8歳の男児。幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず、家族で外出した際にはよく迷子になり、両親も養育に困難を感じていた。小学校に入学してからは、授業中に勝手に席を立って歩き出したり、順番を守ることも難しく、日常的に忘れ物や落とし物も多く、うっかりミスをして教師に注意されるが、その後も同じミスを繰り返していた。授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず、最近では学業不振が目立ち始めたため放課後等デイサービスで作業療法士が対応することになった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
1: 感覚統合療法を実施する。
2: ペアレントトレーニングを実施する。
3: 社会生活技能訓練〈SST〉を実施する。
4: 学校を訪問して授業の様子を観察する。
5: 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。
精神科作業療法のインフォームドコンセントについて適切なのはどれか。
1: 作業種目を変更する場合の同意は必要ない。
2: 医療保護入院の入院患者は同意を得る必要はない。
3: 言語理解が困難な場合は誘導しながら同意を得る。
4: 活動内容の説明は良好な患者―治療者関係の構築に必要である。
5: 精神症状が重篤な場合は患者の同意よりも治療効果が優先される。
うつ病患者への復職支援について正しいのはどれか。
1: 薬物療法が終了してから復職させる。
2: 配置転換を希望しないように指示する。
3: 発症前の勤務時間で復職するよう促す。
4: 体力づくり活動に休まず参加するよう促す。
5: ストレスへの対処法について心理教育を行う。
作業療法中にみられるてんかん患者の発作症状でないのはどれか。
1: 虚空を注視する。
2: 強い執着性を示す。
3: 眼球が共同偏向する。
4: 突然に会話を停止する。
5: 急に立ち上がって歩きまわる。
境界型人格障害患者の初回面接で適切なのはどれか。
1: 本人の対人関係を主題にする。
2: 面接時間を限定しない。
3: 作業達成目標を本人に決めさせる。
4: 種目選択の幅を広くする。
5: 作業療法への参加動機を明確にする。
作業療法士の業務として適切でないのはどれか。
1: 入浴介助方法の指導
2: 公共交通機関の利用練習
3: 階段への手すりの設置
4: 調理の手順や方法の指導
5: 趣味活動の指導
36歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。20歳代に発病。就労を目的としてデイケアの通所を開始。対人関係は表面的には如才なく接している。しかし、女性や年下の人には横柄で命令的な反面、目上や初対面の人には緊張して口もきけない状態になることもある。就労に関しては公共職業安定所で職探しをしている。デイケアの活動で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.集団療法で過去の職歴について話し合う。イ.生活技能訓練で面接訓練を行う。ウ.外部機関への単独訪問を制限する。エ.自由画などの創造的作業を行う。オ.興味のある趣味的な作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
誤っている組合せはどれか。
1: 森田療法-日記指導
2: 生活機能訓練-ロールプレイ
3: 自律訓練法-リラクセーション
4: 実存分析-自由連想法
5: 集団精神療法-相互交流
統合失調症の回復期前期の患者に適切な活動はどれか。
1: 仲間作り
2: 生活管理
3: 欲求の充足
4: 役割の体験
5: 身体感覚の回復
気分障害(うつ病)の患者で作業療法時にみられないのはどれか。
1: 作品に高い完成度を求める。
2: 熱心に取り組む。
3: 他者からの評価を気にする。
4: 自分の判断で先に進む。
5: 作業手順にこだわる。
作業分析の目標として適切でないのはどれか。
1: 治療手段としての作業を体系的に理解する。
2: 治療過程を段階づける。
3: 作業の材料、道具を分類する。
4: 作業遂行に必要な患者の能力を明確にする。
5: 作業実施の環境因子を明確にする。
回避性パーソナリティ障害患者の作業療法導入期の対応について適切なのはどれか。
1: 共同作業を促す。
2: 衝動発散を促す。
3: 種目選択は患者に任せる。
4: 作業の誤りを修正させる。
5: 枠組みの明確な作業を提供する。
精神障害者の就労と最も関連があるのはどれか。
1: 精神症状の程度
2: 精神障害の診断名
3: 職業前訓練の時間
4: これまでの入院期間
5: 就労へのモチベーション
精神障害者の就労支援について正しいのはどれか。
1: 就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない。
2: 障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋しない。
3: ジョブコーチは事業主への支援を行うことはできない。
4: 精神障害者は障害者雇用率に算定できない。
5: 精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象ではない。
症状と生活指導との組合せで正しいのはどれか。
1: 視覚失認-認知に視覚以外の感覚を使わせる。
2: バリント症候群-食事は一皿にまとめて出す。
3: 観念運動失行-指示書で動作を促す。
4: 運動性失語-聞き役に専念させる。
5: 運動保続-保続動作を利用する。
21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
1: デイケアでの集団活動を促す。
2: 自宅での過ごし方を指導する。
3: 復学準備の開始時期を話し合う。
4: 作業遂行の特徴を家族に伝える。
5: 外来作業療法で支援を継続する。
うつ病の回復初期での作業療法の留意点で適切なのはどれか。
1: 作業リズムを獲得させる。
2: 作業回数を増やす。
3: 作業難易度を高める。
4: 話し合いの司会を勧める。
5: 団体競技のスポーツを取り入れる。
慢性期統合失調症患者に作業療法を導入する際の留意点で適切でないのはどれか。
1: 患者の生活パターンを保つ。
2: いくつかの課題を提示する。
3: 何もしなくてもよいことを保障する。
4: 段階づけができる工程を準備する。
5: 完成品を見本に手順を話す。
成人のパーソナリティ障害への治療介入で正しいのはどれか。
1: 薬物療法は有効である。
2: 家族との連携を控える。
3: 早期に診断して患者に告知する。
4: 秩序を乱した行動に対して何も言わない。
5: 自傷行為などが頻回な場合は電気けいれん療法を行う。