第46回午後第19問の類似問題

第52回午前:第15問

52歳の女性。7年前に右の乳癌に対して腋窩リンパ節郭清を伴う乳房部分切除術が行われ、術後に化学療法と放射線療法が行われた。5年前から右上肢リンパ浮腫が出現したため日常生活においては弾性スリーブを装着していた。リンパ浮腫が悪化してきたため受診し、リンパ浮腫重症度分類ステージⅡと診断された。日常生活指導として適切なのはどれか。  

1: むだ毛を処理する。

2: 皮膚の保湿をする。

3: 水分摂取を制限する。

4: 入浴は熱い温度で長湯をする。

5: 腕を締め付けるような服を着る。

第56回午前:第10問

32歳の女性。右利き。診断名は右乳がん(ステージⅡ)。右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった。夫と2歳の子どもとの3人暮らし。職業は保育士。術前の右上肢機能は良好であり、セルフケアや家事動作は自立していた。術後作業療法について正しいのはどれか。  

1: 日光浴を勧める。

2: 術側の上肢は固定する。

3: 事務職への転職を勧める。

4: 重量物を持たないように指導する。

5: 3か月間物干し動作は行わないよう指導する。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術を受けた後に作業療法が実施される。術後の患側上肢には創部治癒のために重い物を持たないよう指導することが適切である。
  • 日光浴はがんの発生リスクを低減することを示唆する研究もあるが、観察研究のデータであり、術後の作業療法として日光浴を選択できない。
  • 術後に乳房切除創部の安静は行われるが、患側上肢を固定すると、関節拘縮が生じることがあるため、適切ではない。
  • 患者は保育士であり、子どもを上肢で介助することも想定できるが、業務内容としては役割分担などで調整する手段があり、事務職へ転職するまでの理由はない。
  • 術後の患側上肢には創部治癒のために重い物を持たないよう指導することが適切である。
  • 術後3か月間に物干し動作を行わせないとする合理的事象はない。物干し動作は肩関節の運動を伴うが、肩の安静は最小限にしながら、術後早期からADLを含めた活動は痛み自制内で行うことができる。
  • 科目:内科疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第53回午後:第15問

58歳の女性。5年前に子宮頸癌の手術を行った。2年前から右下肢にリンパ浮腫が出現し、弾性ストッキングを着用していた。1年前から安静臥位で右下肢を挙上しても浮腫が改善せず、皮膚が固くなり非圧窩性浮腫が認められたため、週1回外来で理学療法を実施していた。2日前に蜂窩織炎を発症し、現在、薬物療法中である。対応として適切なのはどれか。  

1: 患部の冷却

2: スキンケア休止

3: 圧迫下での下肢運動

4: 用手的リンパドレナージ

5: 経皮的電気刺激療法〈TENS〉

第39回午前:第24問

48歳の主婦。右乳癌に対して3週前に乳房切除術を受けた。術後、右腋窩部から上腕内側の異常感覚と右上肢の浮腫が出現した。この患者への日常生活指導で適切でないのはどれか。  

1: 右肩関節の自動運動を行う。

2: 右上肢への直射日光を避ける。

3: 筋力維持のために手提げ荷物を右手で持つ。

4: 右上肢の虫刺されに注意する。

5: 右上肢に圧迫用スリーブを装着させる。

第39回午前:第23問

48歳の主婦。右乳癌に対して3週前に乳房切除術を受けた。術後、右腋窩部から上腕内側の異常感覚と右上肢の浮腫が出現した。初期評価項目で適切でないのはどれか。  

1: 肩関節可動域

2: 右上肢の血圧

3: 上腕内側の表在覚

4: 上肢の熱感・発赤の有無

5: 上肢挙上時の放散痛の有無

第55回午前:第20問

85歳の女性。自宅仏壇のろうそくの火が右袖に引火し、右前腕から前胸部および顔面にⅢ度5%とⅡ度15%の熱傷および気道熱傷を受傷した。受傷翌日に前胸部から右前腕前面にかけて植皮術を実施した。術後早期から開始する理学療法として正しいのはどれか。  

1: squeezingによる排痰を実施する。

2: 前腕は最大回内位に保持する。

3: 肩関節は外転位に保持する。

4: 筋力増強運動は禁止する。

5: 起立歩行は禁止する。

第41回午前:第36問

65歳の男性。胸骨正中切開による縦隔腫瘍摘出術後3日。左上下葉区の痰の貯留が多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。  

1: ゆっくりとした深い腹式呼吸

2: 右側臥位での体位排痰

3: 胸郭可動域運動

4: 四肢の自動介助運動

5: 体幹の回旋運動

第57回午後:第47問

乳癌術後の上肢リンパ浮腫(病期分類Ⅱ期)の日常生活指導として適切なのはどれか。  

1: 水分摂取を制限する。

2: 熱い温度で入浴をする。

3: 患肢の皮膚の保湿をする。

4: 患肢のむだ毛を処理する。

5: 上腕を締め付けるような服を着る。

第52回午前:第36問

上肢にリンパ浮腫がある乳癌術後患者に対する生活上の指導として最も適切なのはどれか。  

1: 日光浴をする。

2: 患肢の挙上を避ける。

3: 高い温度で温浴をする。

4: アームスリングで保護する。

5: 正常なリンパ節へ向けてマッサージを行う。

第39回午前:第3問

55歳の女性。若年時から跛行がある。ここ数年で右股関節痛が増悪し来院した。運動麻痺、感覚障害はなく、整形外科的手術の既往もない。背臥位、膝屈曲位で図のような肢位がみられた。異常がみられない評価項目はどれか。 

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1: 大腿周径

2: 棘果長

3: 股関節の関節可動域

4: 下肢の徒手筋力テスト

5: 下肢の腱反射

第51回午前:第19問

24歳の女性。2日前に室内での火災に巻き込まれ救急搬送された。35%の範囲の熱傷と診断され入院中。意識は清明。顔面から前頸部も受傷し煤のような色の痰がでる。肩甲帯から上腕にかけては植皮が必要な状態。骨盤と下肢とに傷害はみられない。この時期の理学療法として適切なのはどれか。  

1: 患部局所の浮腫に対する弾性包帯による持続圧迫

2: 下肢に対する80%MVCでの筋力増強

3: 背臥位での持続的な頸部伸展位の保持

4: 尖足予防のための夜間装具の装着

5: Squeezingによる排痰

第41回午前:第63問

乳癌術後の合併症で誤っているのはどれか。  

1: 術直後からの肩関節運動は浸出液を増加させる。

2: 術後は肩関節内旋が制限されやすい。

3: 上腕内側の異常感覚を合併することが多い。

4: 腋窩リンパ節廓清は肩関節拘縮の危険因子である。

5: リンパ浮腫は感染を契機に増悪しやすい。

第42回午前:第19問

35歳の女性。四肢のしびれで発症し、視力障害、不全四肢麻痺、体性感覚障害および息苦しさの増悪と寛解を繰り返した。小脳症状はない。MRIでは脳脊髄白質に多発性・散在性の脱髄斑が認められた。理学療法で適切なのはどれか。  

1: 胸郭の可動性拡大運動

2: ボルグ指数で「きつい」運動

3: しびれに対するホットパック

4: 水温38~39℃の水中歩行訓練

5: 下肢に重錘を装着しての歩行訓練

第36回午前:第32問

55歳の女性。若年時から跛行がある。ここ数年で右股関節痛が増悪し来院した。運動麻痺、感覚障害はなく、整形外科的手術の既往もない。背臥位、膝屈曲位で図のような肢位がみられた。異常がみられない評価項目はどれか。 

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1: 股関節の関節可動域

2: 棘果長

3: 下肢の徒手筋力テスト

4: 下肢深部腱反射

5: 大腿周径

第49回午後:第18問

87歳の女性。転倒による大腿骨近位部骨折に対する手術後。理学療法を行っているが、筋力増強の効果が不十分で全身の持久性も低下している。下肢の浮腫を認めたため主治医へ報告したところ、栄養障害はあるが内科的な併存症はないといわれた。理学療法を行う上で、特に参考となる血液検査所見はどれか。  

1: アルカリフォスファターゼ

2: クレアチニン

3: 空腹時血糖

4: アルブミン

5: 赤血球

第57回午前:第1問

47歳の女性。抗リン脂質抗体症候群の既往がある。右変形性膝関節症に対して高位脛骨骨切り術を3日前に受けた。右大腿部から足部まで発赤を伴う腫脹を認め、Homans徴候陽性である。術後に実施した主な血液検査の結果を表に示す。術後の合併症として考えられるのはどれか。 

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1: 蜂窩織炎

2: リンパ浮腫

3: 化膿性関節炎

4: うっ血性心不全

5: 深部静脈血栓症

第48回午前:第11問

38歳の女性。32歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週前に痙縮を伴った上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。  

1: 超音波療法

2: 赤外線療法

3: 低周波療法

4: ホットパック

5: パラフィン療法

第40回午前:第14問

40歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。最近、肺炎を2回起こしている。この患者の調理動作として適切でないのはどれか。  

1: 皮むき器で大根の皮をむく。

2: 電子レンジで食品を温める。

3: ざるを用いてめん類をゆでる。

4: 台ふきんで調理台をふく。

5: 調理用ハサミで野菜を切る。

第54回午後:第9問

38歳の女性。32歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。  

1: TENS

2: 超音波療法

3: 赤外線療法

4: ホットパック

5: パラフィン療法

  • 答え:1
  • 解説:この問題では、多発性硬化症の痙縮治療に適切な方法を選択することが求められています。選択肢の中で、TENS(体表面上から神経に電気刺激を加える治療法)が痙縮の改善効果があり、多発性硬化症にも有用であるため、正しい選択肢です。
  • TENSは、体表面上から神経に電気刺激を加えることで、疼痛軽減をはかる治療法です。高頻度のTENSは、痙縮の改善効果があり、多発性硬化症にも有用であるため、正しい選択肢です。
  • 超音波療法は、温熱作用による血流増加、組織代謝亢進、組織伸展性促進、筋スパズムや疼痛軽減、機械的刺激作用による膜透過性促進、微小循環改善、細胞活性・代謝亢進、脂質代謝・蛋白発現の制御効果がありますが、温熱作用が中心のため、Uhthoff現象のリスクがあるため、このケースでは適切ではありません。
  • 赤外線療法は、近赤外線や遠赤外線などがあり、温熱作用により血流改善効果があるものの、Uhthoff現象のリスクがあるため、このケースでは適切ではありません。
  • ホットパックは、鎮痛や血管拡張、皮膚や筋などの軟部組織の伸張性増大効果がありますが、温熱作用が中心のため、Uhthoff現象のリスクがあるため、このケースでは適切ではありません。
  • パラフィン療法は、血管拡張に伴う血流増加による鎮痛、消炎、浮腫抑制、皮膚痛覚受容器の閾値低下、筋紡錘機能の低下による痙縮抑制、関節拘縮の予防・改善効果がありますが、温熱作用が中心のため、Uhthoff現象のリスクがあるため、このケースでは適切ではありません。
  • 科目:神経筋疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午後:第14問

87歳の女性。転倒して左股関節痛を訴え、入院となった。受傷後2日目に後方侵入法で手術を受けた。術後のエックス線写真を示す。正しいのはどれか。 

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1: 臥床時には股関節を内転位に保つ。

2: 靴下の着脱は股関節外旋位で行う。

3: 術後1週から大腿四頭筋セッティングを開始する。

4: 術後2週から中殿筋の筋力トレーニングを開始する。

5: 術後3か月は免荷とする。