50歳の女性。外傷性頸髄損傷。筋力は左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、上腕三頭筋4、長橈側手根伸筋4、橈側手根屈筋1、手指伸筋4、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0であった。この患者の機能残存レベルはどれか。
1: 第5頸髄節
2: 第6頸髄節
3: 第7頸髄節
4: 第8頸髄節
5: 第1胸髄節
ダニエルスらの徒手筋力テストにおいて筋力1(Trace)の筋と触診部位との組合せで正しいのはどれか。
1: 大腰筋-縫工筋の外側
2: 中殿筋-大転子の下方
3: 大腿二頭筋-膝関節後面の内側
4: 前脛骨筋-足関節前面の内側
5: 後脛骨筋-外果と踵骨の間
40歳の女性。主婦。脳出血後3年経過。右片麻痺。上肢のブルンストローム法ステージ上肢IV・手指IV・下肢IV。「右の手足の突っ張りが強くなった」と訴えている。日常生活の指導として誤っているのはどれか。
1: 調理のときはシンクに軽く寄りかかり、右足底にも体重をかける。
2: 食事のときは麻痺側上肢をテーブル上に載せる。
3: 椅子座位では左の殿部に体重をかけて座る。
4: 日に何度かは両手を組んでテーブル上で両上肢を伸ばす。
5: 掃除機を使用するときは、両手を添える。
60歳の男性。脳梗塞後、5か月。右片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢IV・手指IV。座位は安定している。麻痺側上肢の作業療法で適切なのはどれか。
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1: サドル付型を用いる。
2: ピックアップ型を用いる。
3: 歩行器は軽量のものを選ぶ。
4: 上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5: 上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。この障害への対応として適切でないのはどれか。
1: 食事場面で患側にある食物を意識させる。
2: 体幹は健側方向への回旋を意識させる。
3: 理学療法士は患側に立って治療を行う。
4: 車椅子での集団風船バレーに参加させる。
5: 車椅子の患側のブレーキレバーに目印をつける。
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年が経過。四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり、ADLは全介助。球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚している。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 口 唇
3: 呼 気
4: 手 指
5: 外眼筋
30歳の女性。多発性硬化症によるL1レベル以下の対麻痺の増悪を認め、Danielsらの徒手筋力テストで下肢筋力は2となったが、ステロイドパルス療法でようやく症状の進行が止まった。この時期における理学療法で適切なのはどれか。
1: 上肢筋力増強訓練
2: 下肢筋力増強訓練
3: 関節可動域訓練
4: 座位持久性訓練
5: 立位訓練
腰椎椎間板ヘルニアについて正しいのはどれか。
1: L4神経根障害では長母趾屈筋の筋力低下を生じる。
2: L5神経根障害では下腿外側から足背の知覚異常を伴う。
3: L5神経根障害では大腿神経伸張テストが陽性となる。
4: S1神経根障害では前脛骨筋の筋力低下を生じる。
5: S1神経根障害では膝蓋腱反射が低下する。
図は橈骨神経損傷後3週間目の長橈側手根伸筋のSD曲線である。クロナキシー(時値)はどれか。
1: 0.1
2: 0.3
3: 1.0
4: 3.0
5: 10.0
末梢神経障害患者の筋力増強訓練で誤っているのはどれか。
1: 経皮的電気刺激(TENS)は有効である。
2: バイオフィードバック療法は有効である。
3: PNFは有効である。
4: 遠心性運動は過負荷になりやすい。
5: 等運動性訓練機器を用いる。
左手を触診している写真(①〜⑤)を別に示す。Danielsらの徒手筋力テストで長母指外転筋のTraceを判断する場合の触診部位として正しいのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
可動域制限のない患者に図のような肢位をとらせたところ5秒間保持できた。Danielsらの徒手筋力テストにおける段階3以上と推測できる筋はどれか。
1: 左三角筋中部線維
2: 右上腕二頭筋
3: 左中殿筋
4: 右腸腰筋
5: 右前脛骨筋
脳卒中片麻痺患者の肩関節亜脱臼に対する対策で適切でないのはどれか。
1: 車椅子へのアームトレイ設置
2: 麻痺筋への機能的電気刺激(FES)
3: EMGバイオフィードバック
4: アームスリングの装着
5: 上肢の体幹固定
50代の女性。脳出血による右片麻痺。発症後8か月が経過した。右利きであったが利き手交換を実施した。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅴ、感覚機能は表在・深部とも軽度鈍麻で、握力は右2 kg、左28 kg、立位バランスは良好である。この患者が実施可能な動作はどれか。
作業療法で正しいのはどれか。
1: テニス肘では90°以上の肘屈曲を避ける。
2: 切断指再接着直後の浮腫には寒冷療法を用いる。
3: 肩関節腱板断裂では肩甲骨の回旋運動を制限する。
4: ZoneⅡの屈筋腱損傷の術直後は手関節を屈曲位に保つ。
5: 上腕骨骨幹部骨折では肩関節内外旋訓練を早期に開始する。
65歳の男性。農作業中に右上腕切断、標準断端である。受傷後1か月経過。義手の作製と訓練のため入院した。作業療法の訓練で適切でないのはどれか。
1: ブロックを用いたフック操作
2: 鏡を用いた肘継手のロック操作
3: 義手の着脱
4: 義手での書字
5: 両手による紐結び
55歳の女性。若年時から跛行がある。ここ数年で右股関節痛が増悪し来院した。運動麻痺、感覚障害はなく、整形外科的手術の既往もない。背臥位、膝屈曲位で図のような肢位がみられた。異常がみられない評価項目はどれか。
1: 大腿周径
2: 棘果長
3: 股関節の関節可動域
4: 下肢の徒手筋力テスト
5: 下肢の腱反射
50歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、歩行は自立しているが、更衣、入浴動作に介助が必要である。この時期の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.高負荷での筋力増強訓練イ.頸椎固定装具の作製ウ.電動車椅子の操作エ.呼吸筋群の強化訓練オ.上肢の関節可動域訓練
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
86歳の女性。軽度の左変形性膝関節症のため杖歩行であったが、ADLは自立していた。突然の右上下肢筋力低下と構音障害とが出現し、歩行不能となったため発症後1時間で緊急入院した。意識は清明で軽度の筋力低下を認めた。入院後2時間で筋力は徐々に元の状態まで改善し、発語も正常となった。頭部MRIとMRAとに明らかな異常を認めなかった。抗凝固薬の調整のため入院を継続した。この患者への介入方針で適切なのはどれか。
1: 入院後3日間はベッド上安静とする。
2: 嚥下障害が疑われるので禁食とする。
3: 両下肢筋力増強訓練が必要である。
4: 歩行訓練は7日目から開始する。
5: 持久性トレーニングは14日目から開始する。