運動学習が進んだ段階で生じる変化で誤っているのはどれか。
1: 視覚的手がかりへの依存度が減る。
2: 別の課題への転移が容易になる。
3: 注意の集中がより必要になる。
4: 試行間のばらつきが減少する。
5: 自己修正の精度が高くなる。
運動学習の転移が関係していると考えられるのはどれか。
1: ゆっくりした歩行を練習した後に速い歩行が改善した。
2: 温熱療法で痙縮を軽減させた後に階段昇降動作が改善した。
3: 片麻痺患者にCI療法を行った後に麻痺側上肢の機能が向上した。
4: 椅子からの立ち上がり練習を行った後に下肢伸筋群の筋力が向上した。
5: ハムストリングスを徒手的に伸張した後にプッシュアップ動作が改善した。
新しい運動を学習するときに患者の手続き記憶に変換される段階はどれか。
1: 患者に理想とする運動パターンを言葉で教示しているとき。
2: 患者に運動課題を提示しつつ説明しているとき。
3: 患者が運動を試行錯誤しているとき。
4: 患者が正しい運動パターンを反復練習しているとき。
5: 患者が実際の生活環境で実践しているとき。
小脳の機能不全による協調運動障害の説明で誤っているのはどれか。
1: 大文字症:文字が徐々に大きくなる。
2: 企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。
3: 運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。
4: 時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5: 協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。
運動学習の効率について正しいのはどれか。
1: 練習動作の難易度は低いほどよい。
2: フィードバックは多いほどよい。
3: 覚醒度は高いほどよい。
4: 休憩は多いほどよい。
5: 練習動作は基準課題に似ているほどよい。
正しいのはどれか。
1: 一次運動野は筋緊張の調整に関与する。
2: 運動前野は記憶に基づいた連続運動に関与する。
3: 補足運動野は視覚情報を運動に変換する。
4: 大脳基底核は運動時の感覚情報を中継する。
5: 小脳は無意識的な運動スキルの習得に関与している。
運動学習における結果の知識〈KR〉の提示について正しいのはどれか。
1: 難しい課題では1試行ごとに提示すると学習効率が低下する。
2: 運動の誤差修正を行えるようになっても継続する必要がある。
3: 成人では学習パフォーマンスを向上させない。
4: 誤りの大きさを提示すると有効である。
5: 動機付けには効果がない。
運動学習が成立する過程で起こるのはどれか。2つ選べ。
1: 誤差の平均値が減少する。
2: 誤差のばらつきが大きくなる。
3: 課題遂行に向ける注意の量が増大する。
4: 結果の知識(KR)への依存度が増大する。
5: 練習効果の翌日への持越しが容易になる。
運動制御における小脳の役割で正しいのはどれか。
1: 一連の動作の企画
2: 運動プランの切り替え
3: 記憶に基づく運動の修飾
4: 視覚情報を運動指令に変換
5: 自発的な行為のプログラミング
運動学習について正しいのはどれか。
1: 固有感覚情報は影響しない。
2: 言語学習よりも保持期間が短い。
3: 学習課題の類似性に影響を受ける。
4: 前の学習が後の学習を妨害することを正の転移という。
5: 課題の種類にかかわらず覚醒レベルが高いと学習効果が高くなる。
外傷性の前頭葉損傷による高次脳機能障害の患者に対する動作指導として適切なのはどれか。
1: 床からの起き上がりは、起き上がる方向を次々と変えながら練習する。
2: 歩行では、股・膝・足関節の運動に同時に注意を払うよう指導する。
3: 車椅子操作は、手順を1つずつ確認しながら進めるよう指導する。
4: 動作の手順を間違えた場合は、自分で気付くまで指摘しない。
5: 更衣動作では、上衣と下衣を交互に練習する。
運動学習の効率について正しいのはどれか。
1: 休憩は多いほどよい。
2: 覚醒度は高いほどよい。
3: フィードバックは多いほどよい。
4: 練習動作の難易度は低いほどよい。
5: 練習動作は基準課題に似ているほどよい。
能力低下へのアプローチとして誤っているのはどれか。
1: 脊髄損傷患者への車椅子訓練
2: 精神障害者への生活技能訓練
3: 知的障害者への就労準備訓練
4: 痴呆患者への記憶想起訓練
5: 脳卒中患者への利き手交換訓練
運動学習で誤っているのはどれか。
1: 自己効力感は動機づけを高める。
2: 誤差の平均値が減少すれば誤差のばらつきも減少する。
3: 運動中に生じた感覚はフィードバックとして利用される。
4: 指導者が頻回に与えるフィードバックは学習者の依存性を誘発する。
5: 右手で練習した技能が左手でも上達するのは学習の転移による。
脊髄小脳変性症患者で、運動範囲が小さく動作が緩慢な状態に対する運動療法として適切なのはどれか。
1: Frenkel体操
2: 重錘負荷を用いたバランス練習
3: 外的リズム刺激による歩行練習
4: 弾性緊縛帯を装着した協調運動
5: PNFを用いた同時筋収縮の促通
運動学習における結果の知識(KR)の提示について正しいのはどれか。
1: 動機付けには効果がない。
2: 誤りの大きさを提示すると有効である。
3: 成人では学習パフォーマンスを向上させない。
4: 難しい課題では1試行ごとに提示すると学習効率が低下する。
5: 運動の誤差修正を行えるようになっても継続する必要がある。
脳卒中片麻痺の理学療法で正しいのはどれか。
1: 装具は機能回復を阻害する。
2: CPMは下肢の分離運動を促通する。
3: 立位練習は装具が完成してから開始する。
4: トレッドミル歩行練習で歩行速度が向上する。
5: 歩行練習は座位保持が可能になってから開始する。
運動学習について正しいのはどれか。
1: 動機付けが高いほどパフォーマンスが向上する。
2: 覚醒レベルが高いほどパフォーマンスが向上する。
3: 学習によるパフォーマンスの向上は直線的に起こる。
4: 2種類の運動課題間に類似性があるほど転移の影響は大きくなる。
5: パフォーマンスの向上がみられなくなることは運動学習の停止を意味する。
記憶障害を認める患者への対応として正しいのはどれか。
1: 記憶する内容は、その意味を考え、声に出し印象づけて記憶させる。
2: バランストレーニングなどの運動は疲労を伴うため活用しない。
3: 記憶する内容は、絵などの視覚的イメージは用いず記憶させる。
4: 備忘録は、多くの情報を取り扱うため活用しない。
5: 何度も失敗を経験させながら、記憶の修正を促す。
脳血管障害の回復期で活動性・自発性の低下がみられる患者への対応として適切でないのはどれか。
1: 共同作業を通して患者の意向が表出できるように設定する。
2: 自信が得られるように難しい課題を設定する。
3: 小グループの中で小さな役割を果たす機会を設定する。
4: 短時間で完成する作業を通して達成感が得られるように設定する。
5: 患者や家族との間で現実的な目標を話し合う。