68歳の男性。作業中に脚立の上から転落したため搬入された。強い腰痛を訴え、下肢の運動麻痺が認められる。脊椎MRIを示す。同日、脊椎固定術を行い、リハビリテーションを開始した。受傷3か月後のMMTによる筋力を表に示す。この時点で、下肢に使用する装具として適切なのはどれか。
1: MSH-KAFO
2: 右KAFO
3: 右KO
4: 右AFO
5: 右足底装具
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
18歳の男性。事故による第6頸椎脱臼骨折。受傷後3か月経過。筋力は、肩関節屈曲・伸展・外転筋ともにほぼ5(Normal)、肘関節屈筋5(Normal)、肘関節伸筋4(Good)であったが、手指屈筋・伸筋ほぼ0、体幹筋0、下肢筋0であった。感覚は体幹・下肢で脱失していた。この患者で誤っているのはどれか。
1: 不全四肢麻痺である。
2: 自律神経過反射が起きやすい。
3: コップの把持は可能である。
4: 自己導尿は可能と予測される。
5: 車椅子とベッド間の移乗は自立可能と予測される。
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
1: 金属支柱の強度を増した。
2: 下腿半月を深くした。
3: 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
4: 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
5: 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
48歳の女性。慢性関節リウマチ。発症後3年経過。スタインブロッカー機能障害度分類クラスIII。車椅子移動は介助。排泄動作の自立を目的に他院から紹介があり入院した。作業療法開始時に適切でないのはどれか。
1: ズボンの着脱訓練
2: 補高便座の利用
3: 家屋改造案の提示
4: 車椅子操作訓練
5: ポータブルトイレへの移乗訓練
老人の転倒で骨折が起こりにくい部位はどれか。
1: 腰 椎
2: 橈 骨
3: 上腕骨
4: 大腿骨
5: 踵 骨
80歳の男性。要介護2。妻と2人暮らし。上肢機能は保たれているが、下肢の支持性の低下がある。認知機能は保たれている。尿意はあり、日中は洋式トイレでズボンの上げ下ろしの介助を受けて排尿している。便失禁はないが、夜間の居室での排尿方法を検討している。「妻を起こさずに自分で排尿したい」との希望がある。排泄用具の写真を示す。選択する排泄用具として適切なのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
20歳の男性。交通事故による大腿骨骨幹部骨折。キュンチャー釘による内固定術後1週目である。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 大腿部の筋リラクセーション
2: 極超短波による温熱療法
3: 足関節自動運動
4: 大腿四頭筋の等尺性収縮
5: 健側に行うPNF
21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。
1: 意識障害を確認する。
2: 血圧を測定する。
3: 頭部を低くする。
4: 留置バルーンカテーテルを開放する。
5: 便通を確認する。
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重が可能となっているが、足関節の背屈制限が残存している。関節可動域訓練前の物理療法で適切でないのはどれか。
1: ホットパック
2: パラフィン浴
3: 極超短波
4: 渦流浴
5: 超音波
25歳の男性。交通事故による頚髄損傷。受傷後8か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋 4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋0、手関節背屈筋4(Good)、手関節屈筋0、下肢筋群0であった。この患者の移乗動作の自立を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。
高齢者の脊椎圧迫骨折の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 急性期は下肢の等尺性訓練を行う。
2: 早期離床を促す。
3: コルセットを作製する。
4: 股関節の伸筋を強化する。
5: 体幹筋は腹筋を中心に強化する。
82歳の女性。室内移動は手すりや家具を支えになんとか可能であったが、動きづらくなり、作業療法が依頼された。この患者が屋外でも使用できる車椅子はどれか。
48歳の男性。脳梗塞後の右片麻痺。発症から5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにⅢ。T字杖で屋内歩行は自立しているが、疲労しやすく、すぐに椅子に腰掛ける。遠近感が分かりづらく、平地でつまずくことがある。自宅退院に向けた浴室の環境整備案を図に示す。設置する手すりとして必要でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
60歳の男性。10年前にParkinson病と診断された。日常生活は自立している。すくみ足のため自宅で頻回に転倒するようになった。この患者に対する指導で適切なのはどれか。
1: スリッパを履くよう勧める。
2: 足関節に重錘バンドを装着する。
3: T字杖歩行を指導する。
4: 車椅子での移動を指導する。
5: 自宅での手すり設置の場所を指導する。
63歳の男性。脊髄小脳変性症により在宅生活を送っている。重症度分類は下肢Ⅲ度(中等度)、上肢Ⅳ度(重度)である。日常生活で使用する福祉用具で誤っているのはどれか。
1: ポータブルスプリングバランサー
2: キーボードカバー付きパソコン
3: シャワーチェアー
4: ポータブルトイレ
5: 歩行器
30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。このような症状がある時期に適切な作業療法はどれか。
1: 調理
2: 日記
3: 買い物訓練
4: 職業前訓練
5: 電車乗車訓練
関節リウマチ患者の生活指導で適切でないのはどれか。
1: 便座は高めに設定する。
2: 炊事には片手鍋を使用する。
3: 水道の蛇口はレバー式にする。
4: ボトルオープナーで蓋を開ける。
5: 電動プロセッサーで野菜を刻む。
第6頸髄節まで機能残存している頸髄損傷患者に対する作業療法として適切でないのはどれか。
1: 上衣着脱は被りタイプから練習する。
2: コンピュータの入力デバイスを検討する。
3: 排便は臥位で行えるように環境を整える。
4: 自己導尿ができるようにカテーテル操作を練習する。
5: 車椅子上で起立性低血圧が起こったときは前屈位をとる。
標準型車椅子の使用者の生活環境として適切なのはどれか。
1: トイレのドアは内開きにする。
2: 屋外スロープの勾配は1/10とする。
3: 浴室と脱衣所の間にグレーチングを設置する。
4: 洗面台のカウンターの高さは50 cm程度とする。
5: 玄関前の回転スペースは直径90 cm程度とする。