21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。
1: 意識障害を確認する。
2: 血圧を測定する。
3: 頭部を低くする。
4: 留置バルーンカテーテルを開放する。
5: 便通を確認する。
関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で垂直線を基準に用いるのはどれか。2つ選べ。
1: 肩屈曲
2: 肘屈曲
3: 股内旋
4: 膝屈曲
5: 頸部側屈
慢性関節リウマチの作業療法で誤っているのはどれか。
1: 手指に強い負荷がかからないようにする。
2: 股関節の屈曲拘縮を予防するために腹臥位をとらせる。
3: 午前中の早い時間にプログラムを実施する。
4: 自己装着可能な夜間スプリントを工夫する。
5: 等尺性運動によって筋力維持を行う。
腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
1: L4神経根障害では長母趾屈筋の筋力低下を生じる。
2: L5神経根障害では下腿外側から足背の知覚異常を伴う。
3: L5神経根障害では大腿神経伸張テストが陽性となる。
4: S1神経根障害では前脛骨筋の筋力低下を生じる。
5: S1神経根障害では膝蓋腱反射が低下する。
56歳の男性。数年前から頸椎椎間板ヘルニアを指摘されていた。昨日、自宅で転倒して突然に麻痺を呈した。頸髄損傷と診断され、主な損傷部位以下の機能はASIA機能障害尺度でBである。頸椎MRIを示す。正しいのはどれか。
1: 横隔膜の麻痺がある。
2: 肩をすくめることができる。
3: スプーンを握り食事ができる。
4: 棚の上の物をとることができる。
5: 頸部を回旋することができない。
62歳の女性。脳梗塞発症後3日目。早期の離床とADL獲得を目標に作業療法が開始された。初回の訪室時、目を閉じていたが呼びかけると開眼した。発語は聞き取れるが内容に一貫性がみられない。運動の指示に応じた動きは見られず、四肢は屈曲する傾向がある。バイタルサインは、体温37.1℃、脈拍は98/分、不整脈は認めず、血圧140/98 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%であった。問いかけへの返答があいまいで自覚症状を十分に聴取できなかったため、主治医に確認した上で、リハビリテーションの中止基準(日本リハビリテーション医学会による)を遵守することを前提に離床させることとなった。作業療法開始後、中止する必要があるのはどれか。2つ選べ。
1: 脈拍が140/分を超えたとき
2: 不整脈が出現したとき
3: 拡張期血圧が110 mmHgとなったとき
4: 収縮期血圧が170 mmHgとなったとき
5: SpO2が95%になったとき
はさみ状肢位(scissors position)を示す痙直型両麻痺児の股関節を他動的に外転した姿勢を図に示す。図1と図2のように股関節外転角度が異なるときに影響した筋はどれか。
1: 薄筋
2: 大内転筋
3: 短内転筋
4: 長内転筋
5: 大腿筋膜張筋
57歳の男性。脳出血による左片麻痺。Brunnstrom法ステージ下肢III。左下腿三頭筋のMAS〈modified Ashworth scale〉は2。平行棒内歩行時に左下肢の踵接地はみられず、内反尖足となる。また、左下肢立脚中期に膝のロッキングを認める。そこでダブルクレンザック(ロッド式)短下肢装具を作製した。誤っているのはどれか。
1: 下腿半月の上縁の位置:腓骨頭
2: 下腿半月の幅:4 cm
3: 下腿中央部における支柱と皮膚との距離:5 mm
4: 足継手の位置:内果下端と外果中央を結ぶ線
5: 足関節の角度:底屈0°
関節可動域測定(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で誤っているのはどれか。
62歳の男性。脳出血による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。左下肢のブルンストローム法ステージはIII。平行棒内にて片脚立位で図のような肢位を認めた。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 左膝屈曲位での立位歩行訓練
2: 左下肢屈筋共同運動の促通
3: 左アキレス腱の持続的伸張
4: 膝装具を装着した立位歩行訓練
5: 患側の補高
手の関節で誤っているのはどれか。
1: 橈骨茎状突起と舟状骨が衝突することで橈屈が制限される。
2: 回外位よりも回内位の方が橈屈の可動域が大きい。
3: 尺屈は手根中央関節よりも橈骨手根関節の可動性が大きい。
4: 背屈では橈骨手根関節よりも手根中央関節の可動性が大きい。
5: 手根中手関節の可動性は第3中手骨よりも第4中手骨の方が大きい。
前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺に共通するのはどれか。
1: 感覚は正常である。
2: 尺骨神経の分枝である。
3: 肘部管のTinel徴候が陽性である。
4: 中・環・小指の伸展動作が困難である。
5: 母指と示指のつまみ動作が困難である。
右大腿骨頭すべり症によりDrehmann〈ドレーマン〉徴候陽性の場合、背臥位で右下肢を他動的に屈曲したときに生ずる関節運動で正しいのはどれか。
1: 左股関節が屈曲・外旋する。
2: 左股関節が内転・外旋する。
3: 右股関節が外転・外旋する。
4: 右股関節が外転・内旋する。
5: 右股関節が内転・内旋する。
70歳の女性。両側変形性膝関節症。外来通院中である。自宅におけるADLは、FIMによる評価で、2項目(歩行・車椅子および階段)はT字杖を使用しての自立であったが、それ以外は補助具を使用せずに自立していた。コミュニケーション(理解、表出)や社会的認知(社会的交流、問題解決、記憶)は問題ない。FIMの点数はどれか。
1: 100
2: 112
3: 120
4: 124
5: 126
25歳の男性。登山で滑落し頸髄完全損傷。Danielsらの徒手筋力テストで左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、長橈側手根伸筋4、上腕三頭筋1、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0である。この患者の機能残存レベルはどれか。
1: C5
2: C6
3: C7
4: C8
5: T1
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
1: 体幹の動揺は少ない。
2: 肩関節は内転位になりやすい。
3: 肘関節は伸展位になりやすい。
4: 股関節は内転位になりやすい。
5: 膝関節は伸展位になりやすい。
38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。この患者のASIA機能障害尺度はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
関節可動域測定法(日本整形外科学科、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と移動軸の組合せで誤っているのはどれか。
1: 頸部の屈曲 − 外耳孔と頭頂を結ぶ線
2: 頸部の回旋 − 鼻梁と後頭結節を結ぶ線
3: 胸腰部の前屈 − 外耳孔と第5腰椎棘突起を結ぶ線
4: 胸腰部の回旋 − 両側の肩峰を結ぶ線
5: 胸腰部の側屈 − 第1胸椎棘突起と第5腰椎棘突起を結ぶ線
43歳の女性。高校の美術教師。2年前に乏突起神経膠腫を発症した。現在緩和ケア病棟で疼痛緩和の治療を受けている。作業療法時に「死んだらどうなるのでしょうか」と問いかけられた。対応として最も適切なのはどれか。
1: 「よく分かりません」
2: 「あなたはどう思っていますか」
3: 「気持ちを切り替えて、作業をしましょう」
4: 「そんなことは心配しなくても大丈夫ですよ」
5: 「何か楽しくなるようなことを考えましょう」
25歳の男性。外傷性頸髄損傷。現在は図のような動作で食事を行っている。図は「手を握ってください」との指示でなされた手の動きである。この動きはどれか。
1: 共同運動
2: 分離運動
3: 連合運動
4: 腱固定作用
5: 把握反射