48歳の女性。多発性筋炎。一般状態が落ち着いて理学療法が開始された。筋力は体幹筋4、上肢近位筋群3~4、下肢近位筋群3~4。院内独歩が可能。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 血中CK値推移の確認
2: 他動的可動域訓練
3: デローム法による筋力増強訓練
4: 万歩計による運動量の確認
5: 自覚的疲労度の確認
28歳の男性。野球のスライディングの際に右膝関節屈曲位で膝前面を強打し、疼痛が強く歩行不能になったため救急外来を受診した。治療開始から2週後のMRIを示す。治療開始から3週後。疼痛は軽減したが筋萎縮が残存している。この患者に行うべき筋力訓練で誤っているのはどれか。ただし、図の矢印は運動の方向を示している。
高齢者の脊椎圧迫骨折の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 急性期は下肢の等尺性訓練を行う。
2: 早期離床を促す。
3: コルセットを作製する。
4: 股関節の伸筋を強化する。
5: 体幹筋は腹筋を中心に強化する。
Danielsらの徒手筋力テストを腹臥位で実施するのはどれか。2つ選べ。
1: 体幹伸展 段階4(Good)
2: 頭部屈曲 段階3(Fair)
3: 肘関節伸展 段階2(Poor)
4: 股関節内転 段階5(Normal)
5: 膝関節屈曲 段階1(Trace)
1歳2か月の男児。6か月健康診査で運動発達遅滞を指摘され、地域の療育センターを紹介された。痙直型両麻痺と診断され、週1回の外来理学療法が開始された。現在、首が座り上肢を支持して数秒間のみ円背姿勢で床座位保持が可能となった。この時期のホームプログラムとして適切なのはどれか。
1: 下肢の保護伸展反応の促通
2: 上肢の他動的可動域訓練
3: 腹臥位での体幹伸展運動
4: 四つ這い位保持訓練
5: 介助歩行
9歳の男児。デュシェンヌ型筋ジストロフィー。介助なしに歩行可能で、椅子からの立ち上がりも可能であるが、階段昇降はできない。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の筋力維持訓練
2: 体幹装具装着での歩行訓練
3: 下腿三頭筋の伸張運動
4: 四つ這い移動運動
5: 徒手的胸郭拡張訓練
正しいのはどれか。
1: 脊柱管狭窄症の間欠跛行は体幹前屈位で軽快する。
2: 椎間板ヘルニアでは深部腱反射は正常である。
3: 第4・5腰椎椎間板ヘルニアでは第4腰神経根が圧迫される。
4: 無分離すべり症は若年層に好発する。
5: ラセーグ徴候は大腿神経障害が反映される。
40歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。最近、肺炎を2回起こしている。この患者の調理動作として適切でないのはどれか。
1: 皮むき器で大根の皮をむく。
2: 電子レンジで食品を温める。
3: ざるを用いてめん類をゆでる。
4: 台ふきんで調理台をふく。
5: 調理用ハサミで野菜を切る。
第7頸髄後根の障害で生じるのはどれか。
1: 下垂手
2: Horner徴候
3: 腕橈骨筋の萎縮
4: 上腕三頭筋腱反射の低下
5: 上腕二頭筋の線維束性収縮
8歳の男児。公園の滑り台から誤って転落して左手をつき、痛みのために救急外来を受診した。左肘関節中枢部に疼痛、腫脹および変形が認められる。初診時の左肘のエックス線写真ABを示す。急性期の合併症で起こりにくいのはどれか。
1: 橈骨神経麻痺
2: 正中神経麻痺
3: 尺骨神経麻痺
4: 上腕動脈損傷
5: 尺骨動脈損傷
60歳の女性。脊髄小脳変性症。四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。
65歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月。1か月前から平行棒内で歩行練習を行っている。現在の歩行パターンを図に示した。この症例における歩行の特徴として誤っているのはどれか。
1: 患側の立脚初期に過度の股関節外旋が生じている。
2: 患側肢では足趾接地が踵接地の前に生じている。
3: 患側の遊脚期に過度の膝関節屈曲が生じている。
4: 患側の遊脚期に股関節外転分回しが生じている。
5: 患側肢に内側ホイップが生じている。
骨折と損傷を受ける可能性がある筋との組合せで誤っているのはどれか。
1: 鎖骨骨折――――――小胸筋
2: 橈骨遠位端骨折―――方形回内筋
3: 上腕骨外科頸骨折――棘上筋
4: 上腕骨骨幹部骨折――烏口腕筋
5: 橈尺骨骨幹部骨折――第2背側骨間筋
50歳の女性。球麻痺症状で発症した筋萎縮性側索硬化症。発症後1年経過。自営業世帯の主婦で、病前は家業の経理を行っていた。現在、筋力は上肢近位筋群3(Fair)、上肢遠位筋群2(Poor)、下肢筋群4(Good)である。最近、肺炎を2回起こしている。この患者への対応で緊急度が低いのはどれか。
1: コミュニケーションエイドの検討
2: 呼吸体操の指導
3: 飲み込みやすい食品の紹介
4: 不安や恐れへの相談
5: 移乗介助用リフターの導入
55歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。1年前から通勤時に右足がつまずくようになった。最近は意識して膝を上にあげて歩行している。腰椎MRIでは病的所見はなく、針筋電図所見では両側の前脛骨筋に右側優位の神経原性変化を認めた。適切な対応はどれか。
1: 座位時は足を挙上しておく。
2: 移動時に車椅子を利用する。
3: 立ち上がり運動を繰り返す。
4: 前脛骨筋に治療的電気刺激を行う。
5: 右側プラスチック短下肢装具を装着する。
45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習
Danielsらの徒手筋力テストで、体幹屈曲の段階2以下では判定のために3段階の操作が示されている。検査肢位を図に示す。段階2が確定するのはどれか。2つ選べ。
1: 図1で頭を持ち上げるように教示したとき、頭は持ち上がったが肩甲骨が床から離れなかった。
2: 図1で頭を持ち上げるように教示したとき、頭を持ち上げることができなかった。
3: 図2で体幹前屈を教示したとき、胸郭に凹みが生じた。
4: 図2で体幹前屈を教示したとき、胸郭は凹まなかったが腹直筋の収縮を触知できた。
5: 図2で咳をするように教示し、咳はできなかったが腹直筋の収縮を触知できた。
65歳の男性。農作業中に右上腕切断、標準断端である。受傷後1か月経過。義手の作製と訓練のため入院した。作業療法の訓練で適切でないのはどれか。
1: ブロックを用いたフック操作
2: 鏡を用いた肘継手のロック操作
3: 義手の着脱
4: 義手での書字
5: 両手による紐結び
50歳の女性。右上腕短断端切断。受傷後3か月経過。図のような上腕義手を製作した。義手操作練習時、肘90°屈曲位で手先具を完全に開くことができなかった。対応で正しいのはどれか。
1: 肘継手を交換する。
2: 9字ハーネスに変える。
3: 手先具の力源ゴムを増やす。
4: ケーブルハウジングを短くする。
5: リフトレバーの位置を遠位にする。
38歳の男性。30歳ころから歩行時にふらふらする感じを自覚していた。最近、階段昇降で手すりが必要となり、構音障害と上肢の協調性低下も出現した。症状が徐々に進行し、屋内つたい歩きとなったため入院した。意識は清明。知能は正常である。感覚障害はなく、病的反射も認めない。兄も同様の症状を呈している。MRI(写真①~⑤)を示す。この症例はどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤