62歳の女性。転倒により骨折した。固定期間中に非固定部の関節可動域訓練を行う際、適切でないのはどれか。
1: 固定後早期から開始する。
2: 可動域検査は上肢全体を行う。
3: 自動運動を原則とする。
4: 骨折部を固定して行う。
5: 骨折部の痛みがあっても続ける。
55歳の女性。慢性関節リウマチ。発症後10年経過。スタインブロッカーのクラスII。作業療法評価で適切でないのはどれか。
1: 総自動運動(TAM)
2: ブレークテスト
3: 簡易上肢機能テスト(STEF)
4: リーチテスト
5: FIM
60歳の女性。脊髄小脳変性症。四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。
70歳の男性。3年前に右手の振戦によってParkinson病を発症し、在宅で治療を行っている。ADLは自立していたが、1か月前に風邪をひいてから歩く速さが遅くなり、歩行の際に一歩めが思うように前に出ず、歩き出してからも前方に転びそうになることが多いという。在宅での理学療法における歩行指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 両下肢に弾性包帯を装着する。
2: 足関節に重錘バンドを装着する。
3: 一歩目を小さく前に出すよう指導する。
4: 床にはしご状の目印を付けてまたがせる。
5: かけ声などをかけてもらいながら歩くよう指導する。
62歳の男性。閉塞性動脈硬化症。著しい感染を伴った下肢壊疽に対して大腿切断術が施行され短断端となった。糖尿病性末梢神経障害を合併している。この患者の術直後の断端管理で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 断端の色調を観察する。
2: 断端の自動運動を行う。
3: 切断部の温熱療法を行う。
4: ギプスソケットを装着する。
5: 切断側股関節を外転位に保持する。
63歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後2か月。歩行時の立脚相に図のような現象を認めた。患側に対する理学療法で適切でないのはどれか。
1: 下腿三頭筋のタッピング
2: 前脛骨筋の治療的電気刺激
3: 短下肢装具を用いた歩行
4: 膝屈曲位での体重支持
5: 下腿後面のアイシング
85歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。歩行練習中に下肢装具の条件を変えて歩行を比較したところ、底屈制動を軽減して中足足根関節部以遠の可撓性を高めることで歩幅が増加した。改善に影響を与えた麻痺側の主な歩行周期はどれか。
1: 荷重応答期
2: 立脚中期
3: 立脚後期
4: 遊脚中期
5: 遊脚後期
68歳の女性。2年前から左難聴を自覚していた。3か月前から歩行時のふらつきがあり、歩行困難となった。聴神経鞘腫と診断され作業療法を依頼された。頭部MRIを示す。初回評価する症状で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 失調
2: 発汗障害
3: 視野障害
4: 知能障害
5: ジストニア
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMTは上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: ビーズで指輪を作る。
2: 木工作業で本棚を作る。
3: 卓上編み機でマフラーを編む。
4: 小さな刻印で革に模様をつける。
5: ネット手芸でティッシュボックスを作る。
軽度認知症を伴う保存的治療中の高齢骨折患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 病前生活、特に趣味などに関連した作業を行う。
2: 患者同士の交流ができる場面を設定する。
3: 日時、場所、ニュースなどの会話を心がける。
4: 固定中の関節には等張性運動を用いた作業で筋萎縮を防ぐ。
5: 局所の固定を妨げない関節には可動域訓練を行う。
65歳の男性。脳卒中による右片麻痺。発症後3か月経過。下肢のブルンストローム法ステージIII。多点杖で歩行訓練を行っているが、下腿三頭筋の痙縮が強く、内反尖足が顕著である。適切な装具はどれか。
50歳の男性。脳卒中発症後3か月経過した片麻痺。ブルンストローム法ステージは下肢III。中等度痙縮のため足部内反尖足を呈する。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 長・短腓骨筋の筋再教育
2: 後脛骨筋の徒手的伸張法
3: 後脛骨筋の筋力増強訓練
4: 下腿三頭筋の持続伸張法
5: 下腿三頭筋への寒冷療法
29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが、検査では異常は認められなかった。紹介されて精神科外来を受診し、入院することとなった。手足がふるえ、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 自己洞察を促す。
2: 自己表現の機会を増やす。
3: 身体症状に対して対応する。
4: 自己中心的な依存は禁止する。
5: 集団活動で役割を担ってもらう。
47歳の右利きの女性。脳出血発症後2か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。麻痺側の感覚障害を認めた。図に発症時の出血部位(出血部位:網かけ)を示す。脳の他の部位には萎縮や低吸収域を認めなかった。患側上肢の分離運動を促通するための作業で適切でないのはどれか。
54歳の女性。糖尿病性末梢神経障害。インスリンによる治療を受けている。低血糖発作の既往が指摘されている。作業療法中、この患者に現れる初期の低血糖症状で可能性が高いのはどれか。
1: 発汗
2: 複視
3: けいれん
4: 行動異常
5: 意識障害
55歳の女性。慢性関節リウマチ。発症後10年経過。スタインブロッカーのクラスII。この患者の住環境整備で適切でないのはどれか。
1: 床面のフローリング化
2: 便座の補高
3: ベッドの導入
4: タオル掛けを手すりとして利用
5: ドアノブの変更
60歳の女性。視床出血発症後1か月。左片麻痺を認め、Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅳである。左手指の発赤、腫脹および疼痛を認め、訓練に支障をきたしている。この患者に対する治療で正しいのはどれか。
1: 交代浴を行う。
2: 肩関節の安静を保つ。
3: 手指の可動域訓練は禁忌である。
4: 疼痛に対し手関節の固定装具を用いる。
5: 肩関節亜脱臼にはHippocrates法による整復を行う。
55歳の女性。右利き。脳梗塞による左片麻痺。発症15日目のブルンストローム法ステージは上肢III・手指III・下肢III、左足にクローヌスと内反尖足を認める。感覚障害や高次脳機能障害はない。早期に移動能力を獲得するために適切な装具はどれか。
1: 靴型装具
2: 短下肢装具
3: 硬性膝装具
4: 長下肢装具
5: 骨盤帯付長下肢装具
70歳の女性。変形性股関節症に対する左人工股関節全置換(骨セメント使用)後3週経過。全荷重歩行可能。ADLの指導で適切でないのはどれか。
1: 手すりを用いた階段昇降
2: 洋式トイレ動作
3: シャワーチェアを用いた入浴
4: ソックスエイドを用いた靴下はき
5: あぐら座位
感覚障害を合併するのはどれか。2つ選べ。
1: 多発性硬化症
2: 重症筋無力症
3: 筋萎縮性側索硬化症
4: 肢帯型筋ジストロフィー
5: 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー