60歳の男性。Parkinson病。3年前に右手の振戦で発症し、2年前から左足と左手の振戦を認めている。最近、前かがみが強くなり、腹部が締めつけられるような感覚を生じることがある。独歩は可能。事務仕事を継続している。外来時の指導で適切なのはどれか。
1: 呼吸法
2: 毎日10分間の散歩
3: 体幹コルセットの装着
4: 四肢の高負荷筋力トレーニング
5: 肩甲帯と体幹を大きく動かす運動
錐体外路症状を呈するのはどれか。
1: 核黄疸
2: 筋萎縮性側索硬化症
3: 脊髄空洞症
4: フリードライヒ型失調症
5: シャルコー・マリー・トゥース病
心筋梗塞の既往と拘束性呼吸障害とを有する患者にDanielsらの徒手筋力テストを行う際に、呼吸や血圧への影響が少ないのはどれか。ただし、検査は段階4以上とする。
1: 肩関節屈曲
2: 肘関節屈曲
3: 股関節屈曲
4: 股関節外転
5: 膝関節屈曲
廃用症候群に含まれないのはどれか。
1: 筋萎縮
2: 尿路結石
3: 骨粗鬆症
4: 反張膝
5: 体力低下
病態とその治療薬の組合せで正しいのはどれか。
1: 関節リウマチ ― メトトレキサート
2: ジスキネジア ― L-dopa
3: 重症筋無力症 ― 抗コリン薬
4: 前立腺肥大症 ― 男性ホルモン
5: 消化管出血 ― アスピリン
多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 男性に多い。
2: 脱髄病変がみられる。
3: 発症は70代以上に多い。
4: 神経症状の進行は稀である。
5: 視力低下が出現する頻度が高い。
26歳の女性。躁病。雑誌の編集員。昼夜が逆転し、職場では同僚や上司に無遠慮な言動が目立ち始めた。日常行動もまとまりに欠けてきたので入院した。入院後1か月で落ち着き始め、職場復帰に向けて作業療法が開始された。開始時の作業で適切でないのはどれか。
1: 短時間で達成可能なもの
2: 巧緻性の低いもの
3: 粗大運動の要素が多いもの
4: エネルギー発散の要素が強いもの
5: 量的達成度を求めるもの
32歳の女性。下痢症状の後に四肢の脱力が出現したGuillain-Barré症候群で、入院2週後のGuillain-Barré障害スコアが5(人工呼吸管理)であった。グラフは表の3項目の合計点と歩行の関係を示す。この患者が発症6か月後に歩行不可能な確率はどれか。
1: 20%
2: 30%
3: 60%
4: 80%
5: 90%
手根管症候群の症状で正しいのはどれか。
1: 母指球筋の萎縮
2: 長母指屈筋の麻痺
3: 手背尺側の感覚鈍麻
4: 鷲手
5: レイノー徴候
びまん性軸索損傷の患者で正しいのはどれか。
1: 運動失調は呈さない。
2: 認知障害の回復は良好である。
3: 四肢、体幹の外傷の合併は少ない。
4: 四肢、体幹の関節拘縮を生じやすい。
5: 社会的行動異常が生活上において問題となる。
32歳の男性。筋強直性ジストロフィー。手指を強く握ると筋強直のために開くのに時間がかかる。側頭部と頬部の筋萎縮と閉口障害を認める。筋力はMMTで頸部2、肩関節周囲2、肘関節周囲2、手指3、股関節周囲2、膝関節周囲2、足関節周囲1で、立位になればかろうじて短距離歩行可能である。労作時に動悸や呼吸苦の自覚はなく、SpO2の低下を認めない。正しいのはどれか。
1: ROM運動は筋強直に抵抗して行う。
2: 食事は咀嚼回数を減らす形態にする。
3: 等尺性収縮による筋力増強は行わない。
4: アンビューバックを活用した呼吸練習を行う。
5: 下肢装着型の補助ロボット導入は有効でない。
慢性関節リウマチについて誤っているのはどれか。
1: エックス線所見で関節周囲の骨萎縮が認められる。
2: 遠位指節間関節から初発することが多い。
3: 罹患関節は左右対称性に症状が現れる。
4: 環軸関節の亜脱臼が生じることが多い。
5: 関節周囲などに皮下結節が認められる。
多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 男性に多い。
2: 発症は50代に多い。
3: 脱髄病変がみられる。
4: 視力低下が出現する頻度が高い。
5: 運動負荷に制限を設ける必要はない。
統合失調症で通院中の女性が壁を凝視したまま動かない。両上肢を挙上させるとそのままの姿勢をとり続けた。考えられるのはどれか。
1: アカシジア
2: 悪性症候群
3: 急性ジストニア
4: 緊張病症候群
5: 薬剤性パーキンソニズム
87歳の女性。転倒による大腿骨近位部骨折に対する手術後。理学療法を行っているが、筋力増強の効果が不十分で全身の持久性も低下している。下肢の浮腫を認めたため主治医へ報告したところ、栄養障害はあるが内科的な併存症はないといわれた。理学療法を行う上で、特に参考となる血液検査所見はどれか。
1: アルカリフォスファターゼ
2: クレアチニン
3: 空腹時血糖
4: アルブミン
5: 赤血球
筋萎縮性側索硬化症患者の状態とADL上の工夫との組合せで誤っているのはどれか。
1: 気管切開-透明文字盤
2: 発声の低下-家人を呼ぶためのチャイム
3: 手指筋力低下-ワンスイッチ入力
4: 歩行障害-骨盤帯付長下肢装具
5: 下肢の痙性麻痺-回転移乗盤による移乗
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。
1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。
2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。
3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。
4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。
5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。
35歳の女性。四肢のしびれで発症し、視力障害、不全四肢麻痺、体性感覚障害および息苦しさの増悪と寛解を繰り返した。小脳症状はない。MRIでは脳脊髄白質に多発性・散在性の脱髄斑が認められた。理学療法で適切なのはどれか。
1: 胸郭の可動性拡大運動
2: ボルグ指数で「きつい」運動
3: しびれに対するホットパック
4: 水温38~39℃の水中歩行訓練
5: 下肢に重錘を装着しての歩行訓練
頸椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
1: 女性に多く発症する。
2: 60~70代に好発する。
3: 下肢症状より上肢症状で始まることが多い。
4: C6、7間の外側型ヘルニアでは腕橈骨筋反射が亢進する。
5: 座位で両肩関節を過外転すると橈骨動脈の拍動が減弱する。
Guillain-Barré症候群について誤っているのはどれか。
1: 自己免疫機序による。
2: 髄液の異常所見がみられる。
3: 筋力低下は体幹から始まる。
4: 自覚的感覚異常がみられる。
5: 神経原性の針筋電図所見を認める。