骨折の合併症で正しいのはどれか。
1: 肋骨骨折後に奇異呼吸がみられたら肺炎を疑う。
2: Monteggia骨折後の橈骨神経麻痺は感覚障害を伴う。
3: 舟状骨骨折後の偽関節にはギプスによる保存療法を行う。
4: 上腕骨外顆骨折後の内反肘は遅発性尺骨神経麻痺の原因となる。
5: 橈骨遠位端骨折後の伸筋腱断裂はリスター結節部で起こりやすい。
17歳の女子。転換性障害。高校1年の2学期終了前にボーイフレンドと別れてから欠席がちとなり、頭痛、肩こり、無気力を訴えた。進級後も欠席が多く大学病院を受診したが、症状の改善がみられず2か月入院した。入院中に手首を切ったことがある。その後、復学したが教室で頻回に倒れ再入院となった。復学を目的に作業療法が処方された。作業療法開始後、1か月経過。作業療法室で突然に転倒することが頻回にあるが、けがはない。転倒時の作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 倒れた状態を確認してそのまま観察する。
2: ベルトをゆるめたり、ボタンをはずしたりして呼吸を楽にする。
3: 抱き起こして意識の有無を確認する。
4: すぐに主治医を呼び手当をしてもらう。
5: 周りの患者に手伝ってもらい別室に運び休ませる。
脊髄残存髄節と図に示す可能な動作との組合せで誤っているのはどれか。
1: 第5頸髄節-車椅子駆動
2: 第6頸髄節-起き上がり
3: 第7頸髄節-起き上がり
4: 第1胸髄節-装具歩行
5: 第2腰髄節-装具歩行
65歳の男性。脊髄小脳変性症。四肢の企図振戦があり、起立および歩行は可能であるが、方向転換ではバランスを崩しやすい。適切な運動療法はどれか。
1: 棒体操
2: ロフストランド杖による4点歩行
3: 手拍子のリズムに合わせた歩行
4: ボール上座位バランス
5: モンキーウォーク
83歳の男性。大腿骨頸部骨折で入院中。受傷前は屋内歩行が自立していた。自宅退院に向けた準備を開始した。適切でないのはどれか。
1: 便座の高さは30 cmにする。
2: 玄関スペースは車椅子用に130 cm×130 cm確保する。
3: 洗い場、浴槽内とも滑り止めを敷く。
4: 廊下に足元灯をつける。
5: ベッドに移動バーをつける。
86歳の女性。軽度の左変形性膝関節症のため杖歩行であったが、ADLは自立していた。突然の右上下肢筋力低下と構音障害とが出現し、歩行不能となったため発症後1時間で緊急入院した。意識は清明で軽度の筋力低下を認めた。入院後2時間で筋力は徐々に元の状態まで改善し、発語も正常となった。頭部MRIとMRAとに明らかな異常を認めなかった。抗凝固薬の調整のため入院を継続した。この患者への介入方針で適切なのはどれか。
1: 入院後3日間はベッド上安静とする。
2: 嚥下障害が疑われるので禁食とする。
3: 両下肢筋力増強訓練が必要である。
4: 歩行訓練は7日目から開始する。
5: 持久性トレーニングは14日目から開始する。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。意識は清明。Brunnstrom法ステージは上下肢、手指いずれもIである。飲水でひどくむせている。この時期に行う作業療法で適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 嚥下障害に対して間接訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
左肩関節脱臼骨折後3か月の患者の両手の写真を示す。左手に、他動的に動かされると増強する強い疼痛がある。この患者への対応で適切でないのはどれか。
1: 低出力レーザー照射
2: 間欠的機械的圧迫
3: 温冷交代浴
4: 超短波照射
5: 渦流浴
55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。
1: 長対立装具
2: IP伸展補助装具
3: ナックルベンダー
4: Thomas型懸垂装具
5: コックアップ・スプリント
65歳の男性。農作業中に右上腕切断、標準断端である。受傷後1か月経過。義手の作製と訓練のため入院した。作業療法の評価で誤っているのはどれか。
1: 断端周径は定期的に計測する。
2: 肩甲骨、肩関節の関節可動域を測定する。
3: 肩関節周囲筋の筋力測定を行う。
4: 能動義手の長さは肩峰から尺骨茎状突起までとする。
5: 感覚検査を行う。
骨関節疾患と治療との組合せで誤っているのはどれか。
1: 頸椎症-頸部筋の等尺性運動
2: 化膿性脊椎炎-超音波療法
3: 肩関節周囲炎-コッドマン体操
4: 変形性股関節症-部分免荷歩行
5: 先天性股関節脱臼-牽引療法
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
1: 金属支柱の強度を増した。
2: 下腿半月を深くした。
3: 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
4: 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
5: 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
38歳の男性。交通事故による右腕神経叢損傷。肘屈曲を指示したところ、抗重力位では、回外位、中間位、回内位とも自動運動はみられなかった。そのため図のように重力を除いた肢位にしたところ、手関節の伸展、前腕の回内を伴いながら全可動域屈曲した。しかし前腕回外位のままでは肘屈曲ができなかった。この患者の肘屈曲について正しいのはどれか。
1: 上腕二頭筋の筋力は2(Poor)である。
2: 上腕二頭筋の筋力は3(Fair)である。
3: 腕橈骨筋の筋力は3(Fair)である。
4: 除重力位での肘屈曲は主として長橈側手根伸筋で行っている。
5: 除重力位での肘屈曲は主として橈側手根屈筋で行っている。
12歳の女児。特発性側弯症。腰椎部コブ角30゜。ボストンブレース装着。理学療法および指導で誤っているのはどれか。
1: 体幹の筋力を強化する。
2: 体幹の拘縮を予防する。
3: 体育は装具を外して行う。
4: 就寝時は装具を外す。
5: 装具は骨端線が閉鎖するまで装着する。
30歳の男性。膝前十字靭帯損傷で再建術後4週経過。膝蓋骨遠位部で深さ1 cmの部位に癒着を認める。超音波療法で誤っているのはどれか。
1: 連続波を使用する。
2: 照射面積は導子面積の6倍以内とする。
3: 導子の速度は1~2 cm/秒で行なう。
4: 水中照射法が可能である。
5: 周波数は3 MHzを使用する。
外傷と合併しやすい神経障害の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 肩関節前方脱臼 − 肩甲上神経麻痺
2: 上腕骨骨幹部骨折 − 橈骨神経麻痺
3: 橈骨遠位端骨折 − 尺骨神経麻痺
4: 股関節後方脱臼 − 坐骨神経麻痺
5: 脛骨骨折 − 脛骨神経麻痺
我が国の脊髄損傷の疫学について正しいのはどれか。
1: 男性よりも女性が多い。
2: 不全損傷よりも完全損傷が多い。
3: 頸髄損傷よりも胸腰髄損傷が多い。
4: 原因はスポーツ事故よりも転倒が多い。
5: 受傷年齢は20代をピークとした一峰性を示す。
外傷による骨折や脱臼と合併する神経麻痺との組合せで誤っているのはどれか。
1: 肩関節前方脱臼-腋窩神経麻痺
2: 股関節後方脱臼-坐骨神経麻痺
3: モンテジア骨折-尺骨神経麻痺
4: 上腕骨骨幹部骨折-橈骨神経麻痺
5: 橈骨遠位端骨折-正中神経麻痺
25歳の男性。登山で滑落し頸髄完全損傷。Danielsらの徒手筋力テストで左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、長橈側手根伸筋4、上腕三頭筋1、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0である。この患者の生活動作で誤っているのはどれか。
30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
1: 受傷前の職場を訪問させる。
2: 包丁を用いた調理訓練を行う。
3: 作業の工程リストを作らせる。
4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。
5: 怒り出したときには厳格に注意する。