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臨床工学技士国家試験
解説
核医学画像(SPECT・PET)は体内に投与した放射性医薬品から放出される放射線を検出して機能画像を得る。SPECTは放出されたγ線をコリメータ付きガンマカメラで検出して断層再構成するため、X線CT(サブミリ級)に比べ空間分解能は劣るが、心筋血流など機能評価に有用である。PETは陽電子放出核種(例:18F, 11C など)を用い、陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keVのγ線を同時計数して画像化する。FDG-PETは糖代謝亢進部位に集積する性質を利用し、がん診断に有用である。一方、SPECTは中性子線を検出する装置ではなく、検出対象はγ線であるため、「SPECTは中性子線を検出する」は誤りである。
選択肢別解説
正しい。核医学画像(SPECT・PET)は物理的制約(コリメータや同時計数など)により空間分解能がX線CTより低い。CTはサブミリ級の高分解能に対し、核医学では一般に数mm〜1 cm程度であり、形態描出は苦手だが機能評価に優れる。
正しい。SPECTでは201Tlや99mTc標識製剤(MIBI、Tetrofosminなど)を用いて心筋灌流(血流分布)を評価でき、虚血の有無や範囲の把握に用いられる。
正しい。FDG-PETは18F-FDGが糖代謝の高い病変(多くの悪性腫瘍)に集積する性質を利用し、がんの診断・病期評価・治療効果判定などに有用である。
誤り。SPECTは放射性医薬品から放出されるγ線をシンチレーション検出器とコリメータで検出して画像化する装置であり、中性子線は検出対象ではない。
正しい。PETは陽電子放出核種(例:18F, 11C, 13N, 15O)を用い、陽電子が電子と対消滅して生じる2本の511 keVのγ線を同時計数して画像化する。
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解説
PETは陽電子放出核種(11C, 13N, 15O, 18F など)を用い、放出された陽電子が体内の電子と対消滅して生じる2本の511 keVの$\gamma$線を、リング状に配置したシンチレータ検出器で同時(同時計数)に捉える。同時計数で得られた検出器対を結ぶ線(Line of Response; LOR)上に放射能が存在するとみなして投影データを集め、画像再構成により断層像を得る。PETでは幾何学的選別にコリメータを用いず、同時計数で指向性を担保する。一方、SPECTはコリメータで入射方向を選別する。PET核種は半減期が概して短く(例: 11C 約20分、18F 約110分)、一般的なSPECT核種(例: 99mTc 約6時間、123I 約13時間など)より短い。空間分解能はPETで数mm(おおむね3〜5 mm)とされ、サブミリ級のX線CTに比べて低い。
選択肢別解説
誤り。PETで画像化に用いるのは陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keVの$\gamma$線であり、互いにほぼ180°反対方向に放出される。「1個のガンマ線が出る」はPETの原理と合致しない。
誤り。PETではコリメータは使用せず、シンチレータ(BGO、LSO、GSO など)と光検出器で$\gamma$線を検出し、対向検出器ペアの同時計数により方向情報を得る。コリメータを用いて入射方向を選別するのはSPECTである。
正しい。被検体周囲の検出器で、同時刻(時間窓内)に検出された2本の$\gamma$線の検出位置を結ぶLOR上に放射能が存在するとして投影データを収集し、再構成して断層像を得る(同時計数法)。
正しい。PET核種(例: $^{11}$C 約20分、$^{18}$F 約110分、$^{13}$N 約10分、$^{15}$O 約2分)は、一般的なSPECT核種(例: $^{99\mathrm{m}}$Tc 約6時間、$^{123}$I 約13時間、$^{201}$Tl 約73時間など)に比べ半減期が短い。
正しい。PETの空間分解能はおおむね3〜5 mm程度で、X線CTのサブミリ(約0.3〜0.6 mm程度)と比べて低い。したがって記述は正しい。
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解説
PETは陽電子放出核種を標識した放射性医薬品を投与し,陽電子が体内の電子と対消滅して生じる2本の511 keV消滅γ線を同時計数して画像化する装置である。代表的薬剤のFDGはブドウ糖類似体で,組織の糖取り込み・糖代謝活性を反映する。PETで用いる核種(例:$^{11}\mathrm{C}$約20分,$^{13}\mathrm{N}$約10分,$^{15}\mathrm{O}$約2分,$^{18}\mathrm{F}$約110分)は,SPECT核種(例:$^{99\mathrm{m}}\mathrm{Tc}$約6時間,$^{123}\mathrm{I}$約13時間など)より概して半減期が短く,多くはサイクロトロンで製造される。被曝については,PET単独の有効線量は一般に数mSv〜10 mSv弱であり,標準的なX線CTの被曝より小さいか同程度である(PET/CTではCT分が加算される)。
選択肢別解説
誤り。PETは放射性医薬品から放出された陽電子が周囲の電子と対消滅して生じる2本の511 keVのγ線(消滅放射線)を同時計数して画像化する。電子線(ベータ線)そのものを検出するわけではない。
正しい。代表的なFDG-PETでは,グルコース類似体であるFDGが細胞に取り込まれリン酸化後に代謝回路へ進みにくく細胞内に留まる性質を利用し,組織の糖取り込み・糖代謝活性を評価できる。
正しい。PET核種($^{11}\mathrm{C}$約20分,$^{13}\mathrm{N}$約10分,$^{15}\mathrm{O}$約2分,$^{18}\mathrm{F}$約110分など)はSPECT核種($^{99\mathrm{m}}\mathrm{Tc}$約6時間,$^{123}\mathrm{I}$約13時間,$^{201}\mathrm{Tl}$約73時間など)に比べ半減期が短い。
正しい。陽電子放出核種(例:$^{18}\mathrm{F}$, $^{11}\mathrm{C}$, $^{15}\mathrm{O}$など)は通常サイクロトロンで製造される(ジェネレータ由来の例もあるが,サイクロトロンの使用は一般的)。
誤り。PET単独の有効線量は一般に標準的なX線CT検査より小さいか同程度である。なおPET/CT検査ではCTによる被曝が加算されるため,トータルの被曝は条件により増える。
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解説
核医学画像(SPECT・PET)は体内に投与した放射性医薬品から放出される光子(γ線、PETでは陽電子消滅に伴う511 keVの消滅放射線)を体外検出して画像化する機能イメージングである。したがってα線は検出対象ではない。空間分解能はCT/MRIに比べて劣り、臨床PETで概ね4〜6 mm、SPECTで7〜12 mm程度が一般的で、1 mmは不適切である。PETは18F-FDGなどを用いて糖代謝を可視化でき、糖代謝亢進を示す多くの悪性腫瘍の検出に有用である。一方、SPECTは主に血流や受容体など機能評価に用いられ、微細な構造変化である組織線維化そのものを直接画像化する手法としては一般的でない。
選択肢別解説
誤り。核医学画像で体外検出するのはγ線(SPECT)や陽電子消滅に伴う511 keVの消滅放射線(PET)であり、α線は飛程が極めて短く体内で止まるため体外検出には適さない。
誤り。核医学の空間分解能はCT/MRIより低く、臨床PETで約4〜6 mm、SPECTで約7〜12 mm程度が一般的である。1 mm程度という高分解能は核医学の範囲を超えており不適切。
正しい。FDG-PETはグルコース類似体である18F-FDGの集積を利用し、糖代謝が亢進する多くの悪性腫瘍で高集積を示すため、腫瘍の存在検出に有用である(炎症などで偽陽性・低代謝腫瘍で偽陰性がありうる点には注意)。
正しい。PETは18F-FDGなどのトレーサを用いて体内の糖代謝(ブドウ糖取り込み)を画像化できる。FDG-PETは全身の糖代謝分布を可視化する代表的手法である。
誤り。SPECTは主に血流・受容体・代謝などの機能情報を評価する。組織線維化のような微細な構造変化を直接画像化する目的には一般的でなく、SPECTで線維化を得るとは言い難い。
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解説
核医学検査は、体内に投与した放射性医薬品(RI)から体内で放出される放射線(主に\gamma線)を体外の検出器で捉え、臓器の機能や代謝を画像化する機能画像検査である。PETは陽電子放出核種(例: $^{18}$F)を用い、陽電子と電子の対消滅で生じる511 keVの2本の\gamma線を同時計数して再構成するため、糖代謝の評価($^{18}$F-FDG)や3次元画像の取得が可能である。SPECTはガンマカメラを回転させて全周からデータ収集し、脳血流(例: $^{123}$I-IMP、99mTc-HMPAO、99mTc-ECD など)を含む機能情報を断層再構成する。体外から照射したX線で画像化するCTとは原理が異なる。
選択肢別解説
正しい。PETでは$^{18}$Fで標識したフルオロデオキシグルコース($^{18}$F-FDG)などを用い、ブドウ糖取り込みと代謝の指標を画像化できる。腫瘍など糖代謝が亢進する部位で集積が増加する。
誤り。核医学検査は体内に投与したRIから放出される放射線を体外で検出して画像化する。体外から放射線を照射して画像化するのはX線CTや透視などであり、核医学の原理ではない。
誤り。PETは陽電子($\beta^+$)放出核種を用いるが、検出しているのは陽電子と電子の対消滅で生じる511 keVの\gamma線である。SPECTも\gamma線を検出する。$\beta$線自体は体内で短距離で減弱するため画像化に直接用いない。
正しい。SPECTは回転ガンマカメラで収集したデータから断層再構成し、$^{123}$I-IMPや99mTc-HMPAO/ECDなどを用いて脳血流分布を画像化できる。
正しい。PETはリング状検出器の同時計数データから断層再構成を行い、放射能分布の3次元画像(ボリューム)を得る。現在の装置は3D収集が一般的である。
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解説
核医学画像は体内に投与した放射性医薬品から放出される放射線を体外の検出器で測り、機能分布を断層再構成して得る画像である。SPECTは核種から放出される$\gamma$線を測定し、脳血流などの機能評価に用いられる。PETは陽電子放出核種が体内で電子と対消滅して生じる一対の511 keV $\gamma$線を同時計数し、3次元画像として再構成する。代表例として${}^{18}\text{F}$-FDGを用いたFDG-PETでは糖代謝分布を評価できる。したがって、PETで糖代謝撮像が可能、SPECTで脳血流撮像が可能、PETで3次元画像が得られる、はいずれも正しい。一方、外部照射で画像化するのはX線CTなどであり核医学ではない。測定対象は$\gamma$線であって$\beta$線そのものは直接測定しない。
選択肢別解説
正しい。${}^{18}\text{F}$で標識したフルオロデオキシグルコース(${}^{18}\text{F}$-FDG)を用いるFDG-PETにより、組織の糖代謝分布を画像化できる。腫瘍や炎症で取り込みが高くなる特徴を利用する。
誤り。核医学は体内に投与した放射性核種から放出される放射線を体外で検出して画像化する。体外から放射線を照射して透過像を得るのはX線撮影やCTであり、核医学の方式とは異なる。
誤り。SPECTは核種からの$\gamma$線、PETは陽電子と電子の対消滅で生じる511 keVの$\gamma$線の同時計数を測定対象とする。$\beta$線(電子・陽電子)自体は体内で減弱し外部検出できないため直接は測らない。
正しい。SPECTは脳血流分布の撮像に広く用いられ、${}^{99\text{m}}\text{Tc}$-HMPAOや${}^{99\text{m}}\text{Tc}$-ECDなどの脳血流トレーサを用いて脳の血流量に関する機能画像を得ることができる。
正しい。PETはリング状検出器で同時計数した投影データから断層再構成を行い、3次元画像(3D収集・再構成)を得ることができる。2Dに比べ高感度化が可能である。
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解説
核医学画像(PET/SPECT)は体内で放出される$\gamma$線を外部検出して画像化する計測法で、定量性の確保には散乱補正と吸収(減弱)補正が不可欠である。PETは陽電子放出核種を用い、陽電子と電子の対消滅で生じる2本の511 keV $\gamma$線を同時計数する。一方SPECTは単一光子放出核種の$\gamma$線を回転測定して断層再構成し、3次元画像を得る。空間分解能は、臨床PETでおおむね4~6 mm(最新機で約3~4 mm)であり、X線CTのサブミリ(約0.3~0.6 mm程度)より明らかに劣る。よって「PETの空間分解能はX線CTと同程度である」は誤りで、他の選択肢は核医学計測の正しい記述である。
選択肢別解説
誤り。PETの空間分解能は臨床機でおおむね4~6 mm(最新TOF-PETで約3~4 mm)で、X線CTのサブミリ(約0.3~0.6 mm)より劣る。PET分解能が制限される主因は、陽電子飛程、対消滅$\gamma$線の非完全180°性(非直線性)、検出器素子サイズ・深さ依存などである。したがってCTと同程度とはいえない。
正しい。PETは陽電子放出核種から放出された陽電子が体内の電子と対消滅して生じる2本の511 keV $\gamma$線を、ほぼ180°反対方向に同時検出(同時計数)してイベントを確定する。
正しい。SPECT(単光子放出型断層撮影)は$\gamma$カメラを回転させて各方向から単一光子を収集し、再構成(FBPや逐次近似)により断層像を得るため、体内分布を3次元的に画像化できる。
正しい。体内でのコンプトン散乱により$\gamma$線の方向やエネルギーが変化し、画質劣化や定量誤差を生じるため、エネルギーウィンドウ法やモデルベース法などで散乱補正が必要となる。
正しい。体内組織による$\gamma$線の吸収・減弱により計数が減少し、真の放射能分布が過小評価されるため、減弱補正(CT減弱マップや透過線源を用いた補正)が必須である。
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解説
核医学画像は、体内に投与した放射性医薬品(RI)から体外へ放出されるガンマ線を外部検出器で測定して画像化する。ガンマカメラが得るのは二次元の平面像(投影像)であり、断層像ではない。断層像は多方向投影から再構成するSPECTや、消滅放射線を同時計測して再構成するPETで得られる。PETの撮像時間は用いる核種の半減期や生体内動態により実質的に制約され、腫瘍の代謝評価(FDGなど)やSPECTによる脳血流イメージングが代表的応用である。本問で誤っているのは「ガンマカメラの画像は断層像である」。
選択肢別解説
正しい。核医学検査(ガンマカメラ、SPECT、PET)は体内に分布したRIから体外へ放出されるガンマ線を測定して画像化する。PETでは陽電子消滅に伴う511 keVの消滅ガンマ線の同時計測を用いる。
誤り。ガンマカメラが得る画像は深さ方向の情報が重なった二次元の平面像(シンチグラフィ)であり、断層像ではない。断層像を得るには、回転収集して再構成するSPECTやPETを用いる。
概ね正しい。PETの撮像可能時間は用いる核種の物理的半減期に強く制約され、放射能は時間とともに減衰する(例:$N(t)=N_0\cdot 2^{-t/T_{1/2}}$)。実際には生物学的洗い出しや装置感度・必要カウントも関与するが、半減期が主要因である。
正しい。腫瘍は一般に糖代謝が亢進しており、$^{18}$F-FDGなどを用いたPETで腫瘍の描出・評価が可能である。
正しい。SPECTでは99mTc-HMPAOや99mTc-ECDなどを用いて脳血流分布(脳血流量の相対評価)を画像化できる。
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解説
PETは陽電子放出核種(例: 18F、11C、13N、15O など)を体内に投与し、放出された陽電子が近傍の電子と対消滅して生じる2本の511 keV消滅γ線を同時計数(コインシデンス)で検出して断層画像化する技術である。検出しているのはβ線(陽電子そのもの)ではなく、対消滅で生じたγ線である点が本質であり、「PETはβ線を検出して画像化する」は誤りとなる。FDG-PETはブドウ糖類似体のFDGが代謝により細胞内に取り込まれリン酸化後にトラップされる性質を利用し、糖代謝が高い組織(腫瘍、脳、心筋など)を描出する。陽電子は電子と同じ質量で正電荷を持ち、遭遇すると(しばしばポジトロニウムを経て)対消滅し、2本の511 keVγ線を放出する。核種は一般にサイクロトロンなどの加速器で製造される(短半減期のため院内もしくは近傍での製造が多い)。
選択肢別解説
正しい。PETで用いる代表的な陽電子放出核種(18F、11C など)は半減期が短く、一般にサイクロトロン(加速器)で製造される。したがって「加速器を用いて作った核種を生体に投与する」は妥当な記述である。
誤り。PETはβ線(陽電子そのもの)を検出していない。陽電子が電子と対消滅したときに生じる2本の511 keV消滅γ線を同時計数で検出し画像化する。したがって記述は不正確で誤り。
正しい。FDGはブドウ糖のアナログで、細胞に取り込まれヘキソキナーゼによりリン酸化されるが、その後の代謝が進みにくく細胞内にトラップされる。糖代謝が高い組織(腫瘍、脳、心筋など)により多く集積し、FDG-PETで高集積として可視化される。
正しい。陽電子(ポジトロン)は電子の反粒子であり、質量は電子と等しいが電荷は+eである。記述は適切。
正しい。陽電子は物質中で電子と遭遇すると(しばしばポジトロニウムを形成したのち)対消滅し、2本の511 keVのγ線が放出される。「結合して消滅する」という表現は対消滅過程を指しており妥当。
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解説
誤りは「PETはX線CTよりも画像の解像度が高い。」である。PETは体内で放出される放射線を検出して代謝・機能情報を画像化する装置で、空間分解能は一般に数ミリ(装置や条件によるがおおむね4〜6 mm程度)であり、サブミリメートルの分解能が得られるX線CTより低い。CT値は水を0 HUとする相対指標で、脂肪は負(約−100 HU)、筋肉は正(約30〜60 HU)を示すため、筋肉の方が高い。ディジタルX線画像は医用画像の標準規格DICOMで保存・通信されるのが一般的である。MRIではRF励起後、縦磁化の回復(T1緩和)と横磁化の減衰(T2緩和)が同時に進行する。SPECTはガンマカメラを回転させ投影像から再構成して断層像を得る。
選択肢別解説
誤り。PETの空間分解能は一般に数ミリ(おおむね4〜6 mm程度)で、サブミリメートルの高解像度が得られるX線CTより低い。したがって「PETの方が解像度が高い」は不正確。PETは形態より機能評価に強みがある。
正しい。CT値(HU)は水=0を基準とし、脂肪は約−100 HU、筋肉は30〜60 HU程度とされるため、脂肪より筋肉の方が高いCT値を示す。
正しい。DICOMは医用画像の保存・通信の標準規格であり、ディジタルX線画像もPACS等でDICOM形式として扱うのが標準的である(ベンダ独自形式が内部処理で用いられる場合はあるが、臨床運用の保存・共有はDICOM)。
正しい。MRIではRFパルスによる励起後、縦磁化の回復(T1緩和)と横磁化の減衰(T2緩和)が時間定数の異なる過程として同時に進行する。これらの組み合わせがコントラストを規定する。
正しい。SPECT(単一光子放射断層撮影)はガンマカメラを回転させて多方向の投影データを取得し、再構成によって断層像(トモグラム)を得る。
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解説
PETは陽電子放出核種を体内に投与し、放出された陽電子($\beta^+$)が組織内の電子と対消滅して生じる2本の511 keVの$\gamma$線を同時計数(コインシデンス)して画像化する装置である。したがって検出対象は陽電子そのものではなく対消滅$\gamma$線である。FDG-PETでは$^{18}\text{F}$-FDGにより糖代謝の高い組織(腫瘍、脳、炎症部位など)が強く描出される。陽電子は電子の反粒子で、質量は同じで電荷の符号が反対であり、両者は相互作用して消滅し511 keVの$\gamma$線を放出する。
選択肢別解説
正しい。PETで一般的に用いられる陽電子放出核種(例:$^{18}\text{F}$, $^{11}\text{C}$, $^{13}\text{N}$, $^{15}\text{O}$)は半減期が短く、サイクロトロン(加速器)で生成され臨床に用いられる。
誤り。PETは$\beta$線(陽電子)自体を検出せず、陽電子が電子と対消滅した際に放出される2本の511 keVの$\gamma$線を同時検出して画像化する。したがって「$\beta$線を検出して画像化する」は不正確である。
正しい。$^{18}\text{F}$-FDGはブドウ糖類似体で、糖代謝が亢進した組織に取り込まれやすく、腫瘍や活動性炎症、脳皮質などが高集積として可視化される。
正しい。陽電子($e^+$)は電子($e^-$)の反粒子で、質量(約511 keV/$c^2$)やスピンは同じで、電荷の符号のみが反対である。
正しい。陽電子は物質中で減速した後、近傍の電子と相互作用して対消滅を起こし、互いにほぼ180度反対方向に飛ぶ2本の511 keVの$\gamma$線を放出する。PETはこの現象を利用している。
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