第56回午後第44問の類似問題

第42回午前:第37問

25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者への作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 社会的な役割の体験

2: 試行錯誤の作業体験

3: 作業援助を受ける体験

4: 作業活動による成功体験

5: 自己肯定感を高める体験

第47回午後:第46問

精神科デイケアについて正しいのはどれか。  

1: 学童も対象になる。

2: 保険診療の対象ではない。

3: 在宅高齢者は対象ではない。

4: グループホーム利用者は対象ではない。

5: 対象疾患で最も多いのは認知症である。

第38回午前:第27問

42歳の男性。精神分裂病(統合失調症)。25歳時に「お前は泥棒だ」という声が聞こえるようになり初回入院した。今回も幻聴と被害妄想が出現し3回目の入院。入院5週目で病状は落ち着き作業療法が依頼された。疲れやすさと抑うつ傾向が目立つ。開始後まもなく「退院して就職したい」と言ってきた。作業療法士の対処として適切でないのはどれか。  

1: 職種の検討

2: ストレス対処技能の訓練

3: 方針確認の会議の開催

4: 現在の障害の確認

5: 主治医との話し合い

第42回午後:第72問

高齢患者の特徴で誤っているのはどれか。  

1: 症状が非定型的である。

2: 精神症候を伴いやすい。

3: 合併症を伴いやすい。

4: 検査所見での個人差が少ない。

5: 予後に心理社会的要因が影響しやすい。

第45回午前:第42問

統合失調症患者が作業中に立ったり座ったりする、そわそわと落ち着かない行動はどれか。  

1: パーキンソニズム

2: ジスキネジア

3: アカシジア

4: ジストニア

5: チック

第50回午前:第14問

20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。  

1: 身体表現性障害

2: 気分変調性障害

3: 統合失調感情障害

4: 演技性パーソナリティ障害

5: 境界性パーソナリティ障害

第41回午前:第80問

認知症の作業療法の対応で適切なのはどれか。  

1: 活動中は詳細な指示を行う。

2: 休息のタイミングを管理する。

3: 新しい活動を用意する。

4: 患者同士の共同作業は避ける。

5: テンポを速くして短時間で終わらせる。

第37回午前:第90問

思考障害の強い精神分裂病(統合失調症)患者に対する作業適用で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.手順が明確な作業イ.非構成的な作業ウ.自己判断で進める作業エ.問題解決的な作業オ.反復的な作業  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第40回午前:第31問

21歳の男性。統合失調症。高校2年ころから男女の声の幻聴や注察妄想が出現。精神科クリニックに通院しながら高校卒業。浪人2年目、突然予備校をやめて自室に閉じこもるようになった。家人に暴力を振るうなど問題行動が重なり、精神科病院へ入院した。1か月後、作業療法に参加となった。参加2週ころから女性患者と仲良くなり、プログラム中に抱きつくなど目に余る行動がでてきた。男性患者への適切な対処はどれか。  

1: そのまま経過を観察する。

2: 他のメンバーから様子を聞く。

3: 直ちに男性患者の家族に連絡する。

4: 面接で男女の付き合い方を話し合う。

5: 作業療法を中断する。

第52回午前:第45問

発病後間もないうつ病患者への対応で適切なのはどれか。  

1: 気分転換になる活動を勧める。

2: 自殺についての話題は避ける。

3: 回復の可能性は高いことを強調する。

4: 心構えに問題があることを説明する。

5: 重大な決断は早く済ませるように促す。

第55回午後:第98問

うつ病の復職支援プログラムの内容として最も適切なのはどれか。  

1: 認知の歪みは修正しない。

2: 服薬自己管理の練習をする。

3: キャリア再構成の検討は行わない。

4: コミュニケーション能力の改善を図る。

5: 配置換えをしないことを前提に職場との連絡調整を行う。

  • 答え:4
  • 解説:うつ病の復職支援プログラムでは、生活リズムの立て直し、コミュニケーションスキルの獲得、職場ストレスへの対処法獲得を目的とするプログラムが行われるため、選択肢4が最も適切です。
  • 選択肢1は間違いです。うつ病の復職支援プログラムでは、認知行動療法を行い、再発予防のために認知や思考の歪みを修正することが重要です。
  • 選択肢2は間違いです。服薬自己管理の練習は、復職支援プログラムよりも前段階で行われるため、復職支援プログラムの内容としては不適切です。
  • 選択肢3は間違いです。うつ病の復職支援プログラムでは、必要に応じてキャリア再構成の検討も行うことがあります。
  • 選択肢4は正しいです。うつ病の復職支援プログラムでは、生活リズムの立て直し、コミュニケーションスキルの獲得、職場ストレスへの対処法獲得を目的とするプログラムが行われます。
  • 選択肢5は間違いです。うつ病からの復職では、必要に応じて配置換えを行うこともあるため、配置換えをしないことを前提にするのは不適切です。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第53回午前:第19問

26歳の女性。衝動的な浪費や奔放な異性交遊の後に抑うつ状態となり、リストカットを繰り返していた。常に感情が不安定で、空虚感や見捨てられることへの不安を訴える。職場での対人関係の悪化をきっかけに自殺企図が認められたため入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 患者の申し出に応じて面接を行う。

2: 初回面接で自殺企図について話し合う。

3: 攻撃性がみられた場合には治療者を替える。

4: 患者の希望に合わせてプログラムを変更する。

5: 治療目標や治療上の契約を繰り返し確認する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、境界性パーソナリティ障害の症状がある患者に対する作業療法で適切な方法を選ぶことが求められています。境界性パーソナリティ障害は、情緒の不安定性や自己の空虚感が目立つため、治療目標や治療上の契約を繰り返し確認することが適切です。
  • 患者の申し出に応じて面接を行うのは適切ではありません。パーソナリティ障害患者との面接は、時間や頻度などの枠組みを決めて行い、患者の希望に合わせることは避けるべきです。
  • 初回面接で自殺企図について話し合うのは適切ではありません。初回の面接では治療の枠組みについて説明し、行動のルールを話し合うべきです。自殺企図については、初回面接では話し合わない方が良いです。
  • 攻撃性がみられた場合に治療者を替えると、患者の感情の向くままに人を操作しようとするパーソナリティ障害の不適応な行動を助長する可能性があるため、適切ではありません。
  • 患者の希望に合わせてプログラムを変更するのは適切ではありません。導入時に取り決めた枠組みは、患者の希望だけで安易に変更してはならない。プログラムを変更する理由として、他者の意見を含む妥当的で合理的な理由がある場合には変更しても良いです。
  • 治療目標や治療上の取り決めを患者と繰り返し確認することは、患者に対して安定した枠組みを維持する点で適切であるため、この選択肢が正解です。
  • 科目:その他の精神障害
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第56回午前:第41問

統合失調症の急性期において、治療効果をみるのに最も適切なのはどれか。  

1: GHQ〈General Health Questionnaire〉

2: LSP〈Life Skills Profile〉

3: PANSS〈Positive and Negative Syndrome Scale〉

4: QLS〈Quality of Life Scale〉

5: SFS〈Social Functioning Scale〉

  • 答え:3
  • 解説:統合失調症の急性期において治療効果をみるのに最も適切なのはPANSS〈Positive and Negative Syndrome Scale〉である。これは、精神医学的評価であり、陽性症状と陰性症状の精神病理学との関係を推定する薬物感受性指標であり、統合失調症の急性期において薬物療法を含む治療効果をみることができる。
  • GHQ〈General Health Questionnaire〉は、心理健康状態の尺度であり、1970年代にGoldbergによって開発された。質問票はもともと60項目で開発されたが、その後に短縮版の質問票が利用可能である。統合失調症の急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • LSP〈Life Skills Profile〉は、基本的なライフスキルに関する消費者の能力を評価するために、オーストラリアの臨床研究グループによって開発された。その焦点は、臨床症状ではなく、消費者の一般的な機能と障害である。統合失調症の急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • PANSS〈Positive and Negative Syndrome Scale〉は、精神医学的評価であり、陽性症状と陰性症状の精神病理学との関係を推定する薬物感受性指標である。統合失調症の急性期において薬物療法を含む治療効果をみることができる。PANSSは陽性(P)、陰性(N)、および認知または一般精神病理学(G)の3つの要素で構成されている。このため、選択肢3が正しい。
  • QLS〈Quality of Life Scale〉は、統合失調症の患者の生活の質を評価するために、1984年にHeinrichs、Hanlon and Carpenterによって開発された。過去4週間以内に統合失調症患者の症候群を測定できる。半構造化された21項目のインタビューで構成され、各項目は0から6で評価する。統合失調症の急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • SFS〈Social Functioning Scale〉は社会機能の評価ツールである。SFSは、19項目の質問に選択的に答えることで評価値が得られ、専門的な知識をほとんど必要とせず、患者とその家族より聴取することができる。統合失調症の社会活動を支援する時期には評価として用いることができるが、急性期において治療効果をみるのには適していない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第42回午後:第100問

自閉症で正しいのはどれか。  

1: 乳児期の虐待(ネグレクト)が原因となる。

2: 20%に精神遅滞の合併がある。

3: 言語の意味理解が障害される。

4: 家庭ではほぼ問題なく会話できる。

5: 特定のものに対するこだわりがある。

第55回午後:第99問

解離性障害の治療として正しいのはどれか。  

1: 破壊的行動を許容する。

2: 空想の肥大化について指摘しない。

3: 有害な刺激を無理に取り除かない。

4: 速やかに心的外傷の直面化を図る。

5: 病気と治療について明確に説明する。

  • 答え:5
  • 解説:解離性障害の治療では、患者や家族に病気と治療について明確に説明することが重要です。治療環境を整え、破壊的行動や空想の肥大化に対処し、心的外傷への直面化には焦らず、患者の人格の発達を促すことが大切です。
  • 破壊的行動を許容するのではなく、行動制限を設けて患者の人格の発達を促すことが重要です。
  • 空想の肥大化について指摘しないのではなく、空想・幻想の肥大化や没入傾向を指摘し、適切な対処が必要です。
  • 有害な刺激を無理に取り除かないのではなく、安心できる治療環境を整えるために、有害なことが明確な刺激は取り除く必要があります。
  • 速やかに心的外傷の直面化を図るのではなく、患者のペースに合わせて人格の統合や心的外傷への直面化に取り組むことが適切です。
  • 解離性障害の症状は、患者本人や家族が十分に理解していないことがあるため、疾患についての知識や治療について明確に説明することが重要です。これが正しい選択肢です。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第54回午後:第96問

統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。  

1: 考想伝播

2: 作為体験

3: 妄想気分

4: 妄想知覚

5: 連合弛緩

  • 答え:3
  • 解説:統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状は、妄想気分です。妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。
  • 考想伝播は、自分の考えが他人に伝わると感じるもので、作為思考の一つです。この症状では、患者は自分の考えが他人に知られていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 作為体験は、自我意識の能動性が障害され、自分の思考・感情・行動が他人や外部の作用により支配されていると認識する症状です。患者は自分の行動が他者によって操作されていると感じますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 妄想気分は思考内容の障害で、「何か自分の周りでただごとではないことが起きる感じがする」などの思い込みが生じます。この症状は、統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴える症状で正しい選択肢です。
  • 妄想知覚は、正常な知覚がある場合に、それに対して突然了解不可能な特別な意味付けがなされ、それが強く確信されるものです。この症状では、患者は特定の知覚に対して異常な意味を見出しますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 連合弛緩は、患者の話はだいたいわかるがまとまりがない状態で、思考を構成する概念の間に関連性が乏しい症状です。この症状では、患者の話が支離滅裂になりますが、不安緊迫感を訴える症状ではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第52回午後:第100問

疾患と治療の組合せで正しいのはどれか。  

1: 身体化障害――――――――――系統的脱感作法

2: 強迫性障害――――――――――曝露反応妨害法

3: PTSD〈外傷後ストレス障害〉―フラッディング

4: 心気障害―――――――――――持続エクスポージャー法

5: 解離性健忘――――――――――バイオフィードバック法

第55回午前:第46問

気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患はどれか。  

1: 気分変調症

2: 血管性うつ病

3: 双極性障害

4: 適応障害

5: 非定型うつ病

  • 答え:3
  • 解説:気分安定薬は、再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患は双極性障害です。双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に現れる病気で、気分安定薬が効果的に働くことが知られています。
  • 気分変調症は、気分が不安定であることが特徴ですが、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患ではありません。
  • 血管性うつ病は、脳の血管障害が原因でうつ症状が現れる病気ですが、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患ではありません。
  • 双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に現れる病気で、気分安定薬が効果的に働くことが知られています。そのため、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患です。
  • 適応障害は、ストレスによって引き起こされる心の不調であり、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患ではありません。
  • 非定型うつ病は、通常のうつ病と比較し、良いことに対しては気分がよくなる、食欲は過食傾向で体重増加、過眠、ひどい倦怠感、他人からの批判に過敏などの特徴があります。薬物療法は、抗うつ薬が用いられることがあるが、うつ病ほどの効果は期待できないため、気分安定薬で再発の防止や頻度の減少が最も期待できる疾患ではありません。
  • 科目:気分障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第96問

精神遅滞(知的障害)の作業療法の目的で誤っているのはどれか。  

1: 日常生活動作の獲得を目指す。

2: 作業体験の機会を提供する。

3: 対人交流の練習をする。

4: ストレス対処法を学ぶ。

5: 自己洞察を促す。

第40回午前:第36問

23歳の女性。境界型人格障害。中学時代から対人関係が不安定で、不登校、家出、過量服薬、恋人との激しいけんかなどを繰り返してきた。今回、失恋を契機に睡眠薬自殺を図ったが、救命救急センターで意識回復し精神科へ入院した。左手首に数本の切創痕を認める。母親に甘えた態度をとったり、大声で怒鳴ったり、死にたいと言ったりする。治療目的で作業療法が依頼された。治療計画として適切でないのはどれか。  

1: 個別プログラムを設定する。

2: 欲求充足から実用性のある作業に移行する。

3: 自由度の高い作業場面を設定する。

4: 共同作業で所属感をもたせる。

5: 結果が明確な作業種目を選ぶ。