45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習
Parkinson病患者では、すくみ足の症状があっても、床の上の横棒をまたぐことは円滑にできる。この現象と同じ機序を利用した訓練法はどれか。
1: 水中での歩行訓練
2: 重りを用いた筋力増強訓練
3: リズム音に合わせた歩行訓練
4: バランスボードを用いた立位訓練
5: 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
67歳の女性。Parkinson病。Yahrの重症度分類ステージIII。屋内では伝い歩きをしている。運動機能維持を目的とした作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
85歳の女性。多発性脳梗塞。2年前大腿骨転子間骨折。T字杖歩行をしていたが、最近、転倒がみられるようになった。また、痴呆が出現し声かけをしないと歩行をしなくなり、ベッドに臥床することが多くなった。介護者である嫁の要請があり訪問による理学療法を開始した。理学療法および指導で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の等尺性筋力強化訓練
2: 介助歩行とその指導
3: 廊下に手すりを設置
4: ポータブルトイレへの移乗訓練
5: 屋外用車椅子の貸与
85歳の男性。脳血管障害による右片麻痺で、発症から5か月が経過。回復期リハビリテーション病棟に入院中。主な介護者は77歳の妻。左手でT字杖を使用して屋内平地歩行は可能であるが、屋外は車椅子介助である。排泄はトイレにて自力で行うが、夜間頻尿と切迫性尿失禁がある。自宅の見取り図を示す。在宅復帰に向けて住環境の調整を行う際、作業療法士のアドバイスで正しいのはどれか。
1: 寝室をB(客室)に変更する。
2: ベッドの頭の向きを逆にする。
3: トイレの扉を内開きに変更する。
4: 屋外スロープは1 cmの立ち上がりをつける。
5: 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
Parkinson病患者のADL指導で適切なのはどれか。
1: 階段よりも傾斜路を利用する。
2: 食事には手関節固定装具を用いる。
3: 下衣の更衣はできるだけゆっくり行う。
4: 浴槽のへりの高さは洗い場の高さに合わせる。
5: 起き上がり動作の開始には視覚的外部刺激を利用する。
65歳の女性。左片麻痺。短下肢装具と杖で歩行が可能。発症後6か月経過し自宅に帰ることになった。家屋改造で適切でないのはどれか。
1: ①:玄関の上がりかまちに踏み台を置く。
2: ②:便器に向かって左側に手すりを設置する。
3: ③:浴室出入り口の右側に手すりを設置する。
4: ④:浴槽の向かって左側にトランスファーボードを置く。
5: ⑤:自室の出入り口を引き戸にする。
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。萎縮が認められる部位はどれか。2つ選べ。
1: 脳 梁
2: 小 脳
3: 後頭葉
4: 帯状回
5: 脳幹部
75歳の男性。脳卒中による左片麻痺。ブルンストローム法ステージは上下肢ともIII。屋内はプラスチック短下肢装具装着で歩行、屋外は車椅子で移動することで退院計画を立てることになった。住宅改造の指導で適切でないのはどれか。
1: 廊下に横手すりを設置する。
2: あがりかまちにL字型手すりを設置する。
3: 玄関口とあがりかまちの間に座れる椅子を置く。
4: 玄関の出入り口の段差にスロープを設置する。
5: 廊下に毛足の長いじゅうたんを敷き詰める。
58歳の男性。歩行時のふらつきを訴えて受診した。歩隔はやや広いが左右方向は安定しており、前後方向への振り子様の歩容がみられる。検査結果を表に示す。協調運動改善のための理学療法として適切なのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによるペダリング運動
2: rhythmic stabilization
3: 下肢筋群の持続的伸張
4: Frenkel体操
5: Epley法
80歳の女性。重度の認知症患者。訪問作業療法を実施した際の足の写真を示す。対処方法で正しいのはどれか。
1: 入浴を禁止する。
2: 摂食状況を確認する。
3: 足部装具を装着させる。
4: 足関節の可動域訓練は禁忌である。
5: 踵部にドーナツ型クッションを使用する。
68歳の男性。パーキンソン病。ヤールの重症度分類ステージIII。元来の几帳面な性格。日内変動が目立ち、調子が悪くなると歩行時にすくみ足、突進現象が出現する。生活指導で適切でないのはどれか。
1: 服薬を守る。
2: 今までの生活習慣を尊重する。
3: ズボンの着脱は立位で行う。
4: 階段昇降を行う。
5: 柔軟体操を行う。
67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1: 幻視の訴えを正す。
2: 身体の活動量を減らす。
3: リズムのある反復動作は避ける。
4: 転倒しやすいことを本人に伝える。
5: 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
すくみ足現象がみられるParkinson病患者の歩行練習を理学療法士の近位見守り下で実施した。このときの練習法で適切でないのはどれか。
1: 横歩き
2: 階段昇降
3: スラローム歩行
4: 歩隔を狭めた歩行
5: メトロノームの音を活用した歩行
Parkinson病で認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 反張膝
2: 前傾姿勢
3: 突進歩行
4: 大殿筋歩行
5: はさみ足歩行
72歳の男性。Parkinson病。Yahrの重症度分類ステージIVである。作業療法で適切なのはどれか。
1: 細罫線紙を用いた書字
2: カミソリを使う整容動作
3: 会話を利用した発声練習
4: 折り紙を使ったつまみ動作
5: 革細工スタンピングによる巧緻動作
60歳の男性。身長170 cm、体重90 kg。3歳時にポリオに罹患し右下肢単麻痺となった。右長下肢装具を装着し独歩可能であったが、3か月前から歩行が困難となり、左下肢の筋力低下も自覚したためリハビリテーション科を受診した。下肢の状態は図のようであった。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 体重の減量を勧める。
2: 杖の使用を検討する。
3: 骨盤帯付き長下肢装具に変更する。
4: 左下肢筋の過用を防ぐ生活指導を勧める。
5: 足底板を用いて脚長差の再調整を行う。
75歳の女性。16年前に左上肢の安静時振戦が出現し、その後左下肢にも認められ動作緩慢となった。近医脳神経内科を受診しParkinson病と診断されL-dopaの内服治療が開始された。開始当初はL-dopaの効果を認めたが、パーキンソニズムの増悪に伴い徐々にL-dopaを増量された。最近L-dopa服用後30分程度で突然動けなくなり、1日の中で突然の無動を何度も繰り返すという。この現象はどれか。
1: wearing-off現象
2: Westphal現象
3: pusher現象
4: on-off現象
5: frozen現象
高齢者の転倒リスクに関連性が低いのはどれか。
1: 男 性
2: 視力障害
3: 下肢筋力低下
4: 認知機能低下
5: 複数回転倒の既往
65歳の男性。脳卒中による右片麻痺。発症後3か月経過。下肢のブルンストローム法ステージIII。多点杖で歩行訓練を行っているが、下腿三頭筋の痙縮が強く、内反尖足が顕著である。適切な装具はどれか。