脳血管障害による右大脳半球損傷の症状で頻度の少ないのはどれか。
1: 間違った袖に手を通す。
2: 食事をお膳の片側半分残す。
3: 麻痺のあることが分からない。
4: 急須でお茶を入れる手順を混乱する。
5: 閉眼したままにという指示に開眼してしまう。
左大脳半球の病変で生じにくい高次脳機能障害はどれか。
1: 失 語
2: 失 算
3: 純粋失読
4: 観念運動失行
5: 運動維持困難
脳卒中患者の障害と徴候との組合せで誤っているのはどれか。
1: シャツの袖をうまく通せない-着衣失行
2: 知っている人なのに声を聞かないとわからない-相貌失認
3: 指示による閉眼維持が困難である-運動維持困難
4: 移動時に左にある物にぶつかる-左半側無視
5: 麻痺がないのに指で模倣ができない-観念失行
麻痺のない大脳半球損傷患者の病態と検査所見との組合せで適切なのはどれか。
1: 観念運動失行-お茶を入れるまねができない。
2: 観念失行-他者の指の形を模倣できない。
3: 運動維持困難-閉眼で舌を出させると目が開いてしまう。
4: 運動消去現象-感覚刺激に反応して片手を挙上できない。
5: 着衣失行-衣類のボタンやポケットの意味が分からない。
前大脳動脈閉塞で生じやすいのはどれか。2つ選べ。 ア.手の把握反射イ.上肢より下肢に強い運動障害ウ.ウェルニッケ失語エ.同名半盲オ.半側空間無視
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
脳卒中患者の症状と障害との組合せで誤っているのはどれか。
1: 知っている人なのに声を聞かないとわからない。 — 相貌失認
2: 閉眼と挺舌の動作を同時にできない。 — 運動維持困難
3: 移動時、左側の物によくぶつかる。 — 左半側空間無視
4: 指示による敬礼のまねができない。 — 観念失行
5: 上着の左右を間違えて袖を通す。 — 着衣失行
60歳の男性。左中大脳動脈梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢II、手指I、下肢II。意識はJCS(Japan Coma Scale)で10。高次脳機能障害はない。初回の座位訓練を行う上で適切でないのはどれか。
1: ベッド上端座位でバランス訓練を行う。
2: 脈拍が120/分以上であれば中止する。
3: 収縮期血圧が開始前より40 mmHg上昇すれば中止する。
4: 表情の変化を観察する。
5: 欠伸が頻発したときは血圧の低下を疑う。
右後下小脳動脈の閉塞で発症した脳梗塞でみられないのはどれか。
1: 右片麻痺
2: 右眼瞼下垂
3: 右小脳性運動失調
4: 右顔面温痛覚障害
5: 左上下肢温痛覚障害
脳梗塞の発生部位と出現する症状の組合せで正しいのはどれか。
1: Broca領域 ── 遂行機能障害
2: 右小脳半球 ── 左上下肢の運動失調
3: 右内包後脚 ── 左上下肢の運動麻痺
4: 左前頭葉 ── 左半側空間無視
5: 左放線冠 ── 感覚性失語
劣位半球の損傷による高次脳機能障害の症状はどれか。
1: 衣類の着用ができなくなる。
2: 手指の呼称ができなくなる。
3: 言語の表出ができなくなる。
4: 物品の使用ができなくなる。
5: 文字や文が読めなくなる。
65歳の女性。右利き。脳出血による左片麻痺。発症後6か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。感覚障害と高次脳機能障害とはない。屋内は独歩可能である。日常生活で実用可能な両手動作はどれか。2つ選べ。
1: 財布から硬貨を出す。
2: ズボンを引き上げる。
3: りんごの皮をナイフでむく。
4: 荷物を頭上の棚の上に載せる。
5: 首の後ろでネックレスを留める。
45歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し1か月経過した。病変部位はMRIで左角回と左側頭葉後下部であった。運動麻痺は認められない。生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 運動保続
2: 失読失書
3: 地誌的失見当
4: 半側空間無視
5: 道具の強迫的使用
脳出血後の頭部CTを示す。最も生じやすい症状はどれか。
1: 系列的な動作が順番通りにできない。
2: 脳出血発症前のことが思い出せない。
3: 左からの刺激に反応しない。
4: 左手の感覚が脱失する。
5: 人の顔が区別できない。
劣位半球の中大脳動脈閉塞で生じやすいのはどれか。
1: 尿失禁
2: 強制把握
3: 視覚失認
4: 半側空間無視
5: ウェルニッケ失語
左小脳半球梗塞で生じやすい症状はどれか。
1: 右半身感覚障害
2: 右上下肢失調症
3: 左片麻痺
4: 聴覚障害
5: 構音障害
47歳の右利きの女性。脳出血発症後2か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。麻痺側の感覚障害を認めた。図に発症時の出血部位(出血部位:網かけ)を示す。脳の他の部位には萎縮や低吸収域を認めなかった。患側上肢の分離運動を促通するための作業で適切でないのはどれか。
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。その後、意識状態が改善した。歩行が困難であるにもかかわらず、ひとりでベッドから立ち上がろうとする。この患者に認められる可能性が高い症状はどれか。
1: 右手は自由に動かせるが、ジャンケンのチョキが模倣できない。
2: 5つの物品の中から指示した物を選択できない。
3: 「左手足は動きますか」と聞くと「はい」と答える。
4: 指示に対して右手足をほとんど動かせない。
5: 眼鏡を見て「めがね」と呼称できない。
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。この障害への対応として適切でないのはどれか。
1: 食事場面で患側にある食物を意識させる。
2: 体幹は健側方向への回旋を意識させる。
3: 理学療法士は患側に立って治療を行う。
4: 車椅子での集団風船バレーに参加させる。
5: 車椅子の患側のブレーキレバーに目印をつける。
53歳の男性。脳出血による右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上肢IV・手指IIIでやや痙縮が強い。麻痺側でコップの水を飲んでもらったところ図1のような反応がみられた。このような反応を軽減するための訓練として図2のような動作を行う際に注意すべき点で適切でないのはどれか。
1: 麻痺側上肢の運動に抵抗をかける。
2: 麻痺側肩関節は外旋位に保持する。
3: 非麻痺側上肢をリラックスさせる。
4: 麻痺側肩甲帯の前方突出を保持する。
5: 頸部と体幹は軽度屈曲を保持する。
小脳の機能不全による協調運動障害の説明で誤っているのはどれか。
1: 大文字症:文字が徐々に大きくなる。
2: 企図振戦:目標に近づくほど四肢の振戦が激しくなる。
3: 運動分解:拮抗する運動の切り替えが円滑に行えない。
4: 時間測定障害:運動の開始や停止が正常よりも遅れてしまう。
5: 協調収縮不能:一連の動作で運動の順番や滑らかさが障害される。