65歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。屋内歩行は伝い歩きをしている。薬物コントロールができ次第、退院予定である。運動機能維持を目的とした作業療法で優先順位が低いのはどれか。
70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。その後、興奮が落ち着き、作業療法室に定期的に通うようになった。今後の作業療法での留意点で適切なのはどれか。
1: 個室で作業を行う。
2: 薬物の作用を学習させる。
3: 病気の説明を繰り返し行う。
4: 作業手順を1工程ずつ説明する。
5: 長時間かけて仕上げる作業を課題に選ぶ。
72歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3。訪問リハビリテーションを行っている。最近、新たに後頸部痛と歩きにくさとを訴えている。この患者への対応として適切でないのはどれか。
1: 転倒予防の指導を行う。
2: 頸部の可動域運動を行う。
3: 調理の際に椅子の使用を勧める。
4: 高い枕を用いないよう指導する。
5: 柔らかいマットレスを避けるよう指導する。
40歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から2年で、下肢には軽度の痙性麻痺が認められ、膝折れやつまずきなどの歩行障害が出現している。上肢は筋萎縮が著明で食事や衣服着脱は全介助。構音障害も出現している。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 呼吸訓練
2: 上肢のROM訓練
3: 上肢の抵抗運動訓練
4: 立位バランス訓練
5: 短下肢装具での歩行訓練
軽度認知症を伴う保存的治療中の高齢骨折患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 病前生活、特に趣味などに関連した作業を行う。
2: 患者同士の交流ができる場面を設定する。
3: 日時、場所、ニュースなどの会話を心がける。
4: 固定中の関節には等張性運動を用いた作業で筋萎縮を防ぐ。
5: 局所の固定を妨げない関節には可動域訓練を行う。
68歳の女性。関節リウマチ。右利き。夫との2人暮らし。肩関節と肘関節とに可動域制限はない。膝関節痛の鎮痛のために座薬を用いている。手関節痛が強いときには夫が家事を行っているが、できるだけ自分でやりたいという気持ちが強い。手指の写真(A)とエックス線写真(B)とを示す。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 箸の使用を禁止する。
2: 家事の量を減らすことを指導する。
3: 上肢に対する筋力訓練は高負荷で行う。
4: 左母指IP関節にサック型固定装具を作製する。
5: 疼痛のある時期の手関節のROM訓練は他動で行う。
70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。この時期の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか。
1: 食事動作の維持
2: 精神的混乱の軽減
3: 廃用症候群の予防
4: 非言語的交流の活用
5: 福祉用具の適用評価
67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1: 幻視の訴えを正す。
2: 身体の活動量を減らす。
3: リズムのある反復動作は避ける。
4: 転倒しやすいことを本人に伝える。
5: 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩は可能で、会社へは電車で通勤している。最近ふらつきが多くなり、ときに転倒することがあるという。この患者に指導する内容として適切なのはどれか。
1: 背臥位でのストレッチ
2: 眼球運動による前庭刺激運動
3: 立位での下肢筋力増強
4: 外的リズムに合わせた平地歩行
5: T字杖を使用した応用歩行
78歳の女性。Alzheimer型認知症。物忘れが激しくなるに従い、何をするにも介護者である夫に頼り、そばを離れない状態となった。そのため、主治医にデイケアを勧められ、通所を開始した。在宅での生活を継続させるために作業療法で優先するのはどれか。
1: 体力の維持
2: 不安の軽減
3: 合併症の予防
4: 対人交流の拡大
5: ストレスの発散
81歳の女性。1人暮らし。1年前からたびたび鍋をこがしたり同じ内容の電話を何回もかけたりすることがあった。娘が自宅を訪ねると、冷蔵庫の中に同じ食材がたくさん詰め込まれており、室内に衣服が散乱していた。本人が生気のない表情で座り込んでいたため来院した。この患者が外来作業療法に通うことになった。この時期の作業療法の目的で優先されるのはどれか。
1: 作業遂行機能
2: 対人関係
3: 知的機能
4: 役割遂行
5: 環境適応
65歳の女性。左片麻痺。短下肢装具と杖で歩行が可能。発症後6か月経過し自宅に帰ることになった。家屋改造で適切でないのはどれか。
1: ①:玄関の上がりかまちに踏み台を置く。
2: ②:便器に向かって左側に手すりを設置する。
3: ③:浴室出入り口の右側に手すりを設置する。
4: ④:浴槽の向かって左側にトランスファーボードを置く。
5: ⑤:自室の出入り口を引き戸にする。
62歳の女性。約半年前から歩行中にふらつき、しゃべりにくいことに気付いていたが、最近これらの症状が悪化してきた。その他、四肢協調運動障害、頭部CTで小脳および脳幹萎縮を指摘されている。この症例の評価指標として適切でないのはどれか。
1: FBS
2: 踵膝試験
3: 鼻指鼻試験
4: FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
5: SARA〈scale for the assessment and rating test〉
82歳の女性。室内移動は手すりや家具を支えになんとか可能であったが、動きづらくなり、作業療法が依頼された。この患者が屋外でも使用できる車椅子はどれか。
45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習
80歳の女性。脳血管障害発症後5年、要介護2。杖歩行は自立しているが、転倒予防を目的に通所リハビリテーションでの理学療法が開始された。転倒リスクの評価として適切なのはどれか。
1: FBS
2: KPS〈Karnofsky performance scale〉
3: PGCモラールスケール
4: SIAS
5: WCST
54歳の女性。糖尿病性末梢神経障害。インスリンによる治療を受けている。低血糖発作の既往が指摘されている。作業療法中、この患者に現れる初期の低血糖症状で可能性が高いのはどれか。
1: 発汗
2: 複視
3: けいれん
4: 行動異常
5: 意識障害
45歳の女性。遠位型ミオパチー。下肢筋力低下が徐々に進行し両側の下垂足を認める。最近つまずいて転倒することや捻挫することが多くなり装具を検討し歩行の改善を目指すことになった。下肢筋力を表に示す。最も適切な装具はどれか。
1: PTB短下肢装具
2: 足関節軟性装具
3: スウェーデン式膝装具
4: 金属支柱付き長下肢装具
5: プラスチック短下肢装具
75歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅣ。歩行時に小刻み歩行、突進現象、すくみ足が出現する。歩行練習として適切なのはどれか。
1: 速く歩く。
2: 広いところで歩く。
3: 床に引いた一本線上を歩く。
4: 目標地点の手前を注視して歩く。
5: お盆に載せたコップを運びながら歩く。
46歳の男性。脊髄小脳変性症。最近、歩行が不安定となり、壁を伝うことが多くなってきた。片脚起立は困難。複視と眼振が強く、日常生活でも気分不良となる。理学療法として適切なのはどれか。
1: 継ぎ足歩行
2: Frenkel体操
3: 号令を用いた歩行
4: バランスボードを用いた起立訓練
5: リズミック・スタビリゼーション