32歳の男性。筋強直性ジストロフィー。手指を強く握ると筋強直のために開くのに時間がかかる。側頭部と頬部の筋萎縮と閉口障害を認める。筋力はMMTで頸部2、肩関節周囲2、肘関節周囲2、手指3、股関節周囲2、膝関節周囲2、足関節周囲1で、立位になればかろうじて短距離歩行可能である。労作時に動悸や呼吸苦の自覚はなく、SpO2の低下を認めない。正しいのはどれか。
1: ROM運動は筋強直に抵抗して行う。
2: 食事は咀嚼回数を減らす形態にする。
3: 等尺性収縮による筋力増強は行わない。
4: アンビューバックを活用した呼吸練習を行う。
5: 下肢装着型の補助ロボット導入は有効でない。
37歳の男性。事故による両前腕切断。現在仮義手で能動フックを使用しているが、ズボンや上着のジッパーの開閉、食事やトイレの後始末に不便を感じている。手継手を示す。この患者に適しているのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
48歳の男性。高校時代に野球を始め、現在も週1回程度続けている。最近腰痛が悪化したため病院を受診したところ、第5腰椎分離症と診断された。3週間の自宅安静によって腰痛は軽快した。この時点で行うべき理学療法で適切でないのはどれか。
21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。
1: 意識障害を確認する。
2: 血圧を測定する。
3: 頭部を低くする。
4: 留置バルーンカテーテルを開放する。
5: 便通を確認する。
28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
1: BADS
2: SLTA
3: SPTA
4: VPTA
5: CBS〈Catherine bergego scale〉
26歳の男性。仕事中の事故によって頸髄損傷を生じた。S4、5領域の運動機能と感覚機能とは完全に喪失していた。徒手筋力テストの結果を表に示す。到達可能と予測される動作はどれか。
1: 更衣
2: 自己導尿
3: プッシュアップ動作
4: 自助具を用いた食事動作
5: ベッドから車椅子への移乗動作
多発性硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 男性に多い。
2: 脱髄病変がみられる。
3: 発症は70代以上に多い。
4: 神経症状の進行は稀である。
5: 視力低下が出現する頻度が高い。
87歳の女性。転倒による大腿骨近位部骨折に対する手術後。理学療法を行っているが、筋力増強の効果が不十分で全身の持久性も低下している。下肢の浮腫を認めたため主治医へ報告したところ、栄養障害はあるが内科的な併存症はないといわれた。理学療法を行う上で、特に参考となる血液検査所見はどれか。
1: アルカリフォスファターゼ
2: クレアチニン
3: 空腹時血糖
4: アルブミン
5: 赤血球
21歳の男性。右上腕骨骨折。図に示す領域の知覚が脱失し、運動麻痺がみられる。装着するスプリントで適切なのはどれか。
1: フレクサーヒンジ・スプリント
2: Bennett型長対立スプリント
3: Thomasスプリント
4: ナックルベンダー
5: 短対立スプリント
65歳の男性。農作業中に右上腕切断、標準断端である。受傷後1か月経過。義手の作製と訓練のため入院した。作業療法の訓練で適切でないのはどれか。
1: ブロックを用いたフック操作
2: 鏡を用いた肘継手のロック操作
3: 義手の着脱
4: 義手での書字
5: 両手による紐結び
60歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。食事時に右手でスプーンの柄を握りこんでしまい、うまくスプーン操作ができず、介助が必要になることが多いが、少しずつ食事動作が円滑にできる場面が増えてきている。頭部MRIを示す。この食事動作の病態として考えられるのはどれか。
1: 観念失行
2: 視覚性失認
3: 運動維持困難
4: 右上肢運動麻痺
5: 右上肢深部覚障害
60歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。食事時に右手でスプーンの柄を握りこんでしまい、うまくスプーン操作ができず、介助が必要になることが多いが、少しずつ食事動作が円滑にできる場面が増えてきている。頭部MRIを示す。この食事動作の病態として考えられるのはどれか。
1: 観念失行
2: 視覚性失認
3: 運動維持困難
4: 右上肢運動麻痺
5: 右上肢深部覚障害
80歳の男性。3年前に脳梗塞による右片麻痺を発症したが、独歩は可能であり、ADLは自立していた。肺炎のため1週間の安静臥床が続いた後、伝い歩きはできるものの独歩は困難となった。最も考えられる原因はどれか。
1: 褥瘡
2: 脳梗塞の再発
3: 下肢筋力低下
4: 呼吸機能低下
5: 精神機能低下
20歳の女性。1か月前に転倒し、疼痛は軽減したが膝関節の不安定感があり来院した。実施した検査を図に示す。矢印は力を加えた方向を示す。この検査で陽性が確認された。他に損傷がなかった場合、優先すべき治療はどれか。
1: 安静固定
2: 水中歩行練習
3: 大腿四頭筋の強化
4: 超音波療法
5: ハムストリングスの強化
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。その後、意識状態が改善した。歩行が困難であるにもかかわらず、ひとりでベッドから立ち上がろうとする。この患者に認められる可能性が高い症状はどれか。
1: 右手は自由に動かせるが、ジャンケンのチョキが模倣できない。
2: 5つの物品の中から指示した物を選択できない。
3: 「左手足は動きますか」と聞くと「はい」と答える。
4: 指示に対して右手足をほとんど動かせない。
5: 眼鏡を見て「めがね」と呼称できない。
56歳の女性。3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者。数か月前から前傾姿勢を認めるようになった。事務員として仕事をしている。理学療法として優先されるのはどれか。
1: リズム音を用いた歩行訓練
2: 体幹筋のストレッチ訓練
3: 呼吸リハビリテーション
4: 下肢の筋力増強訓練
5: 環境整備
末期の筋萎縮性側索硬化症において保たれる機能はどれか。
1: 眼球運動
2: 呼吸機能
3: 嚥下機能
4: 構音機能
5: 上肢機能
慢性関節リウマチについて誤っているのはどれか。
1: エックス線所見で関節周囲の骨萎縮が認められる。
2: 遠位指節間関節から初発することが多い。
3: 罹患関節は左右対称性に症状が現れる。
4: 環軸関節の亜脱臼が生じることが多い。
5: 関節周囲などに皮下結節が認められる。
62歳の男性。心筋梗塞発症当日に入院。発症後3日から理学療法を開始している。合併症はない。発症後5日の理学療法で適切でないのはどれか。
1: ベッド上での肘関節自動運動
2: ベッド上での足関節自動運動
3: 両下肢の他動運動
4: ギャッチベッド上での座位
5: ブリッジ運動
58歳の男性。脳腫瘍と診断された。頭部MRIを示す。最も考えられる症状はどれか。
1: 体幹失調
2: 視野障害
3: 注意障害
4: 感覚性失語
5: 左半側空間無視