21歳の女性。統合失調症。大学でグループ課題の実習中に錯乱状態となり入院した。入院後2週からベッドサイドでの作業療法が開始され、入院後7週で症状が落ち着いたため退院することになった。しかし、眠気やだるさ、疲労感があり、一方で復学への焦りが強い。この時期の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
1: デイケアでの集団活動を促す。
2: 自宅での過ごし方を指導する。
3: 復学準備の開始時期を話し合う。
4: 作業遂行の特徴を家族に伝える。
5: 外来作業療法で支援を継続する。
45歳の男性。統合失調症。外来治療を受けながら母親と2人で暮らしている。3年前までは仕事に就いていたが、職場での対人関係がうまくいかず症状が悪化し退職した。現在は精神症状は落ち着き、ADLは自立し生活リズムも整っている。一般就労を希望し、作業療法士に相談した。この時点で患者が利用する障害福祉サービスとして適切なのはどれか。
1: 自立訓練
2: 共同生活援助
3: 就労移行支援
4: 就労定着支援
5: 就労継続支援B型
患者の交流を促し、共有体験が最も得やすい作業療法集団はどれか。
障害受容で誤っているのはどれか。
1: 社会環境によって影響される。
2: 障害者同士の交流により促進される。
3: 抑うつ状態の患者には積極的な指導を行う。
4: 混乱している患者の怒りは医療者にも向く。
5: ショックを受けている状態の患者は安全に見守る。
精神障害者の就労支援についての組合せで正しいのはどれか。
1: リワーク ― ハローワーク
2: ジョブコーチ ― 地域障害者職業センター
3: 職場適応訓練 ― 保健所
4: トライアル雇用 ― 地域包括支援センター
5: ジョブガイダンス ― 障害者就業・生活支援センター
てんかん患者に対する作業療法実施時の発作予防の留意点はどれか。
1: 固執性
2: 集中度
3: 疲労度
4: 協調性
5: 参加度
児童の心理療法で適切なのはどれか。
1: 自律訓練法
2: 精神分析療法
3: 森田療法
4: 内観療法
5: 箱庭療法
13歳の女子。中学に入学してから頭痛などを理由に欠席が多くなり、2学期からは不登校となった。自宅で母親への暴力がみられるようになったため、精神科を受診し外来作業療法に通うこととなった。作業療法プログラムの留意点で適切でないのはどれか。
1: 同年代の患者との交流を楽しめる機会を提供する。
2: 電子メールなどのコミュニケーション機器の利用法を指導する。
3: 授業の遅れを取り戻すために学習の時間を取り入れる。
4: 1週間の過ごし方を工夫し基本的な生活リズムを整える。
5: 身体運動や創作活動を利用し自己表現の機会を提供する。
自閉症スペクトラム障害患者が就労継続支援A型事業所を利用する際の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 巧緻性が要求される作業を任せる。
2: 事業所での経験を振り返るための面接をする。
3: 事業所内のルールについてはその都度伝える。
4: 利用開始時に苦手な場面から慣らしていく。
5: 利用者同士で行う流れ作業から導入する。
25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。
1: 状況対応力の低さ
2: 過度の緊張
3: 不安の発現
4: 複雑部分発作の前兆
5: 注意集中の困難
作業療法場面で強迫行為の影響をみるのに役立つのはどれか。2つ選べ。 ア.作業中の表情イ.作業時の会話ウ.作業の訂正数エ.作業の遅れオ.作業への欠席数
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
CI療法(constraint-induced movement therapy)について適切なのはどれか。
1: Brunnstrom法ステージ上肢Ⅱ、手指Ⅱに適応となる。
2: 段階的に麻痺側上肢の使用を促す訓練方法を用いる。
3: 重度の感覚障害の患者に高い効果が期待できる。
4: 毎日1時間の練習を2週間実施する。
5: 急性期の患者に用いる。
16歳の女子。統合失調症。高校入学後、人の目を気にするようになり、被害的な言動が出現するようになった。文化祭時に興奮状態となり入院となった。入院10日後、症状は徐々に落ち着いてきたが敏感さが残る。この時点で作業療法が処方された。この患者が作業療法を開始して2週後「作業療法は受けたくない」と言った。この時点の対応で適切でないのはどれか。
1: しばらく作業療法を休ませて様子をみる。
2: 受けたくない理由を聞く。
3: 2週間の作業療法の感想を聞く。
4: 他の作業療法士が担当する。
5: 病棟での生活の様子を観察する。
患者に手本となる他者の振る舞いを見せて学んでもらう面接技術はどれか。
1: モデリング
2: コーチング
3: シェイピング
4: リフレーミング
5: プロンプティング
23歳の男性。会社員。6か月前、交通事故による外傷性脳損傷を受傷したが、身体的後遺症はなく、職場復帰した。病前と性格が変わって怒りっぽく頑固になり、職場の人間関係が悪化して精神科を受診し、外来作業療法に参加となった。作業療法の初期目標で適切でないのはどれか。
1: 実施上の取り決めの遵守
2: 興味ある作業への参加
3: 定期的な参加の継続
4: 安心できる関係作りの構築
5: 職場の人間関係の改善
PTSD〈外傷後ストレス障害〉に関する対応で適切なのはどれか。
1: 曝露療法は短期間に留める。
2: 外傷体験の直後は詳しく体験を語らせる。
3: 集団の中で体験を語り合うことは避ける。
4: 心的外傷体験の一般的な心理反応を説明する。
5: 心理的動揺がある程度収まってから心理的応急処置を実施する。
アルツハイマー型認知症患者の作業療法の初回面接で困難なのはどれか。 ア.個人に応じた工夫をする。イ.安心できる場所で実施する。ウ.今後の目標を確認し同意を得る。エ.参加時の規則厳守を約束する。オ.話し合うというような雰囲気で進める。
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
治療についてのインフォームド・コンセントで適切でないのはどれか。
1: 治療者は全ての治療法について説明する。
2: 治療者は患者が理解できる方法で説明する。
3: 判断能力に関わらず患者の決定が優先される。
4: 患者の同意内容は文書で保存する。
5: 患者は同意を撤回することができる。
29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが器質的問題が認められなかったため、紹介によって精神科外来を受診し入院することとなった。手足が震え、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 自己洞察を促す。
2: 自己表現の機会を増やす。
3: 集団活動で役割を担わせる。
4: 自己中心的な依存は受け入れない。
5: 身体機能に対する治療的な介入を行う。
訪問理学療法で正しいのはどれか。
1: 環境的側面のみヘアプローチを行う。
2: 歩行や移動に関する支援要望が多い。
3: 対象者の多くは交通事故による外傷である。
4: ゴール設定の際には家族の要望を最優先する。
5: バイタルチェックは看護師が実施しなければならない。