32歳の女性。下痢症状の後に四肢の脱力が出現したGuillain-Barré症候群で、入院2週後のGuillain-Barré障害スコアが5(人工呼吸管理)であった。グラフは表の3項目の合計点と歩行の関係を示す。この患者が発症6か月後に歩行不可能な確率はどれか。
1: 20%
2: 30%
3: 60%
4: 80%
5: 90%
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真AとMRI写真Bを示す。この患者がベッド上で行う理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側下肢への弾性ストッキングの着用
2: 背臥位で砂のうを用いた両上肢の筋力強化
3: 足関節の底背屈自動運動
4: 重錘バンドを用いた下肢伸展挙上運動
5: コルセットを装着しての背臥位での殿部挙上運動
80歳の男性。体重70 kg。介護者は腰痛のある70歳の妻で体重39 kg。誤嚥性肺炎による1か月の入院後、下肢の廃用性の筋力低下をきたしている。端座位保持は可能であるが、立ち上がりは手すりを把持しても殿部が挙上できずに全介助である。立位は手すりを把持して保持できるが、足踏み動作は困難である。車椅子への移乗介助に使用する福祉用具の写真を示す。妻の腰痛を助長しないことを優先して選択する用具として適切なのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
球麻痺から発症した筋萎縮性側索硬化症で歩行が可能な患者への対応で正しいのはどれか。
1: 胸郭のストレッチを指導する。
2: 呼吸機能評価を1年に1回行う。
3: 栄養指導は誤嚥を認めてから行う。
4: 早期からプラスチック短下肢装具を導入する。
5: 鉄アレイを用いた上肢筋力トレーニングを指導する。
48歳の男性。高校時代に野球を始め、現在も週1回程度続けている。最近腰痛が悪化したため病院を受診したところ、第5腰椎分離症と診断された。3週間の自宅安静によって腰痛は軽快した。この時点で行うべき理学療法で適切でないのはどれか。
問題6の連続問題28歳の男性。2週前にGuillain-Barré症候群と診断された。γグロブリン大量静注療法を実施され、症状の進行は停止した。本日実施した右上肢の運動神経伝導検査の結果を表に示す。 現時点で最も導入を検討すべき装具はどれか。
1: 長対立装具
2: ナックルベンダー
3: IP関節伸展補助装具
4: 母指Z変形用スプリント
5: コックアップ・スプリント
75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。
1: 踵部の補高
2: 短下肢装具の使用
3: 膝屈曲位での立位保持練習
4: 前脛骨筋の治療的電気刺激
5: 下腿三頭筋へのタッピング
55歳の男性。急性心筋梗塞後合併症なく4週で自宅退院となった。復職までの2か月は自宅療養の予定である。自宅療養中の生活指導として適切でないのはどれか。
1: 1日に1~2 kmの歩行
2: 休みながらの階段昇降
3: 脈拍120/分以下での自転車エルゴメーター
4: 洗車・ワックスがけ
5: ボルグ指数12以下での運動
25歳の男性。外傷性頸髄損傷。現在は図のような動作で食事を行っている。この患者に対して急性期に行った呼吸理学療法で誤っているのはどれか。
1: 胸郭モビライゼーション
2: 肋間筋強化
3: 息こらえ練習
4: 介助咳嗽練習
5: 体位排痰法
脊髄小脳変性症の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 四肢近位部への弾性緊縛帯
2: 四肢遠位部への重錘負荷
3: 膝固定装具装着での歩行訓練
4: rhythmic stabilization
5: バルーンを用いての座位訓練
55歳の女性。8年前に多発性硬化症と診断され、再発や寛解を繰り返し、2回の入院歴がある。現在は症状が落ち着いており、訪問理学療法で屋外歩行練習が実施されている。その際、理学療法士は運動強度を軽度から中等度とし、かつ、外気温の高い時間帯を避けて実施するなどに留意している。この理由として関係するのはどれか。
1: Barré徴候
2: Horner徴候
3: Lhermitte徴候
4: Tinel徴候
5: Uhthoff徴候
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重となっているが、背屈制限が著しく、外果周囲に組織の肥厚と癒着がある。他動的関節可動域訓練前の物理療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: アイシング
2: 水温36℃の渦流浴
3: 連続波で1 MHzの超音波療法
4: 2,450 MHzの極超短波療法
5: 51℃のパラフィン浴
神経・筋変性疾患のリハビリテーションで誤っているのはどれか。
1: Guillain–Barré 症候群では訓練中の不整脈に注意する。
2: Parkinson病では視覚刺激を運動発動に利用する。
3: 脊髄小脳変性症では早期から補助具を導入する。
4: 筋萎縮性側索硬化症の車椅子利用者では褥瘡の発生に注意する。
5: 筋ジストロフィーの運動訓練では過負荷に注意する。
72歳の男性。肺癌の末期。意識障害はなく見当識良好で在宅生活を行っている。骨転移があり左肩と背部の疼痛を訴え、痛みのため歩行困難と食欲低下がある。まず行うべき対応はどれか。
1: 嚥下訓練
2: 疼痛管理
3: 肩のROM訓練
4: 経管栄養の開始
5: 下肢筋力強化訓練
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症と診断されて3年が経過。四肢や体幹に運動麻痺を生じてベッド上の生活となりADLは全介助。さらに球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚する。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 手指
3: 口唇
4: 呼気
5: 外眼筋
増悪期の多発性硬化症患者への対応で適切でないのはどれか。
1: 温浴
2: 体位変換
3: 良肢位保持
4: 視覚ガイド
5: 心理カウンセリング
35歳の男性。急性心筋梗塞で入院中。合併症はなく、現在、室内で2分程度ゆっくり歩くことを許可されている。この時期の患者の活動で適切でないのはどれか。
1: 入浴する。
2: 室内便器を利用する。
3: 立位で体重測定を行う。
4: ソファーで新聞を読む。
5: 近親者と短時間面会する。
SteinbrockerによるステージⅠの肩手症候群に対する理学療法として適切でないのはどれか。
1: 交代浴の実施
2: ホットパックの実施
3: 他動的伸張運動の実施
4: 自己による介助運動の指導
5: 臥床時の上肢ポジショニングの指導
65歳の男性。脳卒中による右片麻痺。発症後3か月経過。下肢のブルンストローム法ステージIII。多点杖で歩行訓練を行っているが、下腿三頭筋の痙縮が強く、内反尖足が顕著である。適切な装具はどれか。
55歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、在宅療養中。現在、座位時間は1日4~5時間。車椅子の駆動はかろうじて可能。夫と息子は自宅の一角で自営業を営んでいる。仕事の忙しい時間帯はヘルパーを頼んでいる。患者の話す声は、かろうじて聞き取れる程度である。この患者に対する日常生活改善のためのアプローチとして適切でないのはどれか。
1: コミュニケーション障害に備えて透明文字板の導入を検討する。
2: 下肢の痙縮を利用して、ツイスターで移動動作の介助を楽にする。
3: ベッド柵に鏡を取り付けて、入ってくる人が見えるようにする。
4: 環境制御装置の導入を検討する。
5: 介護者に連絡するための緊急連絡手段を検討する。