70歳の女性。頸髄完全損傷で第4頸髄機能残存。認知機能は正常である。受傷後6か月で在宅生活となり、訪問リハビリテーション時に踵部の発赤を認めた。原因として最も考えられるのはどれか。
1: 痙縮
2: 褥瘡
3: 骨萎縮
4: 静脈血栓症
5: 異所性骨化
片麻痺の患側立脚相での膝関節過伸展に注意すべき項目で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の筋力低下
2: 足関節底屈筋の筋力低下
3: 尖足拘縮
4: 固有感覚障害
5: 骨盤の後退
68歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月時、腰掛座位において図のように右上下肢で接触面を強く押して左側に転倒する現象を認めた。座位バランス獲得のための理学療法で適切でないのはどれか。
1: 鏡で姿勢の傾きを認知させる。
2: 座面を上げて両下肢を浮かせる。
3: 治療者が左側から繰り返し押し返す。
4: 右上肢を前方のテーブルに載せる。
5: 点滴棒など垂直指標に体幹を合わせる。
人工股関節術後のADL指導で誤っているのはどれか。
1: 靴ひもは椅子座位で外転、外旋して結ぶ。
2: 床のものは患側を後ろにずらして拾う。
3: 低い椅子に深く腰をかける。
4: 側臥位では外転位を保持する。
5: 寝る時はベッドを使用する。
45歳の男性。3年前に受傷した頸髄損傷による完全四肢麻痺。在宅での訪問リハビリテーションの訓練中に突然激しい頭痛と著明な発汗とを認めた。取るべき対応で適切でないのはどれか。
1: 血圧を測定する。
2: 麻痺部の有害刺激の有無をみる。
3: 膀胱が充満しているかをみる。
4: 下肢を挙上して経過を観察する。
5: 関連する医療機関に連絡する。
62歳の女性。脳梗塞発症後3日目。早期の離床とADL獲得を目標に作業療法が開始された。初回の訪室時、目を閉じていたが呼びかけると開眼した。発語は聞き取れるが内容に一貫性がみられない。運動の指示に応じた動きは見られず、四肢は屈曲する傾向がある。バイタルサインは、体温37.1℃、脈拍は98/分、不整脈は認めず、血圧140/98 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%であった。問いかけへの返答があいまいで自覚症状を十分に聴取できなかったため、主治医に確認した上で、リハビリテーションの中止基準(日本リハビリテーション医学会による)を遵守することを前提に離床させることとなった。作業療法開始後、中止する必要があるのはどれか。2つ選べ。
1: 脈拍が140/分を超えたとき
2: 不整脈が出現したとき
3: 拡張期血圧が110 mmHgとなったとき
4: 収縮期血圧が170 mmHgとなったとき
5: SpO2が95%になったとき
転位のない大腿骨転子部骨折に対する観血的整復固定術後の理学療法として優先度の低いのはどれか。
1: 早期からの歩行練習
2: 脱臼予防肢位の指導
3: 早期からのROM練習
4: 大腿四頭筋の等尺性運動
5: 足関節の自動的底背屈運動
6歳の女児。脳性麻痺痙直型両麻痺。手指の巧緻動作は拙劣だが上肢・体幹の機能障害は比較的軽度で、座位バランスは良好である。両手で平行棒につかまれば椅子から立ち上がることができ、平行棒内立位は片手支持でも安定して保持できる。歩き出そうとすると支持脚股関節・膝関節の屈曲が生じ、尻もちをつきそうになり歩けない。この患者の歩き出しの問題への対処として行う理学療法で適切なのはどれか。
1: バルーン上座位保持練習
2: バルーン上腹臥位での体幹伸展練習
3: 台上座位からの立ち上がり練習
4: 壁にお尻で寄りかかった立位での風船遊び
5: 低い台に片足を乗せるステップ動作の練習
80歳の女性。脳血管障害発症後5年、要介護2。杖歩行は自立しているが、転倒予防を目的に通所リハビリテーションでの理学療法が開始された。転倒リスクの評価として適切なのはどれか。
1: FBS
2: KPS〈Karnofsky performance scale〉
3: PGCモラールスケール
4: SIAS
5: WCST
33歳の女性。第一子出産後、関節の痛みが出現し、関節リウマチとの診断を受けた。現在、スタインブロッカーのステージII、クラスIIである。夫婦で文具店を営んでいる。日常生活の指導で適切なのはどれか。
48歳の女性。関節リウマチ。スタインブロッカーのステージIII、クラスIII。ADL指導で正しいのはどれか。
前腕回外の関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)について、正しいのはどれか。
1: 基本肢位は手掌面が水平面にある肢位とする。
2: 参考可動域は手関節屈曲角度と同じである。
3: 最終域で肩関節内旋運動が出現する。
4: 最終域感は骨性である。
5: 基本軸は尺骨とする。
80歳の女性。右利き。脳梗塞急性期の頭部MRI拡散強調像を示す。この患者の症状で考えられるのはどれか。
1: 失行
2: 失語
3: 体幹失調
4: 右片麻痺
5: 左半身の感覚障害
関節可動域測定の運動方向と参考可動域角度(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 肩関節水平屈曲:135°
2: 肘関節屈曲:120°
3: 手関節尺屈:25°
4: 股関節外転:45°
5: 足関節背屈:45°
82歳の女性。室内移動は手すりや家具を支えになんとか可能であったが、動きづらくなり、作業療法が依頼された。初回評価の内容で適切でないのはどれか。
1: 車椅子の採型計測を行った。
2: 家の間取りなどの住環境を聞いた。
3: 日常のすごし方を聞いた。
4: 心理社会面の評価を行った。
5: 困っている動作の観察を行った。
42歳の女性。右利き。生来健康。悪性黒色腫による左上腕切断。標準断端。今後化学療法が施行される予定である。この患者に対する上腕義手として適切なのはどれか。
1: ソケットは差し込み式
2: コントロールケーブルは単式
3: 肘完全屈曲に要する肩屈曲角は50°
4: 口元での手先具は40%開大
5: 操作効率は40%
関節可動域測定(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)で測定する運動方向と移動軸との組合せで誤っているのはどれか。
1: 頸部屈曲-外耳孔と頭頂を結ぶ線
2: 肩関節伸展-上腕骨
3: 肩関節内旋-尺骨
4: 肘関節屈曲-尺骨
5: 手関節尺屈-第3中手骨
21歳の男性。右上腕骨骨折。図に示す領域の知覚が脱失し、運動麻痺がみられる。装着するスプリントで適切なのはどれか。
1: フレクサーヒンジ・スプリント
2: Bennett型長対立スプリント
3: Thomasスプリント
4: ナックルベンダー
5: 短対立スプリント
35歳の男性。生来健康であった。転倒し右肘頭骨折を受傷した。術後のエックス線写真(A、B)を示す。骨折部や全身の状態は良好である。この患者の作業療法で最も注意すべき合併症はどれか。
1: 偽関節
2: 変形治癒
3: 遷延治癒
4: 異所性骨化
5: Sudeck骨萎縮
球麻痺から発症した筋萎縮性側索硬化症で歩行が可能な患者への対応で正しいのはどれか。
1: 胸郭のストレッチを指導する。
2: 呼吸機能評価を1年に1回行う。
3: 栄養指導は誤嚥を認めてから行う。
4: 早期からプラスチック短下肢装具を導入する。
5: 鉄アレイを用いた上肢筋力トレーニングを指導する。