重度片麻痺患者に指導すべき動作方法はどれか。2つ選べ。
1: 起き上がりは、非麻痺側に寝返ってから行う。
2: 階段を上るときは、麻痺側下肢、非麻痺側下肢の順とする。
3: ズボンを脱ぐときは、麻痺側下肢、非麻痺側下肢の順とする。
4: 立位から床に座るときは、非麻痺側上肢、同側膝の順に床につく。
5: エスカレーターから降りるときは、麻痺側下肢、非麻痺側下肢の順とする。
60歳の男性。7年前から歩行時にふらつきを自覚し、6年前から話し方が単調で途切れ途切れとなり膀胱直腸障害と起立性低血圧を認めた。四肢の固縮や振戦が徐々に進行し、2年前から車椅子で移動するようになった。最近、声が小さくなり呼吸困難感を訴えるようになった。頭部MRIのFLAIR画像で水平断(A)および矢状断(B)を示す。この疾患で合併する可能性が高いのはどれか。
1: 失 語
2: 拮抗失行
3: 声帯麻痺
4: 下方注視麻痺
5: 他人の手徴候
脳卒中患者の症状と障害との組合せで誤っているのはどれか。
1: 知っている人なのに声を聞かないとわからない。 — 相貌失認
2: 閉眼と挺舌の動作を同時にできない。 — 運動維持困難
3: 移動時、左側の物によくぶつかる。 — 左半側空間無視
4: 指示による敬礼のまねができない。 — 観念失行
5: 上着の左右を間違えて袖を通す。 — 着衣失行
25歳の女性。境界型人格障害。手首の自傷行為の反復、睡眠薬遊びや万引きがある。「何でも良いからやれる仕事をやってはどうか」と言う母親に暴力を振るい、止めに入った父親の前で「死んでやる」と言って再び手首の自傷行為に及び入院した。入院後、穏やかになり作業療法が開始された。作業中に「息が苦しくなり手がしびれる」と言い出した。考えられる発作はどれか。
1: 低血糖発作
2: 過呼吸発作
3: けいれん発作
4: 欠神発作
5: 情動脱力発作
2歳のアテトーゼ型脳性麻痺児の摂食訓練で正しいのはどれか。
1: 背臥位で行う。
2: 上肢は解剖学的基本肢位に置く。
3: 食物は舌の中央より前に載せる。
4: ジュース類から始める。
5: 飲み込むときは頸を伸展位にする。
車椅子からの立ち上がり時に、後方重心となり介助を要する脳卒中片麻痺患者への対応で正しいのはどれか。
1: 立ち上がる前に車椅子に深く座らせる。
2: 両足の内側を密着させる。
3: 足部は膝の位置より後方に引かせる。
4: 天井を見るように指示する。
5: 介助者がズボンを持って上に引き上げる。
43歳の女性。頸髄完全損傷。洗濯物干しの作業中の写真を別に示す。この患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類による機能残存レベルはどれか。
1: C5B
2: C6A
3: C6B1
4: C6B2
5: C7A
28歳の男性。交通事故による頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。今日の日付を聞くと、カレンダーを見てようやく答えることができる。病棟と作業療法室の行き来では、今いる場所や行き先が分からなくなるので見守りが必要である。現時点の頭部CTを示す。この患者の状態を評価するのに適切でないのはどれか。
1: TMT
2: MMSE
3: WCST
4: 線分抹消検査
5: 線分2等分検査
55歳の女性。関節リウマチ。発症後3年。Steinbrocker(スタインブロッカー)のステージIII、クラス3、環軸椎間に亜脱臼がある。両肩肘の可動域制限は著明である。両手関節に運動時疼痛がある。作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 関節可動域訓練は関節炎があるときも通常量で継続する。
2: 手関節可動域訓練は訓練後疼痛が残らない程度に行う。
3: 頭頸部の屈筋の筋力強化を行う。
4: 等尺性収縮を利用した運動で上肢の筋力維持を図る。
5: 革細工のカービングで手指の巧緻性を高める。
48歳の女性。外傷性脳損傷後1か月経過。意識は清明。麻痺は認めない。ミニメンタルステート検査(MMSE)は30点。三宅式記銘力検査の正答は有関係対語10-10-10、無関係対語2-3-7。ベントン視覚記銘検査即時再生で正確数10・誤謬数0、15秒後の再生で正確数7・誤謬数3。障害されているのはどれか。
1: 意味記憶
2: 近時記憶
3: 遠隔記憶
4: 展望記憶
5: 手続き記憶
3歳の女児。痙直型脳性麻痺。多くの時間を図のような姿勢で過ごす。食事は経口主体であり、介護者が児を抱きかかえて行う。スプーンでペースト食を口に入れるが、一部は口から流れ出る。この3年間、肺炎などの呼吸器合併症はない。この児の上肢機能改善を図るための姿勢として適切でないのはどれか。
左小脳半球梗塞で生じやすい症状はどれか。
1: 右半身感覚障害
2: 右上下肢失調症
3: 左片麻痺
4: 聴覚障害
5: 構音障害
Brunnstrom法ステージの検査において、ステージと可能な随意運動の組合せで正しいのはどれか。
1: 手指Ⅲ――座位で不十分な全指伸展
2: 上肢Ⅲ――座位で肩関節内転・肘関節伸展・前腕回内
3: 下肢Ⅲ――座位で膝関節屈曲位で踵を床につけたまま足関節背屈
4: 下肢Ⅳ――立位で股関節伸展位での膝関節屈曲
5: 下肢Ⅴ――立位で股関節外転
手根管症候群について正しいのはどれか。
1: 夜間は上肢を下垂して負担を減らす。
2: 正中神経の伝導速度は前腕部で低下する。
3: 安静のためのスプリントは手関節背屈位とする。
4: 掌側のしびれで発症する場合が多い。
5: 母指球の筋萎縮は運動神経の脱髄によって生じる。
56歳の女性。慢性関節リウマチで図のような手の変形をきたしている。ADL指導で正しいのはどれか。
1: T字杖を用いる。
2: コックアップスプリントを用いる。
3: 握力強化のためにビンのフタを開ける。
4: マジックハンド型リーチャーを使う。
5: ボタンエイドを使う。
80歳の女性。重度の認知症患者。訪問作業療法を実施した際の足の写真を示す。対処方法で正しいのはどれか。
1: 入浴を禁止する。
2: 摂食状況を確認する。
3: 足部装具を装着させる。
4: 足関節の可動域訓練は禁忌である。
5: 踵部にドーナツ型クッションを使用する。
70歳の男性。1年前から誘因なく四肢末梢の感覚障害と筋力低下が出現している。次第に脱力は進行し、手指の巧緻性低下と歩行障害をきたしている。頸部MRIのT2強調像を示す。頸髄の変化が最も大きい部位はどれか。
1: 第2頸椎・第3頸椎間
2: 第3頸椎・第4頸椎間
3: 第4頸椎・第5頸椎間
4: 第5頸椎・第6頸椎間
5: 第6頸椎・第7頸椎間
脳卒中の平行棒内移動練習で誤っている組合せはどれか。
1: 椅子からの立ち上がり - 平行棒を下方に押して立ち上がる。
2: 患側肢での体重支持 - 患側膝関節軽度屈曲位で体重を負荷する。
3: 左右肢の体重移動 - 最初は横方向、次に前後方向で行う。
4: 健側肢の振り出し - 患側股関節の伸展を意識させる。
5: 患側肢の振り出し - 健側で伸び上がり振り出す。
疾患と歩行指導との組合せで適切でないのはどれか。
1: 痙直型両麻痺-ロフストランド杖
2: 脊髄小脳変性症-松葉杖
3: デュシェンヌ型筋ジストロフィー-バネ付き長下肢装具
4: シャルコー・マリー・トゥース病-短下肢装具
5: 慢性関節リウマチ-四輪型歩行器
ベッドサイドで行う対麻痺患者の下肢深部静脈血栓症の予防で誤っているのはどれか。
1: 早期離床を促進する。
2: 両下肢に寒冷療法を行う。
3: 両下肢の他動運動を行う。
4: 両下肢に間欠的空気圧迫法を行う。
5: 両下肢に弾性ストッキングを装着する。