Bell麻痺の理学療法で正しいのはどれか。
1: 前頭筋には行わない。
2: 顔面の感覚再教育を行う。
3: 咬筋の筋力増強を中心に行う。
4: 舌運動の非対称性を改善する。
5: Synkinesis(随伴運動)を抑制する。
Brunnstrom法ステージの検査において、ステージと可能な随意運動の組合せで正しいのはどれか。
1: 上肢Ⅱ――肘関節90°屈曲位で前腕を回内・回外ができる。
2: 上肢Ⅲ――腕を側方水平位に挙上することができる。
3: 手指Ⅳ――手指集団伸展が十分にでき、様々な握りができる。
4: 下肢Ⅴ――立位で踵を床につけたまま足関節を背屈することができる。
5: 下肢Ⅵ――立位で股関節伸展位での膝関節屈曲ができる。
図は右片麻痺患者が右体側に置かれたブロックを左手で左体側方向へ移動させているところである。この作業について誤っているのはどれか。
1: 患側上肢に体重を負荷し肘屈筋と伸筋との同時収縮を得る。
2: 患側の手指伸展によって前腕屈筋群の筋緊張を高める。
3: 短縮傾向にある患側体幹の伸張を図る。
4: 患側肩甲骨の内外転を得る。
5: 患側肩関節の内外旋を得る。
30歳の男性。アテトーゼ型脳性麻痺。頸椎症性脊髄症を発症し、歩行不能となった。電動車椅子を導入し、練習開始後2週で施設内自走が可能となったが、壁への衝突等があるために見守りが必要である。上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 貼り絵をする。
2: 木工で鋸を使う。
3: ドミノを並べる。
4: 版画で彫刻刀を使う。
5: 革細工でスタンピングをする。
片麻痺のADL指導で正しいのはどれか。
1: 上着は麻痺側の袖から通す。
2: 四つ這い位からの立ち上がりは健側膝立ち位から行う。
3: 起きあがりは麻痺側に寝返って行う。
4: 階段は二足一段で麻痺側から上る。
5: 車椅子からの移乗は麻痺側斜め前方に移動する。
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。Danielsらの徒手筋力テストでは上肢近位部3+、遠位部4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 木工作業で本棚を作る。
2: 七宝焼きでピアスを作る。
3: ざる編みで籐カゴを作る。
4: 卓上編み機でマフラーを編む。
5: 小さな刻印で革に模様をつける。
適切でない組合せはどれか。
1: 伸展パターンの強い痙直型脳性麻痺児-床に腰をおろした更衣指導
2: 非対称性姿勢の強いアテトーゼ型脳性麻痺児-正中位保持での食事指導
3: 筋緊張の低いダウン症児-前傾したバランスボードを用いた立位での遊び
4: 点頭てんかん児-電動車椅子の操作指導
5: 体幹変形を生じた重症心身障害児-座位保持装置の使用
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症と診断されて3年が経過。四肢や体幹に運動麻痺を生じてベッド上の生活となりADLは全介助。さらに球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚する。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 手指
3: 口唇
4: 呼気
5: 外眼筋
脳性麻痺の痙直型両麻痺で生じやすい肢位はどれか。
1: 踵足
2: 外反母趾
3: 股関節外転位
4: 股関節外旋位
5: クラウチング肢位
48歳の女性。上肢の麻痺を訴え受診した。患者が、手関節と手指を、軽度屈曲位にした状態から伸展しようとしたときの手の写真を示す。この病態の原因はどれか。
1: 橈骨神経上位麻痺
2: Guyon管症候群
3: 前骨間神経麻痺
4: 後骨間神経麻痺
5: 肘部管症候群
40歳の男性。右橈骨神経麻痺で長橈側手根伸筋の徒手筋力テストは1(Trace)。EMGバイオフィードバック療法で誤っているのはどれか。
1: 治療法の原理を十分説明する。
2: 静かな室内で実施する。
3: 前腕肢位を中間位で行う。
4: 記録電極を前腕尺側に設置する。
5: 筋電波形の閾値設定は細かく調節する。
65歳の女性。脳幹部の梗塞で、発症2日後からベッドサイドでの作業療法が処方された。血圧は不安定で、意識レベルも変動している状態である。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切なのはどれか。
1: 追視による眼球運動の評価
2: ベッド上での座位バランス評価
3: ミニメンタルステート検査
4: 簡易上肢機能検査(STEF)
5: 机上での線引きテスト
普通型車椅子の使用について誤っているのはどれか。
1: 上腕三頭筋の筋力低下では手をハンドリムに押しつける力が弱くなる。
2: 対麻痺患者は上腕二頭筋と長橈側手根伸筋を主動筋として駆動する。
3: 緩いスロープをバックで降りながらキャスター上げの訓練をする。
4: 段差の降りを介助する場合は後進が安全である。
5: 頸髄損傷(第7頸髄節まで機能残存)患者は屋外移動が自立できる。
脳血管障害の症状と理学療法との組合せで適切でないのはどれか。
1: 関節拘縮-モビライゼーション
2: 下肢共同運動-ブリッジ運動
3: 肩手症候群-ホットパック
4: 肩関節亜脱臼-肩関節周囲筋の同時収縮
5: 非対称性座位姿勢-体幹装具の作製
54歳の男性。勤務中に突然の気分不快を訴え病院を受診し、脳梗塞による左片麻痺にて入院となった。妻と子供との3人暮らしで家事は妻が担っていた。職業は会社員で事務仕事を行い、会社までは電車で通勤していた。3か月が経過して、ADLは自立し、患者は復職を希望するようになった。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅴで病院内外の杖歩行は自立している。認知機能に明らかな問題はない。この時点でのIADL評価で優先すべきなのはどれか。
1: 買い物
2: 公共交通機関の利用
3: 食事の用意
4: 火の始末
5: ベッドメイキング
急性期脳卒中片麻痺のベッドサイドでの評価で適切でないのはどれか。
1: JCS(Japan coma scale)
2: ブルンストローム法ステージ
3: ADLテスト
4: Physiological cost index
5: ROMテスト
4歳の女児。脳性麻痺。座位保持姿勢を図に示す。姿勢の特徴で正しいのはどれか。
1: 片麻痺が疑われる。
2: 重心は前方に偏位している。
3: ハムストリングスの短縮が疑われる。
4: 対称性緊張性頸反射の影響がみられる。
5: 頸部の立ち直り反応の低下が疑われる。
橈骨神経麻痺による下垂手に対してコックアップ・スプリントを作製する際に注意すべき点で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 母指と示指を対立位で固定する。
2: 遠位端はII~V指MP関節よりも長くする。
3: 橈骨・尺骨の茎状突起の除圧を図る。
4: ベルクロによる固定は、遠位端、近位端および手関節付近の3か所で行う。
5: 手関節を中間位(背屈0°)で保持する。
70歳の男性。左被殻出血発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢II、下肢III。歩行は四点杖を使用し、屋内歩行は自立している。立ち上がりは手すりか杖を使用すればかろうじて可能である。左上肢の支持がないとバランスを崩すが、体幹か下肢が壁などに接していれば立位の保持は可能である。この患者が自動的な諸機能のない洋式トイレを使用した場合に転倒の危険性が高いのはどれか。
1: 便器の蓋を開ける。
2: 便座に座る。
3: 清拭をする。
4: 便座から立ち上がる。
5: ズボンを上げる。