75歳の女性。頸椎症性神経根症。4年前から上肢のしびれ感がある。その領域を図に示す。障害を受けている神経根で正しいのはどれか。
1: C5
2: C6
3: C7
4: C8
5: Th1
第6頸髄節まで機能残存している頸髄損傷患者に対する作業療法として適切でないのはどれか。
1: 上衣着脱は被りタイプから練習する。
2: コンピュータの入力デバイスを検討する。
3: 排便は臥位で行えるように環境を整える。
4: 自己導尿ができるようにカテーテル操作を練習する。
5: 車椅子上で起立性低血圧が起こったときは前屈位をとる。
46歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅴ、手指Ⅴ、下肢Ⅴ。発症後7か月が経過し、認知機能はMMSEが24点、軽度の注意障害を認めている。既に退院し、父母と同居している。発症前は内装業に従事していたが、同職での復職が困難であることから、就労移行支援による雇用を目指している。作業療法士が患者に実施する内容で正しいのはどれか。
1: 就労準備は課題がなくなるまで続ける。
2: 雇用されたら支援が終了となる。
3: 実際の場面での職業評価を行う。
4: 雇用条件通りの就業を目指す。
5: 通勤は付き添いを前提とする。
5歳の男児。アテトーゼ型四肢麻痺。未定頸で体幹のコントロールは悪く、自力での寝返りと座位保持はできない。臥位姿勢では、下肢のはさみ肢位を伴う後弓姿勢がしばしばみられ、緊張性頸反射と緊張性迷路反射は残存している。この児に座位保持装置を作製する際に必要な調整で誤っているのはどれか。
1: ヘッドレストを付ける。
2: リクライニング式にする。
3: 胸ベルトを付ける。
4: 座面を水平に保つ。
5: 骨盤ベルトを付ける。
85歳の女性。脳梗塞による左片麻痺。歩行練習中に下肢装具の条件を変えて歩行を比較したところ、底屈制動を軽減して中足足根関節部以遠の可撓性を高めることで歩幅が増加した。改善に影響を与えた麻痺側の主な歩行周期はどれか。
1: 荷重応答期
2: 立脚中期
3: 立脚後期
4: 遊脚中期
5: 遊脚後期
20歳の男性。大学でラグビーの練習中に頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)となった。受傷後1か月の呼吸理学療法で適切でないのはどれか。
1: 排痰の促進
2: 胸郭可動性の確保
3: 横隔膜の筋力強化
4: 肋間筋の筋力強化
5: インセンティブ・スパイロメトリーを用いた呼吸訓練
誤っている組合せはどれか。
1: 先天性股関節脱臼 − リーメンビューゲル装具
2: 特発性側弯症 − ボストン装具
3: 正中神経麻痺 − Thomasスプリント
4: 関節リウマチ − フィラデルフィアカラー
5: Perthes病 − 股関節外転装具
70歳の女性。左変形性膝関節症に対する人工関節置換術後2週経過時、手術側下肢に深部静脈血栓症が発症した。理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 右膝関節の自動屈伸訓練
2: 左膝関節の他動屈伸訓練
3: 両足関節の自動底背屈訓練
4: 右大腿四頭筋の等張性収縮訓練
5: 左下肢伸展位挙上訓練(SLR訓練)
20歳の女性。頸髄完全損傷、Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類でC6A。洗顔動作を図に示す。左上肢を用いて体幹を前傾し洗面台に顔を近づけることができる。この動作の力源となる筋はどれか。
1: 三角筋
2: 腕橈骨筋
3: 上腕二頭筋
4: 橈側手根屈筋
5: 橈側手根伸筋
脳卒中片麻痺患者の麻痺側の肩の理学療法で正しいのはどれか。
1: 肩関節伸展運動は避ける。
2: 亜脱臼があるときは整復位で行う。
3: 関節可動域訓練では肩甲骨を固定して行う。
4: 麻痺側への寝返りでは麻痺側肩甲骨を内転位にする。
5: 自己介助による上肢挙上運動では反動を用いた方法を指導する。
44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。
1: 頸部:中間位
2: 肩関節:外転位
3: 右前腕:回内位
4: 体幹:軽度屈曲位
5: 膝関節:軽度屈曲位
58歳の男性。歩行時のふらつきを訴えて受診した。歩隔はやや広いが左右方向は安定しており、前後方向への振り子様の歩容がみられる。検査結果を表に示す。協調運動改善のための理学療法として適切なのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによるペダリング運動
2: rhythmic stabilization
3: 下肢筋群の持続的伸張
4: Frenkel体操
5: Epley法
32歳の男性。筋強直性ジストロフィー。手指を強く握ると筋強直のために開くのに時間がかかる。側頭部と頬部の筋萎縮と閉口障害を認める。筋力はMMTで頸部2、肩関節周囲2、肘関節周囲2、手指3、股関節周囲2、膝関節周囲2、足関節周囲1で、立位になればかろうじて短距離歩行可能である。労作時に動悸や呼吸苦の自覚はなく、SpO2の低下を認めない。正しいのはどれか。
1: ROM運動は筋強直に抵抗して行う。
2: 食事は咀嚼回数を減らす形態にする。
3: 等尺性収縮による筋力増強は行わない。
4: アンビューバックを活用した呼吸練習を行う。
5: 下肢装着型の補助ロボット導入は有効でない。
図A、Bの動作を示す頸髄損傷者である。握力は測定不可能であるが、極く軽い物品は図Aのような把持形態を用い、図Bのような肩関節外転運動を伴った回内運動が可能である。なお、顔にかかった掛け布団を払いのける動作は困難である。この患者の車椅子操作について正しいのはどれか。
1: ADL自立のためには電動車椅子が必要である。
2: 手とハンドリムに適切な摩擦が得られればハンドリムのノブは不要である。
3: 車椅子前進駆動には広背筋と上腕三頭筋が強く作用する。
4: 車椅子上での臀部の徐圧は部分的であっても自力では不可能である。
5: 体幹を前屈しフットプレートに手を届かせる方法はない。
5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能は側臥位までの寝返りが可能。背臥位と背臥位から引き起こしたときの状態を図に示す。臨床症状として可能性が低いのはどれか。
1: 足クローヌス陽性
2: 下肢の伸筋共同運動
3: 緊張性迷路反射の残存
4: パラシュート反応陽性
5: 股関節外転の可動域制限
70歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにIII。AFOとT字杖とで屋内歩行が自立した。ADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 自宅室内ではAFOを使用しない。
2: 浴槽への出入りは座位移動で行う。
3: セーターは座位で着脱する。
4: ズボンは立位で着脱する。
5: 洗顔は立位で行う。
65歳の女性。左変形性股関節症。3年前からの左股関節痛に対して後方侵入法で人工股関節置換術を受けた。術後のエックス線写真を示す。手術後3週までの患側の理学療法で正しいのはどれか。
1: 立ち上がり動作は股関節内旋位で行う。
2: 術後翌日から等尺性筋力増強練習を開始する。
3: 術後3日間はベッド上安静とする。
4: 術後2週は股関節を45度以上屈曲しない。
5: 術後3週は免荷とする。
80歳の男性。体重70 kg。介護者は腰痛のある70歳の妻で体重39 kg。誤嚥性肺炎による1か月の入院後、下肢の廃用性の筋力低下をきたしている。端座位保持は可能であるが、立ち上がりは手すりを把持しても殿部が挙上できずに全介助である。立位は手すりを把持して保持できるが、足踏み動作は困難である。車椅子への移乗介助に使用する福祉用具の写真を示す。妻の腰痛を助長しないことを優先して選択する用具として適切なのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
55歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、在宅療養中。現在、座位時間は1日4~5時間。車椅子の駆動はかろうじて可能。夫と息子は自宅の一角で自営業を営んでいる。仕事の忙しい時間帯はヘルパーを頼んでいる。患者の話す声は、かろうじて聞き取れる程度である。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 四肢の関節可動域訓練
2: モビールを吹く呼吸筋強化
3: ブロックでつまみ動作の訓練
4: 治療用パテで手指の筋力維持
5: 紙ヤスリで感覚再教育訓練
48歳の女性。上肢の麻痺を訴え受診した。患者が、手関節と手指を、軽度屈曲位にした状態から伸展しようとしたときの手の写真を示す。この病態の原因はどれか。
1: 橈骨神経上位麻痺
2: Guyon管症候群
3: 前骨間神経麻痺
4: 後骨間神経麻痺
5: 肘部管症候群