臨床工学技士問題表示
臨床工学技士国家試験
解説
医療機器材料の生物学的安全性評価では、まず広く適用される第1次評価(初期スクリーニング)で材料由来の基本的な有害性の有無を確認する。厚生労働省通知および ISO 10993-1 の考え方に基づき、ほとんどの材料で共通して求められる必須項目は「感作性(アレルギー誘発性)」と「細胞毒性」である。設計・用途により追加で必要になる試験(例:発熱性、血液適合性、遺伝毒性、埋植試験)は、第1次評価の必須ではなく、接触部位や接触期間、血液接触の有無、長期植込みの有無などに応じて選択される。本問の選択肢の中では、感作性のみが第1次評価の必須項目に該当する。
選択肢別解説
発熱性(パイロジェン性)評価は、主に血管内に投与・循環する経路や血液接触機器で要求されることが多く、全ての材料に一律で課される第1次評価の必須項目ではない。現在はウサギ発熱性試験よりもエンドトキシン試験に置き換えられる事例が多い。従って必須項目とはいえない。
遺伝毒性試験は、長時間接触や植込みなどにより溶出物が全身に影響し得る場合に求められる追加試験で、初期スクリーニング(第1次評価)の必須ではない。Ames 試験や染色体異常試験などで評価するが、全材料に一律要求されるわけではない。
血液適合性は血液と直接接触する機器(人工心肺回路、透析回路など)で必要となる追加評価であり、溶血性、凝固・補体系活性化、血栓形成傾向などを確認する。血液非接触の材料まで含めて一律に行う第1次評価の必須項目ではない。
感作性(アレルギー誘発性)は、多くの医療機器材料で共通に確認すべき初期スクリーニング項目であり、第1次評価の必須項目に該当する。材料や抽出物が免疫学的過敏反応を引き起こす可能性を評価する。
埋植試験は、材料を想定部位へ一定期間留置した際の局所組織反応を病理学的に評価する追加試験で、植込み型や長期接触で必要となることが多い。初期スクリーニング(第1次評価)の必須項目ではない。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
急性炎症では、血管反応と好中球を主体とする滲出性変化が前面に出る(血管透過性亢進→液性成分の滲出→腫脹・組織圧上昇、好中球の遊走など)。慢性炎症(増殖炎)へ移行すると、滲出は弱まり、マクロファージやリンパ球などの単核球浸潤、血管新生、線維芽細胞の増殖とコラーゲン沈着(線維化)といった修復・瘢痕形成の過程が目立つ。したがって、慢性期移行を示唆する所見は線維芽細胞の増殖である。
選択肢別解説
好中球の遊走は急性炎症の初期に典型的で、血管内皮への接着と血管外遊走(走化性)が生じる。慢性移行の指標ではないため不適切。
血管透過性の亢進はヒスタミンやブラジキニンなどにより急性期に起こる主要な血管反応である。慢性期移行の所見とはいえないため不適切。
液性成分の滲出は急性期の血管透過性亢進に伴う滲出性変化で、腫脹などの四徴の背景となる。慢性化の指標ではないため不適切。
組織圧の上昇は滲出液の貯留(浮腫)に伴う急性炎症の所見である。慢性期移行を示す所見ではないため不適切。
線維芽細胞の増殖は慢性炎症(増殖炎)や修復過程の特徴で、肉芽組織形成、コラーゲン沈着、線維化へと進む。慢性期への移行を示唆する適切な所見である。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医用材料と血液が接触すると、まず血漿タンパク質(例:アルブミン、フィブリノーゲン、免疫グロブリンなど)が材料表面に迅速に吸着し、以後の反応性を規定する。吸着タンパク質(特にフィブリノーゲンなど)の構造変化を介して血小板が粘着・活性化し、放出反応と凝集が進む。同時に材料表面は接触系(内因系)凝固の開始点となり、凝固カスケードによりプロトロンビンがトロンビンへと活性化され、トロンビンがフィブリノーゲンをフィブリンへ変換して血栓を形成する。これらの過程にはCa2+が必須である一方、Na+は血栓形成の中心的因子ではないため、Na+の放出は血栓形成反応の説明として不適切である。
選択肢別解説
正しい。血液が医用材料表面に触れると最初に起こるのは血漿タンパク質の迅速な吸着であり、その“コンディショニングフィルム”が以後の血小板粘着・活性化や凝固反応を左右する。
正しい。吸着タンパク質(変性フィブリノーゲンなど)やvWFを介して血小板が粘着し、形態変化・放出反応・GPIIb/IIIa活性化を伴う血小板活性化が起こり、血栓形成が進む。
正しい。凝固カスケードで生じたトロンビンが可溶性フィブリノーゲンを不溶性フィブリンへ変換し、血小板凝集塊を補強して血栓の骨格を形成する。
正しい。内因系(接触系)を中心とする凝固カスケードによりプロトロンビンがトロンビンへと活性化される。トロンビンは下流でフィブリン形成やさらなる血小板活性化を促進する。
誤り。血栓形成反応の主要な過程としてナトリウムイオン(Na+)の放出は位置づけられていない。血小板放出反応や凝固因子活性化にはCa2+が必須であり、血小板からはADP・セロトニン・Ca2+などが放出されるがNa+は代表的な媒介因子ではない。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
生体内で吸収(分解・溶解・代謝)される代表的材料には、生体活性カルシウムリン酸系セラミックスのβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)と、生体吸収性高分子のポリ乳酸(PLA)がある。β-TCPは体液中で溶解しやすく、骨内では破骨細胞等による吸収と骨形成を伴い自家骨へ置換されやすい。ポリ乳酸はエステル結合が加水分解を受け、乳酸へ分解された後に代謝経路で最終的にCO2とH2Oへ処理される。一方、アルミナは生体不活性セラミックスで極めて化学的に安定であり、シルク(医療用絹糸)は臨床分類上は非吸収性縫合糸として扱われ、ニッケルチタン合金は耐食性に優れた金属で生体内で吸収されない。よって吸収されるのは1と2である。
選択肢別解説
正しい。β-リン酸三カルシウム(β-TCP)は生体活性カルシウムリン酸セラミックスで溶解性・吸収性が高く、骨内に移植すると時間とともに吸収・置換され自家骨に置き換わりやすい。
正しい。ポリ乳酸(PLA)は生体吸収性高分子で、エステル結合が体液中で加水分解され乳酸に分解される。乳酸は代謝経路で最終的にCO2とH2Oへ代謝され、生体内から排除される。吸収性縫合糸や吸収性スクリュー等に用いられる。
誤り。アルミナ(酸化アルミニウム)は生体不活性セラミックスで化学的に極めて安定であり、生体内で吸収・分解されない。人工関節摺動面など長期耐久が求められる用途に用いられる。
誤り。シルク(絹糸)は臨床では一般に非吸収性縫合糸として分類される。タンパク質由来で長期的には劣化し得るが、通常の医療用シルクは短期で生体吸収される材料とは扱われない。
誤り。ニッケルチタン合金(Nitinol)は形状記憶・超弾性を示す金属材料で、耐食性の高い酸化皮膜を形成し生体内で吸収されない。ステントやガイドワイヤ等に用いられる。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医用材料の安全性評価は、(1)生物学的安全性(ISO 10993 系:毒性、感作性、刺激性、溶血性、発熱性等)、(2)化学的評価(抽出液を用いた溶出物・有害物質の確認)、(3)物理・機械的特性(強度・耐久性・破断・疲労・耐摩耗など)、(4)微生物学的管理・無菌性(無菌供給製品では必須)などから総合的に行う。評価設計は体内での接触部位・接触形態・接触期間に応じて選定する。一方、これらの試験は型式試験や代表サンプル、ロットベースの抜取り・工程バリデーションによって実施されるのが原則で、製品の一個一個を全項目で試験することは要件ではない。したがって「製品個々について評価する」は一般原則として不適切であり誤りである。
選択肢別解説
正しい記述。無菌で供給する医療機器・材料では無菌性の確保(滅菌バリデーション、無菌試験、バイオバーデン管理など)が安全性の前提となる。無菌供給でない場合でも微生物学的リスク管理は評価対象となる。
正しい記述。安全性評価では抽出液(溶出物)を用い、化学分析(重金属・有機溶出物など)や生物学的試験(細胞毒性、刺激性、感作性等)を行う。抽出条件は材料・想定使用条件に応じて設定される。
誤り。安全性試験は型式試験・代表サンプル・ロット抜取りおよび工程/滅菌バリデーションを基盤に行うのが原則で、個々の製品(全数)に対し全項目の安全性試験を実施することは要求されない。品質マネジメント(例:ISO 13485)とリスクマネジメント(ISO 14971)、生物学的評価(ISO 10993)の枠組みで、再現性のある製造工程に基づく評価が用いられる。
正しい記述。機械的特性(引張・圧縮・曲げ・疲労・耐破裂・耐摩耗など)は破損や逸脱による傷害リスクと直結し、安全性評価の重要項目である。用途・構造に応じて適切な物性・耐久試験を行う。
正しい記述。生物学的安全性は接触部位(皮膚、粘膜、血液、骨、組織接触など)や接触期間(一時的、短期、長期)により必要試験が異なるというリスクベースの選定(ISO 10993 マトリクス)で評価する。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
急性炎症では、血管反応(血管透過性の亢進に伴う滲出・浮腫)と好中球優位の細胞浸潤が主体で、腫脹などの局所所見はこれに由来する。慢性炎症への移行・慢性期では、マクロファージやリンパ球などの単核球の浸潤に加え、組織修復・線維化に関わる線維芽細胞や血管内皮細胞の増殖(肉芽組織形成)が目立つ。したがって、慢性期移行を示唆する所見は線維芽細胞の増殖である。
選択肢別解説
誤り。好中球の遊走はケモカイン(例: IL-8)、C5a、LTB4 などにより急性炎症の初期に顕著となる所見で、急性期の特徴である。慢性期移行を示唆しない。
誤り。血管透過性の亢進はヒスタミン、ブラジキニン、ロイコトリエンなどによる急性炎症の典型的血管反応で、滲出や浮腫の原因となる。慢性期移行を示す所見ではない。
誤り。液性成分の滲出(エクスデーション)は血管透過性亢進に続発する急性炎症の主要所見である。慢性期では滲出は相対的に弱く、増殖性変化が目立つ。
誤り。組織圧の上昇は滲出液の貯留(浮腫)に伴うもので、腫脹など急性炎症の局所所見に含まれる。慢性期移行を示唆しない。
$正しい。慢性炎症では修復 \cdot 線維化が進み、TGF-\beta や PDGF などの作用で線維芽細胞が増殖しコラーゲン産生が進行する。これは肉芽組織形成 \cdot 線維化に相当し、慢性期(増殖性変化)を示唆する所見である。$
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医療機器の生物学的安全性評価は、JIS T 0993-1(ISO 10993-1)に基づくプロセスであり、材料や製品が生体に及ぼす影響を系統的に評価する。内容は、物理学的・化学的情報の収集(JIS T 0993-18 相当の化学的特性評価を含む)、既存情報のレビュー、必要に応じた生物学的試験(細胞毒性、感作性、刺激性/皮膚刺激、全身毒性、遺伝毒性、血液適合性、材料由来の発熱性など)からなる。一方、無菌試験は滅菌・無菌性保証の領域(例:ISO 11737 シリーズ)に属し、10993 系の生物学的“評価”の範囲外である。したがって「生物学的安全性評価に含まれない」のは無菌試験である。
選択肢別解説
正答。無菌試験は滅菌プロセスの妥当性確認や製品の無菌性保証に関する評価であり、生体への生物学的影響(生体適合性)を扱うJIS T 0993-1(ISO 10993-1)の生物学的安全性“評価”には含まれない。無菌性は別体系(ISO 11737 など)で扱う。
不正解。感作性(アレルギー誘発性)の評価は生物学的安全性評価の主要エンドポイントの一つである。材料や抽出物が感作反応を引き起こす可能性を検討し、必要に応じて試験(例:皮膚感作性試験)を行う。
不正解。発熱性のうち、材料由来の発熱性(material-mediated pyrogenicity)は生物学的評価で検討対象のエンドポイントとされる。なお、エンドトキシン管理は製造・清浄化管理やBET等の別枠で扱われるが、材料起因の発熱性リスクは10993-1の評価範囲に含まれる。
不正解。遺伝毒性試験は生物学的安全性評価に含まれる重要なエンドポイントで、遺伝子損傷や突然変異誘発性の有無を評価する(JIS T 0993-3 相当)。リスクに応じて適切な試験系を選定する。
不正解。生物学的安全性評価は試験だけでなく、材料・添加剤・製造残留物などの物理学的・化学的情報の収集とレビューから始まる(JIS T 0993-1、-18)。化学的情報の収集は評価プロセスの必須ステップに位置づけられている。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医療機器の安全性評価は、材料・製品の物理化学的特性(物性)や抽出物・浸出物の評価、さらに生物学的安全性(細胞毒性、感作、刺激性、全身毒性、血液適合性など)を含めて総合的に行う。生物学的評価の枠組み(ISO 10993-1 等)では、医療機器の生体への「接触様式(接触部位の種類)」と「接触期間」により必要な試験の選定を行う。接触面積はリスク評価の補助情報にはなり得るが、基本分類の基準ではない。よって、接触期間による分類がなされる(選択肢5)が正しく、溶出物試験・物性試験・生物学的試験を含まないとする記述(選択肢1~3)は誤りであり、接触面積による分類とする記述(選択肢4)も誤りである。
選択肢別解説
誤り。安全性評価には抽出物/浸出物(溶出物)評価が含まれる。材料や製品から溶出し得る化学物質を把握し、生体影響の可能性を評価することは重要である。
誤り。物性試験(機械的・物理化学的特性の確認)は安全性・性能の前提であり、破損や劣化、粒子脱落などによるリスク低減のためにも実施される。
誤り。生物学的安全性試験は必須の柱であり、細胞毒性、感作、刺激性・皮内反応、全身毒性、血液適合性など、接触様式と接触期間に応じて選定される。
誤り。生物学的評価の基本的な分類は接触様式(例:表面接触、外部連結、植込み)と接触期間(限定<24時間、短期>24時間~30日、長期>30日)であり、接触面積による分類とはしない。
正しい。生物学的評価では接触期間(限定・短期・長期)により必要試験が選定される。接触様式(接触部位の種類)との組合せで試験計画を決定するのが標準的枠組みである。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医療用具の生物学的安全性評価は ISO 10993 に準拠して、接触部位(皮膚、粘膜、血液、組織内など)と接触時間(短期・中期・長期)に応じて必要な試験が定められる。一般に患者接触がある材料はスクリーニングとして細胞毒性試験が求められ、血液と直接接触するデバイスには血液適合性試験が必須となる。一方、埋植試験は体内に埋め込まれる材料の局所組織反応評価に用いられ、体外循環機器には通常求められない。発癌性試験は長期埋植や発癌懸念がある場合に限られ、短時間使用の器具では原則不要である。以上より、気管チューブ—細胞毒性試験と、IABPカテーテル—血液適合性試験が適切な組合せである。
選択肢別解説
正しい。気管チューブは気道粘膜に接触する医療機器であり、患者接触材料として細胞毒性試験が基本的なスクリーニングとして求められる(ISO 10993-1)。粘膜接触デバイスでは感作性・刺激性(粘膜刺激性)なども評価対象となるが、細胞毒性試験の実施は妥当である。
誤り。血液透析器は体外循環で血液と接触する外部導通型デバイスであり、体内に埋め込まないため埋植試験は通常要求されない。むしろ血液適合性(溶血、凝固、補体系活性化など)評価が重要となる。
誤り。電気メスのメス先電極は短時間の一時的接触が主体で、長期埋植材料ではないため、発癌性試験は通常不要である。発癌性の評価は長期埋植や特定の材料に発癌懸念がある場合に限って検討される。
誤り。慢性腹膜透析カテーテルは腹壁から腹腔内へ留置する埋植性デバイスだが、主たる接触は腹膜・皮下組織・腹腔内であり、血液とは直接接触しないため血液適合性試験は一次的な要求には当たらない。代わりに細胞毒性、感作性、刺激性、埋植試験などが重要となる。
正しい。IABPカテーテルは大動脈内で血液と直接接触するため、溶血や凝固活性化などを含む血液適合性試験が必須である(ISO 10993-4 に相当する評価)。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医療機器の安全性評価は、一般に(1)物性・機械的安全性、(2)化学的評価(抽出物/溶出物の把握)、(3)生物学的評価(細胞毒性、溶血性、感作性、刺激性、全身毒性、遺伝毒性、発がん性など)、(4)滅菌・無菌性保証の妥当性確認、などで構成される。溶出物試験は機器から溶出する成分を抽出液として得て、その生体影響(例:溶血性)を評価するのに用いられる。一方、長期の発がん性は抽出試験のみでは評価できず、長期の動物試験等を含む別枠の評価が必要である。滅菌は実施しただけでは十分ではなく、無菌性の確認や滅菌プロセスの妥当性(バリデーション)が要求される。物性試験は機械的強度・耐久性・摩耗など安全性に直結するため、安全性テストの重要要素に含まれる。
選択肢別解説
誤り。溶出物試験は機器から抽出された溶出成分の存在やその生体影響(例:細胞毒性、溶血性など)を評価する手法であり、長期の発がん性そのものは判定できない。発がん性評価は長期の動物試験や遺伝毒性試験等を含む別途の枠組みで行う必要がある。
正しい。溶出物試験で得た抽出液を用いて赤血球に対する溶血性を評価する(間接法)ことができる。血液適合性評価では直接接触法と抽出液による間接法があり、溶出物試験は後者で溶血性の有無を確認できる。
正しい。細胞毒性試験は生物学的評価の基本項目の一つで、抽出液または直接接触により細胞生存性や増殖への影響を評価する。生物学的試験にはほかに感作性、刺激性、全身毒性、遺伝毒性、発がん性などが含まれる。
誤り。滅菌処理後であっても無菌性が確保されていることの確認が必要である。実務では無菌試験や生物学的指標、滅菌プロセスのバリデーション/管理によって無菌性保証を行うため、無菌性評価が不要になるわけではない。
誤り。物性試験(機械的強度、耐久性、摩耗・破損挙動など)は安全性に直結し、医療機器の安全性テストに含まれる。物性上の不具合は患者・使用者の危険につながるため、必須の評価項目である。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
医療機器の安全性評価では、ISO 10993-1(JIS T 0993-1)に基づき、生物学的評価(細胞毒性、感作性、刺激性、全身毒性、遺伝毒性、埋植ほか)や化学的特性評価(抽出・溶出評価を含む)、物理・機械的安全性(物性試験)などを体系的に実施する。試験の要否は「体内との接触の性質(接触部位・侵襲性・経路)」と「接触期間(短期・中期・長期)」で分類してマトリクスにより選定される。一方で「接触面積」による分類は規格上の分類基準として用いられておらず、安全性試験体系に含まれるものとはされない。よって、含まれていないのは『接触面積による分類』である。
選択肢別解説
接触面積による分類は、ISO 10993-1(JIS T 0993-1)の安全性評価マトリクスにおける分類基準として採用されていない。試験選定は接触の性質(表面接触、体外連結、植込み等)と接触期間に基づくため、面積は安全性試験の枠組みに含まれない。したがって、本設問で問う「含まれていない」に該当する。
接触期間(一時的・短期・長期等)はISO 10993-1(JIS T 0993-1)の基本分類であり、生物学的試験等の要否・範囲を決める中核的基準として安全性評価体系に含まれる。試験そのものの名称ではないが、規格の試験選定マトリクスの前提要素として明確に位置づけられているため、「含まれていない」には当たらない。
溶出物試験(抽出・溶出評価、化学的特性評価の一部)は、材料や製造に由来する成分の溶出・移行を把握し生体影響のリスクを評価する目的で実施される。ISO 10993-18や10993-12の枠組みとも整合し、安全性試験に含まれる。
物性試験は、強度、耐久性、摩耗、疲労、破断特性など物理・機械的安全性を確認するための試験であり、機器の安全性評価に含まれる。設計上の安全余裕や使用時の破損リスク評価に直結する。
生物学的試験は、細胞毒性、感作性、刺激性(皮膚・粘膜)、全身毒性、遺伝毒性、埋植など、生体影響を直接評価する中心的な安全性試験群である。ISO 10993シリーズにより体系化され、安全性試験に含まれる。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。
解説
炎症の早期過程(受傷直後〜炎症相)では、血管拡張と血管透過性亢進により血漿蛋白(フィブリノーゲンなど)が滲出し、凝固系活性化と血小板作用でフィブリン網(血栓・凝血塊)が形成されて止血が図られる。同時にヒスタミン、ブラジキニン、プロスタグランジン、サイトカインなどの炎症性メディエータが放出され、走化性の誘導により好中球など白血球が血管外へ遊出する。これらはいずれも炎症の早期にみられる現象である。一方、肉芽組織の構築は線維芽細胞の増殖・コラーゲン産生や新生血管形成を伴う増殖相(修復期)のイベントであり、早期過程には含まれない。
選択肢別解説
血管透過性の亢進は炎症初期の基本変化で、内皮細胞の収縮や接着結合の変化により血漿蛋白が滲出し浮腫を来す。早期過程でみられるため「みられない」には当たらない。
白血球の遊出(周辺化→接着→血管外遊走→走化性による集積)は炎症初期の主要な細胞性反応である。したがって早期過程でみられる。
ヒスタミン、ブラジキニン、プロスタグランジン、サイトカイン、ケモカインなどの炎症性メディエータの放出は受傷直後から始まる。よって早期過程でみられる。
受傷直後には凝固系が活性化し、血小板とフィブリンによる凝血塊(血栓)形成で止血・足場提供が行われる。これは早期(止血期〜炎症相)の現象であり、早期過程でみられる。
肉芽組織の構築は線維芽細胞の増殖、コラーゲン沈着、新生血管形成からなる増殖相の所見で、炎症の早期過程には含まれないため本設問の該当(早期にはみられない)。
解説を表示するにはログインが必要です。ログインすると無料枠(1日5問)をご利用いただけます。
無料プランでは解説を1日5問まで表示できます。解説を表示すると残り回数が消費されます。
今日: 回 | 残り 回
本日の無料枠を使い切りました。プレミアム登録で無制限にご利用いただけます。