82歳の男性。15年前から動作時の息切れ及び咳や痰の増加がみられ、自宅近くの医療機関にて加療していた。徐々に動作時の呼吸困難感が強くなり、入浴動作で息切れを感じるようになっている。2年前から在宅酸素療法が開始されている。動脈血ガス分析はPaO2 65 Torr、PaCO2 47 Torr、HCO3– 29.5 mEq/L、肺機能検査は、%VC 62%、FEV1% 42%であった。吸入薬として長時間作用性β2刺激薬、長時間作用性抗コリン薬が処方されている。本症例に有酸素運動を行う場合の運動強度として最も適切なのはどれか。
1: 7 METs
2: 修正Borg指数7
3: 最大仕事量の75%
4: 目標心拍数130/分
5: 最大酸素摂取量の40%
糖尿病患者の運動で誤っているのはどれか。
1: 運動はインスリン注射直後に行う。
2: 運動強度を最大酸素摂取量の40~60%に設定する。
3: 全身を使った運動を行う。
4: 2 kgの負荷で10~20回の下肢等張性運動を行う。
5: 20分以上の持久運動を週3日行う。
70歳の男性。身長170 cm、体重54 kg。肺気腫による慢性呼吸不全で在宅酸素療法を行っている。自宅での生活指導として正しいのはどれか。
1: 下肢の筋力強化を行う。
2: 体重を増やさないように食事制限を行う。
3: 息切れがない時は酸素投与の必要はない。
4: 息を吸いながら階段を昇り、息を吐く時には立ち止まる。
5: 1日のエネルギー消費量を減らす。
糖尿病の運動療法で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.肥満例ではやや多めの総摂取エネルギーとする。イ.運動強度は最大酸素摂取量の70%程度が適切である。ウ.血糖値が高いほど効果的である。エ.運動強度は漸増運動負荷試験で決定する。オ.運動によってインスリン抵抗性が改善する。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
糖尿病の運動療法で適切でないのはどれか。
1: 2週に1回の頻度
2: 食事1~2時間後に開始
3: 1回20分程度で2、3セットで実施
4: 最大酸素摂取量の40~60%の運動
5: 食事療法と併用
75歳の男性。身長170 cm、体重48 kg、BMI 16.6。約10年前から呼吸困難が出現し自宅近くの医院で加療していた。徐々に呼吸困難感が増悪してきており、50 m程度の連続歩行で呼吸困難感のため休息が必要である。動脈血ガス分析PaO2 65 Torr、PaCO2 48 Torr、肺機能検査%VC 81%、FEV1% 31%であった。患者の胸部エックス線写真を示す。この患者の運動療法を中止すべき状態として最も適切なのはどれか。
1: SpO2 82%
2: 呼吸数22/分
3: 心拍数105/分
4: 修正Borg指数5
5: 収縮期血圧が安静時より20 mmHg上昇
50歳の男性。慢性呼吸不全。運動時酸素流量 1 リットル/分の運動療法の指標で誤っているのはどれか。
1: ボルグスケール13
2: 経皮的酸素飽和度95 %
3: 嫌気性代謝閾値(AT)レベル
4: 脈拍110/分
5: 呼吸数40/分
55歳の男性。2型糖尿病。身長170 cm、体重85 kg。BMI〈body mass index〉を24にするために目標とすべき体重に最も近いのはどれか。
1: 65 kg
2: 67 kg
3: 69 kg
4: 71 kg
5: 73 kg
糖尿病患者に対する運動で正しいのはどれか。
1: 代謝改善を目的とした運動は1日2回行うのが望ましい。
2: 脂質代謝の改善は糖代謝改善よりも短い運動時間で達成できる。
3: 運動習慣のない高齢者に対する運動強度は80%VO2maxが望ましい。
4: 運動によるエネルギー消費は1日の摂取エネルギーの40%を目標とする。
5: 効率的にエネルギーを消費させるために運動強度を強くして短時間で行う。
慢性閉塞性肺疾患で運動療法を中止しなければならないのはどれか。
1: 動脈血酸素飽和度─85%
2: 酸素摂取量─最大酸素摂取量の70%
3: 心拍数─最大心拍数(220-年齢)の60%
4: 収縮期血圧─170 mmHg
5: ボルグ指数─11
70歳の男性。身長170 cm、体重60 kg。陳旧性心筋梗塞による慢性心不全、NYHA(New York Heart Association,1964)のclass II。医師の指示によって在宅での心臓リハビリテーションを行っている。自宅での生活指導で正しいのはどれか。
1: できるだけ水分摂取を行う。
2: 体重増加は栄養改善の良い指標である。
3: ボルグ指数で15程度の運動を勧める。
4: 安静時に息切れがある日は運動を休む。
5: 安静時間を長くしてエネルギー消費量を減らす。
75歳の男性。身長170 cm、体重48 kg、BMI 16.6。約10年前から呼吸困難が出現し自宅近くの医院で加療していた。徐々に呼吸困難感が増悪してきており、50 m程度の連続歩行で呼吸困難感のため休息が必要である。動脈血ガス分析PaO2 65 Torr、PaCO2 48 Torr、肺機能検査%VC 81%、FEV1% 31%であった。患者の胸部エックス線写真を示す。予測されるフローボリューム曲線として最も適切なのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
活動と運動強度との組合せで正しいのはどれか。
1: 読書-0.5~0.8 METs
2: 床ふき-1.0~1.5 METs
3: 歩行(時速4 km)-1.5~2.0 METs
4: 自転車(時速8 km)-2.0~3.0 METs
5: 階段昇降-3.0~4.0 METs
運動処方に関して誤っているのはどれか。
1: 等張性運動は等尺性運動より血圧上昇が少ない。
2: 代謝当量(METs)は安静時座位での酸素摂取量を基準にしている。
3: ヒュージョーンズ分類のII度では階段で息切れが起こる。
4: 運動負荷試験では「少しきつい」レベルの運動から始める。
5: 嫌気性代謝閾値(AT)は最大酸素摂取量の約60%である。
インスリン使用中の糖尿病患者の運動療法で誤っているのはどれか。
1: 運動強度は最大酸素摂取量の40~60%とする。
2: 運動の1~3時間前に食事を摂る。
3: 血糖250 mg/dl 以上、尿中ケトン体陽性では運動を延期する。
4: 運動前後の尿糖をモニターする。
5: インスリン注射は運動開始1時間以上前に行う。
58歳の男性。身長164 cm、体重88 kg。高血圧と2型糖尿病で通院していた。空腹時血糖値の異常と急激な視力低下で緊急入院した。入院時の空腹時血糖値は268 mg/dl、HbA1cは12.8%であった。入院後のインスリン投与により空腹時血糖値は156 mg/dlに低下した。理学療法で正しいのはどれか。
1: HbA1c値を日々の理学療法の指標にした。
2: 運動はインスリン投与後30分以内に開始した。
3: 運動強度はBorg指数で17とした。
4: 短時間1回最大等尺性訓練による筋力増強を行った。
5: 1日200 kcalを消費させる有酸素運動を指導した。
50歳の男性。会社の健康診断で尿糖陽性を指摘され、受診した。入院時、身長175 cm、体重85 kg。脈拍75/分、血圧165/86 mmHg。両側足関節の振動覚は鈍麻。血液生化学所見では、空腹時血糖385 mg/dL(基準値65~109 mg/dL)、HbAlc 8.6%(基準値4.6~6.2%)、トリグリセリド362 mg/dL(基準値30~150 mg/dL)、LDL コレステロール128 mg/dL(基準値70~139 mg/dL)であった。尿検査でケトン体陰性であった。入院後、食事療法と薬物療法が開始されている。運動療法開始時に必要な条件はどれか。
1: 感覚障害が改善する。
2: 脂質異常症が改善する。
3: 尿中ケトン体が陽性となる。
4: HbAlcが基準値内まで低下する。
5: 空腹時血糖が250 mg/dL未満となる。
50歳の男性。糖尿病性腎不全で週3回の血液透析とインスリン療法とで治療中である。最近、両足趾の痛みを訴えている。運動療法で正しいのはどれか。
1: 最大酸素摂取量の70%で運動を行う。
2: 血糖値が高いときは運動療法を中止する。
3: 透析直前に運動を行う。
4: 脈拍数150/分で運動を中止する。
5: 下肢の皮膚色に注意しながら運動を行う。
身体活動のエネルギー代謝で誤っているのはどれか。
1: 20分以上の有酸素運動では脂質より糖質が利用される。
2: 筋収縮エネルギーとしてATPが利用される。
3: 無酸素性閾値は心肺負荷試験で算出できる。
4: 最大酸素摂取量は運動持久力を反映する。
5: グリコーゲンの解糖により乳酸を生じる。
運動処方で誤っているのはどれか。
1: 等張性運動は等尺性運動よりも収縮期血圧の上昇が少ない。
2: 代謝当量(METs)は安静臥位での酸素摂取量を基準にしている。
3: Hugh-Jones分類のII度では階段を上ると息切れが起こる。
4: 最大運動負荷試験では運動終点(エンドポイント)まで負荷を加える。
5: 嫌気性代謝閾値(AT)は最大酸素摂取量の約60%である。