59歳の女性。脳梗塞発病後、小梗塞の再発を繰り返し精神症状が前景化したため、精神科病院に転院になった。記銘力障害があるが、理解力や判断力は日によって波がある。言語がやや不明瞭で、移動は小刻み歩行である。この患者の病態で正しいのはどれか。
1: 仮性認知症
2: 早発認知症
3: まだら認知症
4: 全般性認知症
5: 視床性認知症
脳卒中片麻痺による痙性歩行の患肢の特徴で誤っているのはどれか。
1: 立脚期の短縮
2: 遊脚期の股関節内旋
3: 尖 足
4: 足部の内反
5: 反張膝
左中大脳動脈閉塞で生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 自然にバイバイと手を振ることはできるが、指示されるとできない。
2: 着る手順を説明できるが、誤った着方をする。
3: 重度の運動麻痺があるのに、歩けると主張する、
4: 視界の左半分にある物を見落とす。
5: 色紙の色分けができない。
脊髄損傷の感覚障害について正しいのはどれか。
1: 馬尾神経症候群ではみられない。
2: 中心性頸髄損傷では上肢より下肢に強い。
3: 脊髄円錐症候群では肛門周囲が障害される。
4: 前脊髄動脈症候群では位置覚が障害される。
5: Brown-Séquard症候群では病巣の反対側の位置覚が障害される。
脳卒中片麻痺患者が反張膝を示す原因として誤っているのはどれか。
1: 下腿三頭筋の重度痙性
2: 大腿四頭筋の重度痙性
3: 大腿四頭筋の筋力低下
4: ハムストリングスの短縮
5: 下肢の重度深部感覚障害
パーキンソン病の症状と比べて脊髄小脳変性症の症状をよく表しているのはどれか。
1: 罫線の間隔に収まる文章が書けない。
2: ブザー音を合図に動き出すまでに時間がかかる。
3: 体幹の回旋運動と逆の方向に頸を回旋することが難しい。
4: 光の点滅で手を打つと反復回数に連れタイミングのずれが大きくなる。
5: ポケットから手探りで目的物をつかみ出すとき小さなものの方が容易にできる。
脳卒中片麻痺患者の歩行時麻痺側下肢の特徴はどれか。2つ選べ。
1: 立脚相の足内側接地
2: 立脚相の膝関節外側動揺
3: 遊脚相の内反尖足
4: 遊脚相の膝関節過伸展
5: 遊脚相の股関節外転外旋
外傷性脳損傷後にみられやすい症状はどれか。
1: 運動失語
2: 着衣失行
3: 相貌失認
4: 全般性注意障害
5: 左半側空間無視
頭部単純CTで発症直後から診断できるのはどれか。
1: 脳梗塞
2: 脳出血
3: Parkinson病
4: 多発性硬化症
5: 白質ジストロフィー
作業療法中に「脳が溶けて流れ出す」と辛そうに訴える患者の症状として考えられるのはどれか。
1: 作為体験
2: 被害妄想
3: 思考奪取
4: 体感幻覚
5: 連合弛緩
Brown-Séquard症候群で損傷髄節よりも下位の反対側に現れる症状はどれか。2つ選べ。
1: 運動麻痺
2: 触覚障害
3: 痛覚障害
4: 温度覚障害
5: 深部覚障害
58歳の男性。脳腫瘍と診断された。頭部MRIを示す。最も考えられる症状はどれか。
1: 体幹失調
2: 視野障害
3: 注意障害
4: 感覚性失語
5: 左半側空間無視
発症後1週経過した脳卒中患者(ブルンストローム法ステージは上肢III、手指IV、下肢IV)の評価で適切でないのはどれか。
1: 病前の機能レベルは機能予後に重要である。
2: 脳圧亢進は生命予後に関連する。
3: 意識障害は高次脳機能症状を分かりにくくする。
4: 移動の予後は車椅子が中心となる。
5: 上肢の機能予後は補助手以上となる。
認知障害がみられるのはどれか。
1: 重症筋無力症
2: 筋萎縮性側索硬化症
3: Guillain-Barré症候群
4: 筋強直性ジストロフィー
5: 平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)
30歳の女性。外傷性脳損傷。3か月前の追突事故による前頭葉症状が主症状である。運動麻痺は軽微である。簡単な日常会話は可能であるが概念操作などの抽象思考が障害されている。この患者に構成行為評価のためブロックデザイン検査を行った。この患者で認めにくいのはどれか。
小脳の機能不全による協調運動障害の説明で誤っているのはどれか。
1: 大文字症:文字が徐々に大きくなる。
2: 企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。
3: 運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。
4: 時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5: 協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。その後、意識状態が改善した。歩行が困難であるにもかかわらず、ひとりでベッドから立ち上がろうとする。この患者に認められる可能性が高い症状はどれか。
1: 右手は自由に動かせるが、ジャンケンのチョキが模倣できない。
2: 5つの物品の中から指示した物を選択できない。
3: 「左手足は動きますか」と聞くと「はい」と答える。
4: 指示に対して右手足をほとんど動かせない。
5: 眼鏡を見て「めがね」と呼称できない。
症状と評価との組合せで誤っているのはどれか。
1: 感覚障害-グラスゴーコーマスケール
2: 運動麻痺-ブルンストローム法ステージ
3: 後索性失調-ロンベルグ試験
4: 痙縮-アシュワーススケール
5: 痴呆-ミニメンタルステート検査(MMSE)
Wallenberg症候群において病巣と同側に認めるのはどれか。2つ選べ。
1: 下肢麻痺
2: 小脳失調
3: 声帯麻痺
4: 上下肢の触覚低下
5: 上下肢の温痛覚脱失
姿勢保持障害の原因で痙直型脳性麻痺児の特徴はどれか。
1: 注意集中困難による多動
2: 身近な感覚遊びによる常同行動
3: 全身の低緊張による耐久性低下
4: 身体接触面から受ける触覚の異常
5: 全身の不随意運動による調節困難