理学療法士問題表示
理学療法士国家試験
神経・筋系の障害と臨床医学
解説
ASIAの評価法では、脊髄髄節ごとにkey muscleが定められており、それぞれの髄節の機能を評価する際に重要な役割を果たしています。この問題では、脊髄髄節とkey muscleの正しい組み合わせを選ぶことが求められています。
選択肢別解説
C5のkey muscleは上腕二頭筋と上腕筋であり、肘関節屈筋群に属しているため、正しい組み合わせです。
C6のkey muscleは長短橈側手根伸筋であり、手関節伸筋に属しているため、誤りです。肘関節伸筋群(上腕三頭筋)はC7のkey muscleです。
C7のkey muscleは上腕三頭筋であり、肘関節伸筋群に属しているため、誤りです。小指外転筋はT1のkey muscleです。
L2のkey muscleは股関節屈筋群であり、膝関節伸筋群ではないため、誤りです。膝関節伸筋群(大腿四頭筋)はL3のkey muscleです。
L3のkey muscleは膝関節伸筋群(大腿四頭筋)であり、足関節背屈筋群ではないため、誤りです。足関節背屈筋群(前脛骨筋)はL4のkey muscleです。
解説
前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺は、感覚が正常である点が共通しています。前骨間神経は正中神経から分岐し、後骨間神経は橈骨神経から分岐するため、それぞれ異なる神経から分岐しています。
選択肢別解説
感覚は正常であるのは、前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺の共通点であり、正しい選択肢です。
尺骨神経の分枝ではありません。前骨間神経は正中神経から分岐し、後骨間神経は橈骨神経から分岐するため、この選択肢は間違いです。
肘部管のTinel徴候が陽性ではありません。前骨間神経麻痺と後骨間神経麻痺はどちらも肘部管のTinel徴候が陰性であるため、この選択肢は間違いです。
中・環・小指の伸展動作が困難であるのは、後骨間神経麻痺のみの症状であり、前骨間神経麻痺では見られないため、この選択肢は間違いです。
母指と示指のつまみ動作が困難であるのは、前骨間神経麻痺のみの症状であり、後骨間神経麻痺では見られないため、この選択肢は間違いです。
解説
脳梗塞の発生部位によって出現する症状は異なります。この問題では、それぞれの部位における症状を正確に理解することが求められています。
選択肢別解説
Broca領域は運動性失語の症状が現れる部位であり、遂行機能障害は前頭葉で見られるため、この選択肢は誤りです。
右小脳半球では、右(同側)上下肢の運動失調が見られるため、この選択肢は誤りです。小脳半球の症状には、同側上下肢の運動失調や筋緊張の低下が含まれます。
右内包後脚では、左上下肢の運動麻痺が見られるため、この選択肢は正しいです。
左前頭葉では非流暢性失語が見られるため、この選択肢は誤りです。左半側空間無視は、右頭頂葉後部で見られる症状です。
左放線冠は部位によって様々な症状が現れますが、感覚性失語はWernicke領域で見られるため、この選択肢は誤りです。
解説
筋電図検査は、筋肉や神経の機能を評価するための検査であり、神経原性変化や筋原性変化などの特徴的な波形が観察される。この問題では、筋電図検査に関する正しい記述を選ぶことが求められている。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。針筋電図の神経原性変化では、高振幅・長持続電位波形が出現します。低振幅・短持続電位波形は筋原性変化で観察される現象です。
選択肢2は間違いです。軸索変性がある場合、活動電位の振幅は低下します。軸索変性は神経細胞の軸索が損傷されることで、神経信号の伝達が低下するため、活動電位の振幅も低下します。
選択肢3は正解です。脱髄病変では、神経の髄鞘が損傷されることで神経伝導速度が低下します。髄鞘は神経信号の伝達を助ける役割を果たしているため、その損傷により神経伝導速度が低下するのです。
選択肢4は間違いです。感覚神経の伝導速度は、手指や足趾を用いて測定することができます。筋電図検査では、感覚神経の機能も評価することが可能です。
選択肢5は間違いです。筋疾患では、筋肉自体が影響を受けますが、神経伝導速度は低下しません。筋疾患の場合、筋原性変化が観察されることが一般的です。