第49回午後第44問の類似問題

第43回午前:第40問

21歳の男性。知的障害。養護学校の高等部を卒業後、魚屋に住み込みで3年間働いていた。接客をすることになったころから、腹痛で休みがちとなった。つり銭を間違えたことがきっかけとなり、自分の頭を壁にたたきつけるなどの自傷行為がみられるようになり、精神科に入院となった。入院1週後に作業療法を開始した。復職に向けた支援で重要でないのはどれか。  

1: 住み込み先への外泊

2: 苦手な作業の確認

3: 体力の向上

4: 対人技能の訓練

5: 職場との調整

第57回午前:第47問

パニック障害に対する作業療法導入初期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: リラクセーションを練習する。

2: 集団作業療法で役割を持たせる。

3: 作業活動を通して自己洞察を促す。

4: スポーツ活動で体力の向上を促す。

5: パニック発作の不安がある場合は作業療法を中止する。

  • 答え:1
  • 解説:パニック障害は突然の発作が生じ、生活に支障をきたす状態で、曝露療法や認知行動療法が行われる。作業療法導入初期では、患者が作業療法に慣れていないため、リラクセーションを練習することが適切である。
  • リラクセーションを練習することは適切であり、導入初期に患者がストレスを感じやすいため、リラックスするための練習が行われる。
  • 導入期は患者の不安を高めないように個別から開始し、集団であっても「参加するだけでよい」とするような配慮が必要である。回復期になれば、集団作業療法で役割を持たせることができる。
  • 抑圧されている不安や葛藤に関する話題は、患者のパニック発作を誘発する危険があるため、特に導入期では禁忌である。
  • 導入期で体力が低下しているときは、休息・休眠がとれているかを確認し、運動よりも生活時間をマネジメントして体力の回復を目標とする。回復期では軽いスポーツやゲームなどを行って体力の向上を促すことができる。
  • パニック障害の患者には予期不安があるため、導入期には患者自身が活動中にパニックの症状が生じる不安を呈することや、実際に発作が生じることがある。しかし、それ自体で作業療法を中止する必要はない。発作があった場合は様子を観察し、過呼吸による危険な状態でなければ、あえて症状にはふれずにおいてもよい。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第89問

神経性無食欲症の患者に対する作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 行動制限に伴うストレスを発散させる。

2: 食行動を促す調理活動を提供する。

3: 対人交流を楽しめる場を提供する。

4: 自己表現を助ける作業活動を提供する。

5: 道具や材料の自己管理を促す。

第47回午前:第50問

癌患者の緩和ケアにおけるリハビリテーションについて正しいのはどれか。  

1: 肺癌がある場合は呼吸介助が禁忌となる。

2: 病名告知を前提として、理学療法を行う。

3: 疼痛コントロールを目的とした理学療法は行わない。

4: この段階ではリンパ浮腫に対する理学療法は行わない。

5: 患者の意思に合わせて理学療法の目的を変更する。

第51回午後:第46問

転換性障害のため歩行障害がみられる患者への作業療法で優先すべきなのはどれか。  

1: 住宅環境の整備を進める。

2: 廃用性機能障害を予防する。

3: 無意識の葛藤についての洞察を促す。

4: 難易度の高い作業への挑戦を勧める。

5: 器質的な原因との矛盾点に直面させる。

第44回午後:第56問

転移・逆転移で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 逆転移は治療者の生活史を反映する。

2: 陽性転移は治療的接近の手がかりになる。

3: 患者の怒りに気付いたら治療者を交代する。

4: 行動化は患者が転移を意識したときに生じる。

5: 逆転移を認識したら患者にそのことを伝える。

第55回午前:第14問

53歳の男性。うつ病の診断で10年前に精神科通院治療を受けて寛解した。1か月前から抑うつ気分、食思不振、希死念慮があり、入院して抗うつ薬の投与を受けていた。1週前からパラレルの作業療法に参加していたが、本日から他患者に話しかけることが増え、複数の作業療法スタッフに携帯電話番号など個人情報を尋ねてまわるようになった。「食欲も出てきた」と大声を出している。この時点での作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。  

1: 食欲が戻ったので調理実習を計画する。

2: その場で作業療法室への出入りを制限する。

3: 患者との関係作りのため携帯電話番号を教える。

4: 担当医や病棟スタッフに状態の変化を報告する。

5: 行動的となったことを本人にポジティブ・フィードバックする。

  • 答え:4
  • 解説:この患者はうつ病の治療を受けていたが、躁病相の症状が現れ始めている。そのため、適切な対応は担当医や病棟スタッフに状態の変化を報告し、今後の対応について検討することである。
  • 食欲増進は躁病相によるものと考えられるため、調理実習を計画することは患者の症状を増強させる可能性があり、望ましくない。
  • 患者の要求に対してすぐに制限をかけることは、欲求不満を拡大させ、反発や攻撃性を強化するため、すぐに作業療法室への出入りを制限すべきではない。
  • 躁病相の症状が現れた患者に対しては、行動の枠組みを守るようにする。患者が枠組みを超えた要求をしてきた際には、きっぱりとした態度で要求を断る必要がある。
  • 患者の状態が躁病相に変化していることから、担当医や病棟スタッフに状態の変化を報告し、今後の対応について検討する必要がある。これが最も適切な対応である。
  • 患者が行動的になったのは躁病相になったためと考えられる。ポジティブ・フィードバックすることで、症状をさらに強めてしまうこともあるため、望ましくない。
  • 科目:気分障害
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第56回午後:第46問

正しい日時や場所などの情報を繰り返し提示する認知症患者への介入法はどれか。  

1: 作業回想法

2: ユマニチュード

3: ルーティン化療法

4: バリデーション療法

5: リアリティオリエンテーション

  • 答え:5
  • 解説:リアリティオリエンテーションは、認知症患者に対して現実見当識訓練を行い、見当識障害の改善を目的とした介入法である。
  • 作業回想法は、患者の心理的安定や感情・意欲を高揚させる目的で行われる方法であり、認知症患者への日時や場所の情報提示には関係がない。
  • ユマニチュードは、人間らしさを取り戻すことを目標としたケア技法であり、認知症患者への日時や場所の情報提示には関係がない。
  • ルーティン化療法は、毎日のスケジュールを固定し、困った習慣を問題のない習慣に変えていくアプローチであるが、認知症患者への日時や場所の情報提示には直接関係がない。
  • バリデーション療法は、経験や感情を認め、共感し、他者との信頼関係を築く方法であるが、認知症患者への日時や場所の情報提示には関係がない。
  • リアリティオリエンテーションは、認知症患者に対して現実見当識訓練を行い、見当識障害の改善を目的とした介入法であるため、正しい日時や場所などの情報を繰り返し提示する方法として適切である。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第34回午前:第77問

精神科作業療法での初回面接で適切でないのはどれか。  

1: 作業療法士の自己紹介をする。

2: 作業療法参加の意志を確認する。

3: 現在の状態を聞く。

4: 入院前の生活状況を聞く。

5: 発病時の様子を聞く。

第47回午前:第50問

うつ病患者の作業療法において病状の悪化を示唆する所見はどれか。2つ選べ。  

1: 作業の停滞

2: 作業時間の遵守

3: 新しい課題の要求

4: 身体症状への高い関心

5: 他の患者とのトラブルの増加

第43回午前:第82問

統合失調症患者の作業療法場面での行動特徴で誤っているのはどれか。  

1: とっさの判断を求められると戸惑う。

2: 特定の作業活動に執着する。

3: 同時に二つの課題を与えられると混乱しやすい。

4: 新しいものに慣れるまで時間がかかる。

5: 計画的に物事を進めることが困難である。

第55回午前:第41問

境界性パーソナリティ障害の治療について最も適切なのはどれか。  

1: 治療者への依存を促す。

2: 薬物療法は行わないようにする。

3: 長期入院により適応を良好にする。

4: 他の患者と交流させないようにする。

5: 治療的枠組みを崩さないようにする。

  • 答え:5
  • 解説:境界性パーソナリティ障害の治療では、治療的枠組みを崩さないようにすることが重要です。患者は周囲の人から見捨てられることを恐れるため、治療者への依存が見られることがありますが、毅然とした態度で対応する必要があります。また、薬物療法や他患者との交流も治療に役立ちます。
  • 治療者への依存を促すことは、患者の恐れを助長させるだけでなく、治療の効果を阻害する可能性があります。治療者はルールを決めて毅然とした態度を貫く必要があります。
  • 薬物療法は、抗不安薬や抗うつ薬などが副次的にパーソナリティ障害に対して有効であるため、必要に応じて行われます。薬物療法を一切行わないというのは適切ではありません。
  • 長期入院は、境界性パーソナリティ障害患者にとって望ましくない治療方法です。目標は「社会のなかで生活を継続できる」ことであり、長期入院はその目標を達成する上で効果的ではありません。
  • 他の患者と交流させないようにすることは、治療上必要な他者との関係を経験する機会を奪ってしまいます。相互作用が起こるような治療的空間を準備することが重要です。
  • 治療的枠組みを崩さないようにすることが最も適切な治療方法です。作業療法では、作業活動による空間と時間、体験の構造化を行い、明確な枠組みの提供を目指します。これにより、患者は安定した治療環境で自己改善に取り組むことができます。
  • 科目:その他の精神障害
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第41回午前:第33問

40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この患者の入院初期の治療として適切でないのはどれか。  

1: 対人技能訓練を行う。

2: 隠れた身体疾患を検索する。

3: 睡眠薬を処方する。

4: 抗うつ薬を処方する。

5: 充分な休息を与える。

第34回午前:第78問

精神科作業療法の初回評価で適切なのはどれか。  

1: 複数の種目を同時に行う。

2: 複雑な種目で行う。

3: 種目は一定の設定場面で行う。

4: 患者が希望した種目で行う。

5: 退院後の希望にそった種目を行う。

第41回午前:第85問

統合失調症の回復期前期における作業療法導入時の評価項目で適切でないのはどれか。  

1: 基本的生活リズム

2: 身体感覚の状態

3: 疲れやすさの程度

4: 活動範囲の広がり

5: 金銭管理能力

第56回午後:第17問

50歳の男性。妻と二人暮らし。1年前に支店長に昇進してから仕事量が増え、持ち前の几帳面さと責任感から人一倍多くの仕事をこなしていた。半年前に本社から計画通りの業績が出ていないことを指摘され、それ以来仕事が頭から離れなくなり、休日も出勤して仕事をしていた。2か月前から気分が沈んで夜も眠れなくなり、1か月前からは仕事の能率は極端に低下し、部下たちへの指揮も滞りがちとなった。ある朝、「自分のせいで会社が潰れる、会社を辞めたい、もう死んで楽になりたい」と繰り返しつぶやいて布団にうずくまっていた。心配した妻が本人を連れて精神科病院を受診し、同日入院となった。入院後1週間が経過した時に気分を聞くと、返答までに長い時間がかかり、小さな声で「そうですねえ」と答えるのみであった。作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 退職を勧める。

2: 気晴らしを勧める。

3: 十分な休息を勧める。

4: 自信回復のために激励する。

5: 集団認知行動療法を導入する。

  • 答え:3
  • 解説:この患者はうつ病の疑いがあり、心身の疲労回復に努める時期であるため、十分な休息を勧めるのが適切な対応である。
  • うつ病の疑いがある患者には判断能力が減退していることがあるため、退職という重大な決断を勧めることは適切ではない。
  • 返答までに長い時間がかかる状態の患者には、気晴らしを勧められることでも心理負担であるため、適切ではない。
  • 患者は心理的に不活性であり、「もう死んで楽になりたい」と思い詰めている状況であるため、十分な休息を勧めることが適切である。
  • 患者は個人の限界に達して職能が破綻していることから、激励することは患者を心理的に追い詰めてしまうことになるため、適切ではない。
  • 患者が自分のペースや能力を超えて活動しようとすることが予測されるため、集団での活動は避けた方が良い。集団認知行動療法を行うとすれば、患者の症状が明らかに回復に向かい、自分の気持ちと現実との関係性をポジティブに認識できる時期からでも良い。
  • 科目:気分障害
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第39回午前:第37問

22歳の女性。統合失調症(精神分裂病)。17歳時、周囲から悪口を言う声が聞こえ初回入院し、退院後はアルバイトの生活を続けていた。今回、突然2階から飛び降りた。けがは軽症で済んだが、興奮と幻覚妄想が顕著となり、2回目の入院。入院3週目で症状は軽減したが、疲弊状態が前面に出ている。主治医から、再発後の疲れやすさへの対処を目的とした作業療法が指示された。開始後まもなく「退院してアルバイトをしたい」と訴える。作業療法士の働きかけで適切でないのはどれか。  

1: 主治医の判断を確認する。

2: 作業療法の当面の目的を説明する。

3: 退院後の生活の見通しを尋ねる。

4: 作業種目の内容を一緒に考える。

5: 厚生労働省編一般職業適性検査を実施する。

第38回午前:第84問

うつ病患者が作業療法場面で表現するのはどれか。  

1: もう一人の自分がいる。

2: 誰かに操られている。

3: 周りに迷惑をかけている。

4: もっと高度なことができる。

5: 周りから期待されている。

第44回午前:第33問

26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。復職に向けて本人と職場の上司とを交えた面接を行うこととなった。その時の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 病気の特徴を説明する。

2: 上司に服薬管理を依頼する。

3: 困った時の相談相手を決める。

4: 他者との共同作業を提案する。

5: 病前と同じ業務の継続を依頼する。

第38回午前:第75問

職業関連活動で適切でないのはどれか。  

1: 疾患の管理指導

2: 公共交通機関の利用指導

3: 特定の職業能力訓練

4: 職場環境の評価

5: 段階的な復帰プログラムの提案