第54回午後第48問の類似問題

第53回午後:第15問

39歳の男性。アルコール依存症。前回退院後に連続飲酒状態となり、妻からの依頼で2回目の入院となった。入院の際、妻からお酒をやめないと離婚すると告げられた。離脱症状が治まるのを待って作業療法が開始された。用意されたプログラムには自ら欠かさず参加し、特に運動プログラムでは休むことなく身体を動かしていた。妻には「飲酒による問題はもう起こさないので大丈夫」と話している。この患者に対する作業療法士の対応として最も適切なのはどれか。  

1: 運動プログラムを増やす。

2: さらに努力を続けるよう伝える。

3: 支持的に接し、不安が示されたら受け止める。

4: 離婚されないためということを動機付けに用いる。

5: 過去の飲酒が引き起こした問題には触れないでおく。

  • 答え:3
  • 解説:アルコール依存症患者は、自分の問題を認めない防衛機制が働いていることが多い。この患者も、妻からの離婚の危機を回避するためにプログラムに参加し、「大丈夫」と言っているが、これも防衛機制の一つである。作業療法士は、患者が不安を示すときに支持的に接し、不安を受け止めることが最も適切な対応である。
  • 運動プログラムを増やすことは、患者の過度の頑張りを助長する可能性があり、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • さらに努力を続けるよう伝えることも、患者の過度の頑張りを助長する可能性があり、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • 患者が不安を示すときは、自身の問題に直面している状態と考えられるため、その際は支持的に接し、不安を受け止めることが適切である。
  • 離婚されないためということを動機付けに用いることは、危機が回避された後に断酒の理由がなくなるため、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • 過去の飲酒が引き起こした問題には触れないでおくことは、患者が自分自身で飲酒の問題を認めないままで、アルコール依存症の解決には繋がらない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第34回午前:第31問

49歳の男性。アルコール依存症。建設会社の営業社員。接待で飲酒の機会が多く、3年前に発症。断酒会を継続していたが、会社が倒産したのち連続飲酒となった。再就職のために断酒を希望し入院した。入院後1週で離脱症状から回復した。離脱症状でみられるのはどれか。2つ選べ。 ア.躁状態イ.睡眠障害ウ.幻 視エ.微小妄想オ.夜間せん妄  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第39回午前:第39問

50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。この患者の行動で予想されるのはどれか。  

1: 円滑な対人関係

2: 共感的な感情表出

3: 柔軟な判断

4: 高い目標設定

5: 熟慮した上での行動

第38回午前:第38問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。  

1: マクラメ

2: 散歩

3: パソコン操作

4: 革細工

5: 木工

第39回午前:第81問

アルコール依存症患者との関わりで適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 本人の行動には指示的に接する。

2: 焦燥感の表出には受容的に接する。

3: 身体機能の評価を行う。

4: 個人的な要求を優先する。

5: 作業量の調節は本人に任せる。

第38回午後:第56問

アルコール依存症の状態にある夫が妻から強く断酒を迫られ、「そんなにガミガミ言うから飲んでしまうんだ」と弁明する防衛機制はどれか。  

1: 知性化

2: 合理化

3: 同一化

4: 打ち消し

5: 反動形成

第52回午後:第40問

アルコール依存症の患者の離脱症状を示す発言はどれか。  

1: 「自分は飲酒量を減らさなければならない」

2: 「二日酔いで子供の運動会に行けなかった」

3: 「飲酒した晩の翌朝、迎え酒をすると汗がおさまる」

4: 「妻が自分の飲酒についてあれこれ言うのが不愉快だ」

5: 「自分は昔に比べて、ずいぶん酒が強くなったと思う」

第54回午前:第97問

アルコール離脱せん妄で正しいのはどれか。  

1: 生命への危険性は低い。

2: 羽ばたき振戦がみられる。

3: 抗酒薬を速やかに投与する。

4: 飲酒停止後72~96時間に多くみられる。

5: アルコール血中濃度の上昇に伴って生じる。

  • 答え:4
  • 解説:アルコール離脱せん妄は、アルコール依存症の患者が飲酒を停止した後に起こる症状で、幻覚や運動不安を伴う振戦せん妄が特徴的です。飲酒停止後72~96時間に多く見られ、生命への危険性もあるため注意が必要です。
  • 選択肢1は間違いです。アルコール離脱せん妄は生命への危険性があり、重篤な合併症で死亡することも稀にあるため、注意が必要です。
  • 選択肢2は間違いです。羽ばたき振戦は重篤な肝疾患患者の切迫昏睡時に見られることが多いですが、アルコール離脱せん妄では振戦せん妄が特徴的です。
  • 選択肢3は間違いです。抗酒薬はアルコール依存症の治療に用いられますが、振戦せん妄が生じている際には抗酒薬を投与すべきではありません。代わりに、ベンゾジアゼピンなどの薬物が用いられることがあります。
  • 選択肢4は正しいです。アルコール離脱症候群における振戦せん妄は、飲酒停止後72~96時間頃に生じることが多く、後期症候群(大離脱)と呼ばれます。
  • 選択肢5は間違いです。アルコール離脱せん妄は、アルコールによる身体依存の結果として生じるものであり、アルコール血中濃度の上昇に伴って生じるわけではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第49回午前:第18問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころから入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動がみられたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。  

1: 散歩

2: 革細工

3: パソコン操作

4: バレーボール

5: 院内新聞の編集

第34回午前:第97問

アルコール依存症の患者の家族が作業療法中面会に来た。家族への対応で適切でないのはどれか。  

1: 作業場面を見学させる。

2: その患者の作業内容を説明する。

3: 作業療法への参加状況を説明する。

4: 家族に見学の感想を面会後に尋ねる。

5: 家族の協力体制についてその場で話し合う。

第51回午前:第17問

40歳の女性。長年のアルコール摂取による肝硬変、膵炎および2次性糖尿病の合併症がある。飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり、夫に連れられて精神科を受診し、入院となった。離脱症状が治まり、作業療法が開始された。作業療法士の支援で適切なのはどれか。  

1: SSTを実施する。

2: 他者との協調行動を促す。

3: 酒害に関する心理教育を行う。

4: 作業療法士への依存は容認する。

5: 作業に対する頑張りを強化する。

第39回午前:第40問

50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。当面の身体活動の負荷量で適切なのはどれか。  

1: 2 METs

2: 4 METs

3: 6 METs

4: 8 METs

5: 10 METs

第35回午前:第37問

42歳の男性。アルコール依存症。事務職。35歳ころから飲酒による肝機能障害を呈する。最近、連続飲酒で長期無断欠勤となったため、本人も断酒を決意せざるを得なくなり入院となった。離脱症状の消褪後3週で作業療法が処方された。この患者の作業種目で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: マージャン

2: 小動物の世話

3: 散歩

4: ジョギング

5: パソコン操作

第35回午前:第98問

アルコール依存症の対人関係改善プログラムとして適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 共同画

2: 陶 芸

3: 革細工

4: 織 物

5: 文集作り

第52回午前:第98問

アルコールの離脱症候群はどれか。2つ選べ。  

1: 病的酩酊

2: けいれん発作

3: 複雑酩酊

4: 振戦せん妄

5: Wernicke脳症

第51回午前:第87問

アルコール性肝障害について正しいのはどれか。  

1: アルコール性肝炎は自覚症状に乏しい。

2: アルコール性脂肪肝では腹痛がみられる。

3: アルコール積算飲酒量と肝障害の発症率は無関係である。

4: アルコール性肝硬変では断酒を続けても組織病変は正常化しない。

5: アルコール性肝硬変では肝細胞癌の発症率が健常者の3倍以上である。

第41回午前:第40問

36歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒をしていた。昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、薬物療法と作業療法で症状は安定した。主治医から退院を勧められた後、作業療法場面で泣き出すなど情緒不安定になった。この患者への対応で適切でないのはどれか。  

1: 支持的な態度で患者の訴えを聞いた。

2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。

3: 情緒不安定になったことを作業終了後に主治医へ報告した。

4: 作業療法終了後も行動観察をした。

5: 作業療法の実施回数を増やした。

第48回午前:第16問

53歳の男性。アルコール依存症。34歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。1週前から終日飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄がみられたが、3週後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。作業療法場面でみられやすいのはどれか。  

1: 柔軟な判断

2: 高い目標設定

3: 共感的な感情表出

4: 熟慮に基づく行動

5: 円滑な対人関係の構築

第41回午前:第82問

アルコール依存症に関連した症状でないのはどれか。 ア.観念奔逸イ.作話ウ.振戦せん妄エ.けいれん発作オ.強迫行為  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第41回午前:第81問

アルコール依存症の特徴で誤っているのはどれか。  

1: 慢性化しやすい。

2: 身体依存を示す。

3: 初期から精神依存を自覚できる。

4: 家族には共依存が生じる。

5: 耐性が獲得される。