理学療法士問題表示
理学療法士国家試験
解剖学(筋・骨格・神経系)
解説
運動神経のみの脳神経は、滑車神経、外転神経、副神経、舌下神経である。感覚機能のみの神経は、嗅神経、視神経、内耳神経である。複数の神経が関与する神経は、動眼神経、三叉神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経である。
選択肢別解説
滑車神経は運動神経のみの脳神経であり、目の外側直筋を支配しています。そのため、正解です。
三叉神経は運動神経と感覚神経が関与する脳神経であり、顔面の感覚や咀嚼筋の運動を支配しています。そのため、間違いです。
顔面神経は運動神経、感覚神経、自律神経が関与する脳神経であり、顔面の表情筋の運動や味覚、涙腺・唾液腺の分泌を支配しています。そのため、間違いです。
舌咽神経は運動神経、感覚神経、自律神経が関与する脳神経であり、咽頭の筋肉の運動や咽頭の感覚、舌の後部の味覚を支配しています。そのため、間違いです。
舌下神経は運動神経のみの脳神経であり、舌の筋肉を支配しています。そのため、正解です。
解説
この問題では、脊髄に関する知識を問うています。脊髄は中枢神経系の一部であり、神経細胞の細胞体や神経線維が集まっています。正しい選択肢は、体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体が後根神経節に存在することです。
選択肢別解説
選択肢1は正しいです。体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体は後根神経節に存在します。これは、感覚情報を脊髄に伝達する役割を果たしています。
選択肢2は間違いです。白質は神経線維が集まっている部分であり、その大部分を神経細胞の細胞体が占めるのは灰白質です。白質は脊髄の周囲にあり、神経線維が無数に走っています。
選択肢3は間違いです。運動神経細胞は脊髄の前角に存在し、筋肉への指令を伝える役割を果たしています。後角には感覚神経細胞があり、感覚情報を受け取ります。
選択肢4は間違いです。深部感覚は脊髄の後索を上行し、脳に伝達されます。前索は粗大触圧感覚が上行する部分であり、深部感覚とは異なります。
選択肢5は間違いです。温痛覚は脊髄の側索を上行し、脳に伝達されます。後索は深部感覚が上行する部分であり、温痛覚とは異なります。

解説
大菱形骨は、小菱形骨と舟状骨に接している。それぞれの骨がどの骨と接しているかを理解することが重要です。
選択肢別解説
月状骨は、舟状骨、有鈎骨、有頭骨、三角骨に接しているが、大菱形骨とは接していません。
三角骨は、月状骨と有鈎骨に接しているが、大菱形骨とは接していません。
舟状骨は、大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、月状骨に接している。このため、大菱形骨に接する骨として正しい選択肢です。
有鈎骨は、有頭骨、三角骨、月状骨に接しているが、大菱形骨とは接していません。
有頭骨は、小菱形骨、舟状骨、月状骨、有鈎骨に接しているが、大菱形骨とは接していません。
解説
橈骨粗面に付着する筋は上腕二頭筋である。上腕二頭筋は、肩甲骨関節上結節(長頭)と肩甲骨烏口突起(短頭)から起始し、橈骨粗面に停止する。
選択肢別解説
肘筋は橈骨粗面には付着しない。起始は上腕骨外側上顆で、停止は肘頭外側面である。
上腕筋は橈骨粗面には付着しない。起始は上腕骨前面で三角筋停止部の下方、内・外側筋間中隔、肘関節包の前面で、停止は尺骨鈎状突起、尺骨粗面、肘関節包前面である。
腕橈骨筋は橈骨粗面には付着しない。起始は上腕骨外側縁下部、外側上腕筋間中隔で、停止は橈骨茎状突起である。
上腕二頭筋は橈骨粗面に付着する筋で正しい。起始は肩甲骨関節上結節(長頭)と肩甲骨烏口突起(短頭)で、停止は橈骨粗面である。
橈側手根屈筋は橈骨粗面には付着しない。起始は上腕骨内側上顆、前腕筋膜で、停止は第2・3中手骨底である。
解説
健常成人において脊髄最下端の位置は第1~第2腰椎の高さであり、脊髄円錐となって終わります。脊髄は中枢神経の一部で、延髄の尾側から始まります。
選択肢別解説
第9~第10胸椎では、脊髄最下端の位置が正しくありません。正しい位置は第1~第2腰椎です。
第11~第12胸椎では、脊髄最下端の位置が正しくありません。正しい位置は第1~第2腰椎です。
第1~第2腰椎は正しい答えです。健常成人において脊髄最下端の位置は第1~第2腰椎の高さであり、脊髄円錐となって終わります。
第3~第4腰椎では、脊髄最下端の位置が正しくありません。正しい位置は第1~第2腰椎です。
第5腰椎~第1仙椎では、脊髄最下端の位置が正しくありません。正しい位置は第1~第2腰椎です。
解説
頸動脈小体は酸素センサーであり、舌咽神経を介して呼吸中枢である延髄に情報を送ります。このため、頸動脈小体を支配する神経は舌咽神経です。
選択肢別解説
滑車神経は正しくありません。滑車神経は外眼筋の一つである上斜筋を支配する運動神経であり、頸動脈小体とは関係がありません。
三叉神経は正しくありません。三叉神経は眼神経、上顎神経、下顎神経に分かれる運動性と感覚性神経の混合神経であり、頸動脈小体とは関係がありません。
顔面神経は正しくありません。顔面神経は顔面筋を支配する運動神経、涙腺などの分泌作用制御の副交感神経、味覚に関わる感覚神経の混合神経であり、頸動脈小体とは関係がありません。
舌咽神経は正しい答えです。舌咽神経は運動性、知覚性、味覚性、副交感性神経の混合神経であり、扁桃、咽頭、舌、中耳、頸動脈小体からの知覚を送っています。頸動脈小体は酸素センサーであり、舌咽神経を介して呼吸中枢である延髄に情報を送ります。
副神経は正しくありません。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋の運動性神経であり、頸動脈小体とは関係がありません。
解説
筋と支配神経の組合せに関する問題では、筋肉とそれを支配する神経の正しい組合せを選ぶ必要があります。この問題では、眼周囲の筋肉とそれらを支配する神経について問われています。
選択肢別解説
下斜筋は動眼神経によって支配されており、外転神経ではありません。外転神経は外側直筋を支配しています。
下直筋は動眼神経によって支配されており、視神経ではありません。視神経は視覚情報を伝達する役割があります。
上眼瞼挙筋は動眼神経によって支配されています。動眼神経は他にも内側直筋、上直筋、下直筋、下斜筋を支配しています。この選択肢は正しいです。
上斜筋は滑車神経によって支配されています。この選択肢は正しいです。
内側直筋は動眼神経によって支配されており、眼神経ではありません。眼神経は眼窩内やその周囲の皮膚などの感覚を支配しています。

解説
この問題では、脳構造に関する正しい選択肢を選ぶ必要があります。正しい選択肢は4で、くも膜と軟膜の間がくも膜下腔であることが正しいです。
選択肢別解説
小脳テントは脳底槽にあるというのは間違いで、小脳テントは大脳と小脳の間にある硬膜です。脳底槽はくも膜下腔であり、ウィリス動脈輪がある場所です。
脳静脈洞は硬膜下腔の中を通るというのは間違いで、脳静脈洞は硬膜とくも膜との間にあります。硬膜下水腫などの病変時に存在が明らかになることがあります。
大脳鎌はSylvius裂内に位置するというのは間違いで、大脳鎌は大脳縦裂の間溝にあります。Sylvius裂は外側溝とも呼ばれ、側頭葉と前頭葉の内に位置します。
くも膜と軟膜の間がくも膜下腔であるというのは正しいです。くも膜下腔には脳脊髄液が存在し、脳の保護や栄養供給に関与しています。
透明中隔は第三脳室と第四脳室の間にあるというのは間違いで、透明中隔は左右の側脳室前角に位置します。第三脳室と第四脳室の間には中脳水道があります。
解説
この問題では、骨に関する正しい情報を選択する必要があります。正しい選択肢は、皮質骨にHavers管が存在するという選択肢4です。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。皮質骨ではなく、海綿骨が骨梁から形成されます。
選択肢2は間違いです。幼児期の骨髄は赤色骨髄であり、発育が進むと脂肪髄である黄色骨髄に置き換わります。
選択肢3は間違いです。海綿骨ではなく、皮質骨の表面が骨膜で覆われています。
選択肢4は正しいです。皮質骨には多数の同心円状の層板構造からなる硬い部分で、Havers(ハバース)管が存在します。また、ハバース管同士を横でつないでいるVolkmann(フォルクマン)管も存在します。
選択肢5は間違いです。プロテオグリカンはコラーゲン以外の骨基質を構成する有機成分で、糖蛋白複合体です。組織の水分や電解質の代謝に関与します。軟骨は水分を保持するため、骨よりもプロテオグリカンを豊富に含みます。
解説
腱板は肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の4つの筋で構成されており、肩関節の安定化に関与している。
選択肢別解説
肩甲下筋は腱板を構成する筋の1つであり、正しい答えです。
三角筋は腱板を構成する筋ではなく、肩の動きに関与する筋です。
上腕筋は腱板を構成する筋ではなく、上腕の動きに関与する筋です。
僧帽筋は腱板を構成する筋ではなく、首や肩の動きに関与する筋です。
大円筋は腱板を構成する筋ではなく、肩関節の内転や内旋に関与する筋です。
解説
この問題では、足関節外側面において外果の前方を走行する筋を選ぶ必要があります。選択肢の筋の中で、第3腓骨筋が外果の前方を走行し、足関節背屈、外反、外転に関与しています。
選択肢別解説
後脛骨筋は、足関節の内側に位置し、内果の後方を走行します。この筋は足関節の外側面ではなく、内側面に関与しているため、正解ではありません。
短腓骨筋は、足関節の外側面に位置し、外果の後方を走行します。この筋は外果の前方ではなく、後方を走行しているため、正解ではありません。
長腓骨筋は、足関節の外側面に位置し、外果の後方を走行します。この筋も外果の前方ではなく、後方を走行しているため、正解ではありません。
第3腓骨筋は、足関節の外側面に位置し、外果の前方を走行します。この筋は足関節背屈、外反、外転に関与しており、正解です。
長母指屈筋は、足関節の内側に位置し、内果の後方を走行します。この筋は足関節の外側面ではなく、内側面に関与しているため、正解ではありません。
解説
体性感覚神経は、感覚情報を末梢の受容器から脊髄神経節へ伝える一次ニューロン、脊髄または脳幹へ伝える二次ニューロン、視床へ伝える三次ニューロンの3段階で構成されています。この問題では、一次ニューロンの細胞体がどこにあるかを問うています。
選択肢別解説
延髄は、二次ニューロンが存在する場所であり、一次ニューロンの細胞体がある場所ではありません。
視床は、三次ニューロンが存在する場所であり、一次ニューロンの細胞体がある場所ではありません。
脊髄後角は、二次ニューロンが存在する場所であり、一次ニューロンの細胞体がある場所ではありません。
大脳皮質は、三次ニューロンが存在する場所であり、一次ニューロンの細胞体がある場所ではありません。
脊髄後根神経節は、体性感覚神経の一次ニューロンの細胞体がある場所であり、正しい答えです。
解説
橈骨神経は主に上腕と前腕の筋肉を支配しており、肘筋や回外筋などがその例です。尺骨神経や正中神経はそれぞれ異なる筋肉群を支配しています。
選択肢別解説
肘筋は橈骨神経が支配しており、肘関節の屈曲を助ける役割があります。これは正しい選択肢です。
回外筋も橈骨神経が支配しており、前腕の回外(手のひらを上に向ける動作)を行う筋肉です。これも正しい選択肢です。
背側骨間筋は尺骨神経が支配しており、手の指の伸展を助ける役割があります。この選択肢は橈骨神経とは関係がないため、間違いです。
方形回内筋は正中神経が支配しており、手首の回内(手のひらを下に向ける動作)を行う筋肉です。この選択肢も橈骨神経とは関係がないため、間違いです。
短母指外転筋は正中神経が支配しており、親指の外転(親指を他の指から離す動作)を行う筋肉です。この選択肢も橈骨神経とは関係がないため、間違いです。
解説
自律神経系の機能を持つ脳神経は、動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経であり、この中で選択肢にあるのは迷走神経です。
選択肢別解説
視神経は感覚(求心性)神経線維のみで構成され、視覚情報を伝達する役割がありますが、自律神経系の機能は持っていません。
滑車神経は運動(遠心性)神経線維のみで構成され、眼球の外側直筋を制御する役割がありますが、自律神経系の機能は持っていません。
三叉神経は感覚(求心性)神経線維と運動(遠心性)神経線維の両方を含み、顔面の感覚や咀嚼筋の運動を制御する役割がありますが、自律神経系の機能は持っていません。
迷走神経は感覚(求心性)神経線維と運動(遠心性)神経線維に加え、副交感神経節前線維を持ち、自律神経系の機能を持っています。迷走神経は内臓器官の働きを調節し、心拍数の低下や消化機能の促進などの役割があります。
舌下神経は運動(遠心性)神経線維のみで構成され、舌の筋肉を制御する役割がありますが、自律神経系の機能は持っていません。
解説
錐体路は、皮質脊髄路と皮質核路に大別され、主に運動情報を伝達する神経路である。大脳脚に含まれる。
選択肢別解説
脳梁は、左右の大脳皮質の相対する領野を連絡する線維群であり、錐体路とは関係がない。
大脳脚は、皮質核路の一部であり、錐体路を含む。運動情報を伝達する神経路である。
上小脳脚は、小脳から出て中脳に向かって上行する線維であり、錐体路とは関係がない。
中小脳脚は、対側の橋核から起始し、小脳に至る線維群であるが、錐体路とは関係がない。
下小脳脚は、脊髄や延髄から起始して小脳に至る線維であり、錐体路とは関係がない。
解説
手根管は手根部の手掌腱膜の深層に位置し、正中神経、浅指屈筋腱、深指屈筋腱、長母指屈筋腱、橈側手根屈筋腱が通過します。尺側手根屈筋腱は手根管を通過しません。
選択肢別解説
深指屈筋腱は手根管を通過します。尺骨橈側面と前面、前腕骨間膜から起始し、第2~5末節骨底の掌側面に停止します。
浅指屈筋腱も手根管を通過します。上腕尺骨頭が上腕骨内側上顆、尺骨粗面尺側部から、橈骨頭が橈骨前面近位部から起始し、第2~5中節骨底の掌側面に停止します。
長母指屈筋腱も手根管を通過します。橈骨尺側面と前面、前腕骨間膜から起始し、母指末節骨底の掌側面に停止します。
尺側手根屈筋腱は手根管を通過しません。上腕頭が上腕骨内側上顆と前腕筋膜から、尺骨頭が尺骨後縁の近位1/2の領域、前腕筋膜から起始し、豆状骨、有鈎骨、第5中手骨底、豆鈎靱帯、豆中手靱帯に停止します。
橈側手根屈筋腱も手根管を通過します。上腕骨内側上顆、前腕筋膜内面、円回内筋、長掌筋との間の筋膜から起始し、第2、3中手骨底の掌側面に停止します。
解説
腰神経叢は第1~3腰神経前枝の全部と、第4腰神経前枝の一部からなります。選択肢の中で腰神経叢に含まれるのは大腿神経です。
選択肢別解説
陰部神経は仙骨神経叢の枝であり、腰神経叢には含まれません。
下殿神経は仙骨神経叢の枝であり、腰神経叢には含まれません。
坐骨神経は仙骨神経叢の枝であり、腰神経叢には含まれません。
上殿神経は仙骨神経叢の枝であり、腰神経叢には含まれません。
大腿神経は腰神経叢の枝の中で最大のものであり、腰神経叢に含まれます。大腰筋の外側縁下部から、大腰筋と腸骨筋との間を外側下方に下行しながら、腸骨筋に筋枝を出す。
