65歳以上の要介護者または要支援の認定を受けた人で介護が必要となった原因の割合(平成28年度国民生活基礎調査)が最も高いのはどれか。
1: 糖尿病
2: 認知症
3: 関節疾患
4: 骨折・転倒
5: 高齢による衰弱
認知・思考障害の強い統合失調症患者に対する認知行動療法で適切なのはどれか。
1: 考えを文字にして表す。
2: 一日の活動を記録して振り返る。
3: コラム法を用いて状況を吟味する。
4: 問題行動を思い返して内省を深める。
5: 相手の気持ちや状況の理解に焦点を当てて振り返る。
32歳の女性。統合失調症。デイケアに通所しているが、いつも人を避けるように過ごしていることが多い。スタッフが面談の中でその理由を尋ねると「会話をしていると、途中から何を話しているのか分からなくなります。それが恐くて人と話をする自信がないです」と訴えた。この患者の症状の評価で最も適切なのはどれか。
1: GAF
2: BADS
3: WCST
4: Rehab
5: BACS-J
79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。
1: 詩吟
2: 洋裁
3: 計算ドリル
4: 献立づくり
5: 立体パズル
被害妄想が持続し自宅に閉じこもることで安定している慢性期の統合失調症患者に対する訪問作業療法として適切な支援はどれか。
1: 外出の促し
2: 家事行為の指導
3: 近所づきあいの指導
4: 本人が困っていることの傾聴
5: 内服薬の種類についての話し合い
68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。開始時の作業活動で適切なのはどれか。
1: 籐細工
2: 園 芸
3: 音楽鑑賞
4: 絵 画
5: 文化刺繍
認知症患者への作業療法で改善されやすいのはどれか。
1: 失語
2: 記憶障害
3: 異常感情
4: 見当識障害
5: 遂行機能障害
Alzheimer型認知症で正しいのはどれか。
1: まだら認知症の特徴を示す。
2: 症状の経過は階段状の増悪を示す。
3: 認知症症状は老人斑の形成より遅れて出現する。
4: 神経原線維変化はタウ蛋白の細胞外沈着により起こる。
5: 現在では認知症治療薬を使用することで根本的治療も望める。
38歳の男性。30歳ころから歩行時にふらふらする感じを自覚していた。最近、階段昇降で手すりが必要となり、構音障害と上肢の協調性低下も出現した。症状が徐々に進行し、屋内つたい歩きとなったため入院した。意識は清明。知能は正常である。感覚障害はなく、病的反射も認めない。兄も同様の症状を呈している。MRI(写真①~⑤)を示す。この症例はどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。
1: 思考が緩徐でうまく進まない。
2: 思考の進行が突然遮断され、会話が停止する。
3: まわりくどく、要領よく思考目標に到達できない。
4: 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴う。
5: 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていく。
ADL評価の説明として正しいのはどれか。
1: FIMの項目で3点は中等度介助である。
2: Wee FIMの項目で10点は完全自立である。
3: Barthel Indexで合計50点はセルフケア要監視水準である。
4: 障害老人の日常生活自立度判定基準で、ランクAは自立である。
5: 認知症老人の日常生活自立度判定基準で、ランクⅠは全介助である。
Alzheimer型認知症について正しいのはどれか。
1: 男性に多い。
2: 階段状に増悪する。
3: 意味記憶の障害で発症することが多い。
4: 人物の見当識より時間の見当識が障害されやすい。
5: 軽度認知障害の約80%はAlzheimer型認知症に移行する。
Alzheimer型認知症について正しいのはどれか。
1: 階段状に増悪する。
2: 女性より男性に多い。
3: 意味記憶の障害で発症することが多い。
4: 人物の見当識より時間の見当識が障害されやすい。
5: 軽度認知障害の80%はAlzheimer型認知症に移行する。
前頭側頭型認知症に比べAlzheimer型認知症でみられやすい生活上の特徴はどれか。
1: 万引きしても悪びれない。
2: 同じものばかり食べ続ける。
3: 物を盗られたと家族を疑う。
4: 挨拶もなくふっと去っていく。
5: 眼についた文字を次々読み上げる。
認知症高齢者に用いる作業活動で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 工程の多い作業
2: 3時間程度の作業
3: 繰り返しのある作業
4: 道具の種類が多い作業
5: 過去になじみのある作業
70歳の男性。アルツハイマー型認知症。約1年前、家族に言動を注意されてからふさぎ込んだ。それ以来、家族との会話も少なくなった。最近、財布の置き場所を忘れたり、お湯を沸かそうとしてガスをつけたまま外出してしまうことが目立つようになった。1か月前、買い物に行ったまま自宅への帰り道がわからなくなり保護され入院した。症状で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.観念失行イ.失見当識ウ.記銘力障害エ.感覚失語オ.ゲルストマン症候群
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
我が国の65歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率として適切なのはどれか。
1: 5%
2: 15%
3: 35%
4: 50%
5: 70%
認知症患者への作業療法で適切なのはどれか。
1: 徘徊するため、着席を求めた。
2: 食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用した。
3: 患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れた。
4: 日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変えた。
5: ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理させた。
67歳の女性。Alzheimer型認知症。HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生とに低下を認めた。自宅から一人で外出する際に迷って保護されることが多くなり、送迎によって通所リハビリテーションに通っている。作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している。記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか。
1: 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。
2: 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。
3: 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。
4: 「もう〇月の〇日ですね」と伝えて日付を確認する。
5: 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。
68歳の男性。アルツハイマー型痴呆。数年前から道で迷ったり、電話できちんと受け答えしたのに、その内容を家人に伝えられなかったりした。最近では夜間になると興奮して動き回り、昼間はうとうとしている。半年ぶりに会った息子に初対面の人に挨拶するように対応したため、家人が心配して受診させ入院に至った。作業療法の導入で適切でないのはどれか。
1: 単純で繰り返しの多いものから始める。
2: 時間を要するものから始める。
3: 個別プログラムから始める。
4: 自信が得られるものから始める。
5: 得意であったものを取り入れる。