフレンドと別れてから欠席がちとなり、頭痛、肩こり、無気力を訴えた。進級後も欠席が多く大学病院を受診したが、症状の改善がみられず2か月入院した。入院中に手首を切ったことがある。その後、復学したが教室で頻回に倒れ再入院となった。復学を目的に作業療法が処方された。作業に気乗りしないと頭痛を訴え、難しいと依存的になる。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 訴えを聞き作業を休ませる。
2: 復学を条件に作業を続ける。
3: 難しいところは療法士が手伝う。
4: 患者とルールを決めて作業を行う。
5: 患者の希望した作業を行う。