パーキンソン病患者(ヤールの重症度分類ステージIII)の理学療法で正しいのはどれか。
1: 寝返り動作では体幹を丸太状にして身体を回旋させる。
2: 椅子からの立ち上がりでは身体重心を後方に移動させる。
3: 立位保持では脊柱を前屈して重心を前方に移動させる。
4: 平地歩行では歩行路に設置した横線をまたぎ歩かせる。
5: 階段昇降では下肢のリズムに合わせて両腕を大きく振らせる。
球麻痺から発症した筋萎縮性側索硬化症で歩行が可能な患者への対応で正しいのはどれか。
1: 胸郭のストレッチを指導する。
2: 呼吸機能評価を1年に1回行う。
3: 栄養指導は誤嚥を認めてから行う。
4: 早期からプラスチック短下肢装具を導入する。
5: 鉄アレイを用いた上肢筋力トレーニングを指導する。
58歳の女性。12年前発症の関節リウマチ。突然指が伸展できなくなり受診した。受診時の手の写真を示す。障害されたのはどれか。
1: 橈骨神経
2: 長橈側手根伸筋
3: (総)指伸筋
4: 固有示指伸筋
5: 尺側手根伸筋
79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。
1: 詩吟
2: 洋裁
3: 計算ドリル
4: 献立づくり
5: 立体パズル
40歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。「手を腰の後ろに回してください」、「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった。左上肢の状態として適切なのはどれか。
1: 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
2: 痙縮の発現期である。
3: 痙縮が最も強い時期である。
4: 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
5: 分離運動が自由に可能である。
62歳の女性。転倒により骨折した。固定期間中に非固定部の関節可動域訓練を行う際、適切でないのはどれか。
1: 固定後早期から開始する。
2: 可動域検査は上肢全体を行う。
3: 自動運動を原則とする。
4: 骨折部を固定して行う。
5: 骨折部の痛みがあっても続ける。
60歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。食事時に右手でスプーンの柄を握りこんでしまい、うまくスプーン操作ができず、介助が必要になることが多いが、少しずつ食事動作が円滑にできる場面が増えてきている。頭部MRIを示す。この食事動作の病態として考えられるのはどれか。
1: 観念失行
2: 視覚性失認
3: 運動維持困難
4: 右上肢運動麻痺
5: 右上肢深部覚障害
60歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。食事時に右手でスプーンの柄を握りこんでしまい、うまくスプーン操作ができず、介助が必要になることが多いが、少しずつ食事動作が円滑にできる場面が増えてきている。頭部MRIを示す。この食事動作の病態として考えられるのはどれか。
1: 観念失行
2: 視覚性失認
3: 運動維持困難
4: 右上肢運動麻痺
5: 右上肢深部覚障害
52歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージIII、クラスIIである。図のような手の変形がみられる。この患者の日常生活における関節保護手技で適切なのはどれか。
42歳の女性。多発性神経炎。手袋靴下型感覚障害がある。筋力は上肢近位筋群4(Good)、手指筋群4(Good)である。この患者が行う作業種目で適切でないのはどれか。
45歳の女性。遠位型ミオパチー。下肢筋力低下が徐々に進行し両側の下垂足を認める。最近つまずいて転倒することや捻挫することが多くなり装具を検討し歩行の改善を目指すことになった。下肢筋力を表に示す。最も適切な装具はどれか。
1: PTB短下肢装具
2: 足関節軟性装具
3: スウェーデン式膝装具
4: 金属支柱付き長下肢装具
5: プラスチック短下肢装具
48歳の女性。関節リウマチ。スタインブロッカーのステージIII、クラスIII。ADL指導で正しいのはどれか。
30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。
1: 挨拶ができない。
2: 心気的な訴えが多い。
3: 体力がなく疲れやすい。
4: すぐに仕事に飽きてしまう。
5: 仕事の段取りがつけられない。
55歳の女性。関節リウマチ。発症後3年。Steinbrocker(スタインブロッカー)のステージIII、クラス3、環軸椎間に亜脱臼がある。両肩肘の可動域制限は著明である。両手関節に運動時疼痛がある。作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 関節可動域訓練は関節炎があるときも通常量で継続する。
2: 手関節可動域訓練は訓練後疼痛が残らない程度に行う。
3: 頭頸部の屈筋の筋力強化を行う。
4: 等尺性収縮を利用した運動で上肢の筋力維持を図る。
5: 革細工のカービングで手指の巧緻性を高める。
40歳の男性。Charcot-Marie-Tooth病と診断され、最近跛行を呈するようになった。リハビリテーション科を受診し理学療法が開始された。この患者にみられるのはどれか。
1: 脊柱側弯変形
2: 股関節屈曲制限
3: 膝関節屈曲拘縮
4: 腓腹筋仮性肥大
5: 下垂足
48歳の女性。上肢の麻痺を訴え受診した。患者が、手関節と手指を、軽度屈曲位にした状態から伸展しようとしたときの手の写真を示す。この病態の原因はどれか。
1: 橈骨神経上位麻痺
2: Guyon管症候群
3: 前骨間神経麻痺
4: 後骨間神経麻痺
5: 肘部管症候群
70歳の男性。慢性閉塞性肺疾患で%VC 70%、FEV1.0% 75%。この患者に対する理学療法で誤っているのはどれか。
1: 息切れ時のポジショニングの指導
2: 息こらえをしながら立ち上がる訓練
3: 自転車エルゴメーターによる持久力訓練
4: 下肢の筋力強化のためのハーフスクワット訓練
5: 上肢の筋力強化のための四つ這いでの腕立て伏せ訓練
37歳の女性。境界性パーソナリティ障害。高校卒業後、アルバイトをしていたが、気に入らないことがあると急に家出することを繰り返すため仕事は長続きしなかった。薬物療法と同時に外来作業療法が開始となった。作業療法の目的で適切なものはどれか。2つ選べ。
1: 居場所をつくる。
2: 情緒の安定を図る。
3: 治療者への依存を促す。
4: 衝動性の行動化を促す。
5: 治療者への理想化を促す。
45歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し1か月経過した。病変部位はMRIで左角回と左側頭葉後下部であった。運動麻痺は認められない。生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 運動保続
2: 失読失書
3: 地誌的失見当
4: 半側空間無視
5: 道具の強迫的使用
56歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは左上肢Ⅲ、左手指Ⅲ、左下肢V。この患者で実用的にできる動作はどれか。