25歳の男性。外傷性頸髄損傷。現在は図のような動作で食事を行っている。図は「手を握ってください」との指示でなされた手の動きである。この動きはどれか。
1: 共同運動
2: 分離運動
3: 連合運動
4: 腱固定作用
5: 把握反射
58歳の男性。作業中に左前腕遠位で屈筋腱断裂とSunderlandのⅤ度の正中神経断裂を受傷し、腱縫合術と神経縫合術を受けた。術後5か月を経過した時の手掌の静的触覚の局在の検査結果を図に示す。患者は実際の刺激点ではなく矢印で示した先が刺激点であると回答した。この知覚障害の原因はどれか。
1: 神経支配の破格
2: 軸索再生の遅延
3: 過誤神経支配
4: Waller変性
5: Tinel徴候
切断部位と義手の組合せで正しいのはどれか。
1: 上腕骨頸部切断―――――――上腕義手
2: 上腕骨70%残存での切断―――肘義手
3: 橈尺骨35%残存での切断―――前腕義手
4: 手関節離断―――――――――手部義手
5: 手根骨レベルの離断―――――指義手
62歳の男性。閉塞性動脈硬化症。著しい感染を伴った下肢壊疽に対して大腿切断術が施行され短断端となった。糖尿病性末梢神経障害を合併している。この患者の術直後の断端管理で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 断端の色調を観察する。
2: 断端の自動運動を行う。
3: 切断部の温熱療法を行う。
4: ギプスソケットを装着する。
5: 切断側股関節を外転位に保持する。
切断と義肢のソケットの組合せで誤っているのはどれか。
1: 上腕切断 ― オープンショルダー式
2: 前腕切断 ― ミュンスター式
3: 下腿切断 ― PTB式
4: Syme切断 ― KBM式
5: 股関節離断 ― カナダ式
35歳の男性。飲酒後電車内で寝過ごし、右上腕部の圧迫によって橈骨神経麻痺となった。受傷4日後で橈骨神経領域の感覚低下があり、手関節背屈および手指伸展の自動運動は困難である。この患者に対するアプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 上腕部のアイシング
2: 手関節背屈の抵抗運動
3: Engen型把持装具の使用
4: 手指・手関節の他動伸展運動
5: コックアップ・スプリントの使用
切断について正しいのはどれか。
1: 上腕切断(短断端)では肩内転拘縮を生じやすい。
2: 前腕切断(中断端)では肘伸展拘縮を生じやすい。
3: Chopart関節離断では足内反変形を生じやすい。
4: Lisfranc関節離断では足外反変形を生じやすい。
5: 大腿切断(標準切断)では股内転拘縮を生じやすい。
30歳の男性。単純エックス線写真を示す。この骨折で損傷されていると推測されるのはどれか。
1: 上腕三頭筋腱
2: 上腕二頭筋腱
3: 橈骨輪状靱帯
4: 方形回内筋
5: 長掌筋腱
35歳の男性。前腕骨折でプレートを用いた観血的整復固定術後、前腕から手指にかけて浮腫と手関節の拘縮を認める。物理療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: 経皮的電気刺激(TENS)
2: 極超短波
3: 渦流浴
4: 間歇的機械的圧迫
5: 超音波
40歳の男性。機械による手指屈筋腱断裂。術後、手関節掌屈位30°、MP関節屈曲位50°及びPIP・DIP関節ともに完全伸展位で4週間固定後、作業療法を開始した。固定中も手指屈筋の自動運動は行っていた。開始時の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 上肢帯の粗大運動
2: 手関節背屈筋の自動運動
3: 手関節屈筋の抵抗運動
4: MP関節伸展の等尺性運動
5: PIP・DIP関節の個別の関節可動域訓練
成人前腕筋電義手の特徴で誤っているのはどれか。
1: コントロールケーブルは不要
2: 頭上や背中の後ろでの操作が拡大
3: 手先具は能動フックより軽量
4: 手先具の開き幅は能動ハンドより広範
5: 手先具の把持力は能動ハンドより強力
55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。
1: 長対立装具
2: IP伸展補助装具
3: ナックルベンダー
4: Thomas型懸垂装具
5: コックアップ・スプリント
25歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。書字の際のボールペンを把持した場面を示す。片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。このような動作を行う頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
1: C5A
2: C6A
3: C6B3
4: C7A
5: C8B
65歳の男性。変形性頸椎症。2年前から肩こりがあり、2か月前から頸部伸展時に右手の母指にしびれが出現し、右上肢のだるさと脱力感を自覚するようになった。下肢の症状やバランス不良はみられない。右上肢において筋力低下が最も生じやすいのはどれか。
1: 三角筋
2: 上腕三頭筋
3: 上腕二頭筋
4: 尺側手根屈筋
5: 長橈側手根伸筋
25歳の男性。転落による頸髄損傷。受傷後2年経過。筋力はMMTで、三角筋4、大胸筋鎖骨部2、上腕二頭筋5、上腕三頭筋0、回内筋0、腕橈骨筋4、長橈側手根伸筋3、橈側手根屈筋0、手指屈筋0で左右差はない。旋回装置を右ハンドル乗用車のハンドルに取り付ける位置として正しいのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
65歳の男性。右上腕外側の持続圧迫による橈骨神経麻痺。発症後3日。橈骨神経領域の感覚障害がある。Danielsらの徒手筋力テストで腕橈骨筋3、橈側手根伸筋2、尺側手根伸筋2、指伸筋2、長母指外転筋2、示指伸筋1である。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 手関節の伸展他動運動
2: MP関節伸展の抵抗運動
3: Capener装具による示指伸張
4: コックアップスプリントの装着
5: 手関節伸筋に対する遠心性収縮による筋力強化
84歳の女性。数年前から徐々に左手の示指と中指にしびれが生じ、母指の指尖つまみができなくなった。左手の写真を示す。この患者が使用する装具で正しいのはどれか。
1: 虫様筋カフ
2: 対立スプリント
3: 両側支柱付肘装具
4: 逆ナックルベンダー
5: コックアップスプリント
23歳の男性。スノーボードで転倒し受傷。術前と術後のエックス線写真(別冊No. 1A、B)を別に示す。この患者の作業療法プログラムで誤っているのはどれか。
1: 肘関節の関節可動域訓練
2: MP屈曲位を保持した握り-放しの訓練
3: 背側・掌側骨間筋の筋力増強訓練
4: コックアップスプリントを用いた装具療法
5: 表在感覚の知覚再教育
56歳の男性。大工で上肢をよく使用する。3年前から左手の感覚障害と筋力低下を自覚していた。左手の写真を示す。図に示す装具で、この患者に必要なのはどれか。
上腕部で橈骨神経が完全に損傷した場合でも可能な動作はどれか。2つ選べ。 ア.指を指す。イ.そろばんの玉をはじく。ウ.ペンチで太い針金を切る。エ.荷物を前腕に掛ける。オ.手さげかばんをさげる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ