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理学療法士国家試験
骨関節障害と臨床医学
解説
アキレス腱断裂は、主に30~40歳代のスポーツ活動中に受傷することが多い。高齢者では日常活動での転倒時に受傷が多い。治療には固定や安静が必要で、術後2週後から患側の足関節可動域訓練を行う。ステロイド注射は疼痛を抑えるが、アキレス腱の組織を弱化させるため、アキレス腱断裂を起こすことがある。
選択肢別解説
つま先立ちは、大きな力を必要とするため、アキレス腱断裂の場合は不可能である。足関節底屈は足趾の屈筋群の作用により可能である。
アキレス腱断裂の受傷好発年齢は10歳代ではなく、30~40歳代である。この年代ではスポーツ活動中に受傷することが多い。
高齢者では日常活動での転倒時にアキレス腱断裂が多く発生するため、この選択肢は正しい。
術直後は、固定および安静が必要であり、患側の足関節可動域訓練は行わない。術後2週後から自動での関節可動域訓練を実施する。
ステロイド注射は疼痛を抑えることができるが、アキレス腱の組織を弱化させ、アキレス腱断裂を起こす可能性があるため、予防にはならない。
解説
骨形成不全症は遺伝性疾患であり、易骨折性、青色強膜、難聴が三徴候である。また、胸郭、脊柱、四肢の弯曲変形が多く見られる。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。骨形成不全症は遺伝性疾患であり、常染色体優性遺伝と常染色体劣性遺伝のどちらもみられる。
選択肢2は正しいです。骨形成不全症の三徴候は易骨折性、青色強膜、難聴であり、聴覚障害を合併することがある。
選択肢3は間違いです。骨形成不全症では胸郭、脊柱、四肢の弯曲変形が多く見られる。
選択肢4は間違いです。骨折の頻度は歩行の不安定な小児期に多く、思春期以降に骨折の頻度が減少する。
選択肢5は間違いです。骨形成不全症の有病率は、出生2万人あたり1~2人の割合である。
解説
原発性骨粗鬆症は、閉経後の女性に多く、骨代謝が速い海綿骨の減少を伴います。喫煙や飲酒は危険因子となりますが、血清カルシウムやリンは正常です。骨折好発部位は大腿骨近位部や椎体です。
選択肢別解説
原発性骨粗鬆症は閉経後の女性に多いため、男性に多いというのは誤りです。
海綿骨は骨代謝が速いため、原発性骨粗鬆症では骨量の減少を伴います。この選択肢は正しいです。
喫煙は原発性骨粗鬆症の危険因子であり、飲酒も危険因子となります。この選択肢は正しいです。
原発性骨粗鬆症では、血清カルシウムおよびリンは正常であり、低カルシウム血症を伴わないため、この選択肢は誤りです。
原発性骨粗鬆症の骨折好発部位は大腿骨近位部および椎体であり、尺骨ではないため、この選択肢は誤りです。
解説
腰部脊柱管狭窄症は、主に加齢による変性が原因で、臀部から下肢への痺れや疼痛、脱力が症状として現れる。間欠性跛行が特徴的で、腰椎前屈で神経圧迫が軽減される。
選択肢別解説
先天発症ではなく、加齢による変性が腰部脊柱管狭窄症の主な原因であるため、選択肢1は誤りです。
内反尖足は下腿三頭筋の筋緊張の亢進により生じる症状であり、腰部脊柱管狭窄症とは関係がないため、選択肢2は誤りです。
腰部脊柱管狭窄症は、歩行により間欠性跛行を生じることが特徴的であるため、選択肢3が正しいです。
腰部脊柱管狭窄症では、腰椎後屈で症状が増強し、腰椎前屈で神経圧迫が軽減されるため、選択肢4は誤りです。
腰部脊柱管狭窄症では、下肢の深部腱反射は消失または減弱することが一般的であり、亢進することはないため、選択肢5は誤りです。
解説
腱板断裂の範囲の把握に最も有用な検査はMRIである。MRIは損傷範囲や小さな断裂も把握が可能で、腱板の状態を詳細に評価できるため使用されている。
選択肢別解説
MRIは、腱板断裂の範囲の把握に最も有用な検査である。損傷範囲や小さな断裂も把握が可能で、腱板の状態を詳細に評価できるため使用されている。
単純CTでは、腱板の状態が把握しづらい。腱板は軟部組織であり、単純CTでは骨構造が主に評価されるため、腱板断裂の範囲の把握には適していない。
血管造影は、血管や腫瘍の状態を確認するための検査である。腱板断裂の範囲の把握には適していない。
単純エックス線では、腱板自体が写らないため把握できない。腱板は軟部組織であり、単純エックス線では骨構造が主に評価されるため、腱板断裂の範囲の把握には適していない。
骨シンチグラフィーは、癌の骨転移の状態を確認するための検査である。腱板断裂の範囲の把握には適していない。
解説
この問題では、切断に関連する拘縮や変形について正しい選択肢を選ぶことが求められています。正しい選択肢は3で、Chopart関節離断では足内反変形を生じやすいことが述べられています。
選択肢別解説
選択肢1は間違いです。上腕切断(短断端)では、拘縮を生じにくいのが一般的です。
選択肢2は間違いです。前腕切断(中断端)では、拘縮を生じにくいのが一般的です。
選択肢3は正しいです。Chopart関節離断では、尖足や足内反変形を生じやすいです。これは、背屈筋群の腱がすべて付着部より中枢部で切断されるのに対し、底屈の主動作筋である下腿三頭筋が残存するためです。
選択肢4は間違いです。Lisfranc関節離断では、尖足や足内反変形を生じやすいです。これは、背屈の主動作筋である前脛骨筋腱が切断されるのに対し、底屈の主動作筋である下腿三頭筋と、内反の主動作筋である後脛骨筋が残存するためです。
選択肢5は間違いです。大腿切断(標準切断)では、股関節屈曲、外転、外旋拘縮を生じやすいです。これは、内転筋群や、大腿筋膜張筋、薄筋などの内旋筋群、伸展の主動作筋であるハムストリングスなどが切断されるのに対し、外転、外旋、屈曲筋群が残存するためです。
解説
この問題では、骨折の名称とそれに対応する部位を正しく組み合わせることが求められています。正しい組み合わせは、Galeazzi骨折と橈骨、Jefferson骨折と環椎です。
選択肢別解説
Cotton骨折は大腿骨ではなく、足関節果部の骨折です。この選択肢は間違いです。
Dupuytren骨折は第1中手骨ではなく、足関節内果骨折、遠位脛腓関節の離開、腓骨骨幹部または頸部の螺旋状骨折を合併したものです。この選択肢は間違いです。
Galeazzi骨折は正しく、橈骨骨幹部遠位1/3の骨折、遠位橈尺関節の脱臼を合併したものです。この選択肢は正しいです。
Jefferson骨折は正しく、環椎の粉砕骨折です。この選択肢は正しいです。
Straddle骨折は上腕骨ではなく、骨盤の恥骨と坐骨の骨折です。この選択肢は間違いです。