54歳の男性。労働災害による頸髄損傷。受傷後6か月経過。起立性低血圧あり、褥瘡なし。筋力は三角筋4、上腕二頭筋3、上腕三頭筋0、回内筋3、腕橈骨筋3、長橈側手根伸筋3、手関節及び手指屈筋群は0、体幹筋0、下肢筋0であった。家屋改造をしているが、居間や廊下幅が狭いとの訴えがある。この患者の日常生活活動に用いる車椅子処方で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
脳血管障害片麻痺患者の更衣指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 靴下は座位ではく。
2: 靴下の着脱の導入はソックスエイドを用いる。
3: 下衣は非麻痺側下肢から先に通す。
4: 前開き式上衣は先に麻痺側の上肢を通す。
5: かぶり式上衣は先に非麻痺側の上肢を通す。
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMTは上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: ビーズで指輪を作る。
2: 木工作業で本棚を作る。
3: 卓上編み機でマフラーを編む。
4: 小さな刻印で革に模様をつける。
5: ネット手芸でティッシュボックスを作る。
パーキンソン病患者(ヤールの重症度分類ステージIII)の理学療法で正しいのはどれか。
1: 寝返り動作では体幹を丸太状にして身体を回旋させる。
2: 椅子からの立ち上がりでは身体重心を後方に移動させる。
3: 立位保持では脊柱を前屈して重心を前方に移動させる。
4: 平地歩行では歩行路に設置した横線をまたぎ歩かせる。
5: 階段昇降では下肢のリズムに合わせて両腕を大きく振らせる。
65歳の女性。脳出血発症後5週の左片麻痺。高血圧で降圧薬を服用中。訓練前の血圧は158/92 mmHg(安静座位)であったが、平行棒内歩行訓練直後の血圧は200/128 mmHg(座位)であった。めまいなどの自覚症状は訴えなかった。アンダーソン改訂基準に基づいた理学療法士の対応として適切なのはどれか。
1: その日の訓練を中止し主治医に連絡する。
2: 血圧をモニターしながら訓練を続ける。
3: 訓練を一時中止し様子をみる。
4: 歩行を中止し座位での訓練内容に変更する。
5: 歩行を中止し臥位での訓練内容に変更する。
72歳の男性。Parkinson病。Yahrの重症度分類ステージIVである。この患者に自分で行うように指導する内容で適切なのはどれか。
1: 手足のつめ切りを行う。
2: 更衣のときにボタンがけを行う。
3: 低めの洋式便座を用いて排便を行う。
4: 食事のときには頸部伸展位で飲み込む。
5: ベッド端から下肢を下ろして起き上がる。
図は右片麻痺患者の椅子からの立ち上がりを介助しているところである。正しいのはどれか。
1: 患側の足はできるだけ健側の足に近い位置に置かせる方が安定した動作ができる。
2: 介助者は、患者の膝の前面よりも膝の外側に自分の膝をあてるべきである。
3: 座位で体重を前方に移していく段階では、頸を屈曲位にするよう指導するとよい。
4: 腰ベルトよりも患者の両腋下で体幹に手をかけて引き起こす方が介助が容易にできる。
5: 健側の手で介助者の肩につかまらせ、この腕の力を主に使って立ち上がるようにさせるとよい。
63歳の男性。健康診断で不整脈を指摘されたが放置していた。職場で突然倒れ病院に搬送された。重度構音障害と重度左片麻痺とが認められた。発症2日目のMRIを写真に示す。意識状態は徐々に改善し、左上下肢の動きも出現した。2週後にワルファリンカリウムの投与が開始された。この患者の心電図として可能性の高いのは①~⑤のどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
62歳の女性。転倒後、四肢麻痺が出現した。上肢の筋力は2、手指内在筋は0~1、下肢は4であった。受傷時の頸部CT(写真A、B)と頸部MRI(写真C)を示す。画像から得られる所見で正しいのはどれか。2つ選べ。ア.CTで第3~5頸椎間に後縦靱帯骨化がみられる。イ.CTで第4・5頸椎部に骨折がみられる。ウ.CTで第5・6頸椎間に脱臼がみられる。エ.MRIで脊髄の圧迫はみられない。オ.MRIで第5頸椎後方の脊髄に高輝度の変化がある。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
50歳の男性。ギラン・バレー症候群発症後1週経過。理学療法で適切でないのはどれか。
1: ベッド上での良肢位保持
2: 体位変換
3: 関節可動域訓練
4: 呼吸訓練
5: 代償運動の指導
転換性障害のため歩行障害がみられる患者への作業療法で優先すべきなのはどれか。
1: 住宅環境の整備を進める。
2: 廃用性機能障害を予防する。
3: 無意識の葛藤についての洞察を促す。
4: 難易度の高い作業への挑戦を勧める。
5: 器質的な原因との矛盾点に直面させる。
70歳の女性。脳出血による右片麻痺。発症3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。認知や感覚機能に障害はない。この患者の患側上肢の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 座位での患側を用いた机の雑巾がけ
2: 立位での患側を用いたズボンの引き上げ
3: ループ付きタオルを用いた洗体動作
4: 両手を用いたタオルたたみ
5: 銅版打ち出しで患側を用いた木槌の使用
25歳の女性。脊髄完全損傷(第5胸髄節まで機能残存)。車椅子(寸法:全長85 cm、全幅55 cm、前座高42 cm)での自立生活に向けて図のように住宅改修を行った。考えられる問題点はどれか。
1: ①のエレベーターに乗るとバックで出なければならない。
2: ②の玄関スロープを上ることができない。
3: ③のトイレに入った後で扉を閉めることができない。
4: ④の洗体台が高く移乗できない。
5: ⑤の車椅子用台所シンクに対面できない。
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で正しいのはどれか。
1: 体幹の動揺は少ない。
2: 肩関節は内転位になりやすい。
3: 肘関節は伸展位になりやすい。
4: 股関節は内転位になりやすい。
5: 膝関節は伸展位になりやすい。
50歳の女性。外傷性頸髄損傷。筋力は左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、上腕三頭筋4、長橈側手根伸筋4、橈側手根屈筋1、手指伸筋4、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0であった。この患者の日常生活に用いる車椅子で適切なのはどれか。
57歳の男性。視床出血後に表在感覚と深部感覚との障害を認める。運動麻痺は認めない。この患者に行う知覚再教育で誤っているのはどれか。
1: 開眼で代償させる。
2: 運動や動作は可能な限りゆっくり行う。
3: 15分程度の知覚再教育を一日に数回行う。
4: 識別素材を固定し、患側手を動かして識別させる。
5: 書字の際に、筆記具と手との接触個所で筆記具の特徴を感じさせる。
75歳の男性。糖尿病により右下腿切断。義足歩行練習時に右膝の膝折れを起こしそうな不安定感を訴えた。考えられる原因はどれか。2つ選べ。
1: 初期屈曲角が過大である。
2: 初期内転角が不足している。
3: 右股関節の屈曲可動域制限がある。
4: 右膝関節の伸展筋力が低下している。
5: ソケットが足部に対し後方に位置しすぎている。
75歳の女性。突然の意識障害で搬入された。発症当日の頭部CTを示す。発症3日目のJCS(Japan coma scale)は10点であった。この時点での理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 体位変換
2: 座位訓練
3: 移乗訓練
4: 腹筋強化
5: 関節可動域訓練
杖歩行を行う左片麻痺患者の、常時2点支持歩行の歩き出しで正しいのはどれか。
1: 左脚 → 杖 → 右脚
2: 右脚 → 杖 → 左脚
3: 左脚 → 右脚 → 杖
4: 杖 → 左脚 → 右脚
5: 杖 → 右脚 → 左脚
21歳の男性。運送会社勤務。外傷性脳損傷。事故後3か月経過。麻痺はなく身辺動作は可能であるが時々促しが必要である。外出の目的や頼まれた用事を途中で忘れてしまう。課題遂行を習慣化するための方法で適切でないのはどれか。
1: 作業を簡略化し繰り返す。
2: 自分なりの作業方法を選択する。
3: 作業予定と進行度とを照合する。
4: メモを利用する。
5: 忘れた課題を時間をかけて思い出す。