17歳の男子。2か月前に外傷性脳損傷。食事はスプーン使用。意識障害を脱して平行棒で歩行練習をしているが両踵が床に着かない。注意障害、発動性減退が目立つ。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側支柱付短下肢装具を作製する。
2: 日課に従って規則正しい生活を工夫する。
3: 実際的な生活場面を理学療法に取り入れる。
4: 誤りは直ちに大きな声で指摘する。
5: 外泊訓練を試みる。
脳卒中片麻痺の下肢症状と理学療法との組合せで適切でないのはどれか。
1: 内反尖足-体重負荷による持続的伸張
2: 下垂足-反射を利用した足背屈の誘発
3: 膝折れ-長下肢装具の使用
4: 反張膝-底屈制限10°の短下肢装具の使用
5: はさみ足-神経ブロックと伸張訓練との併用
左中大脳動脈閉塞で生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 自然にバイバイと手を振ることはできるが、指示されるとできない。
2: 着る手順を説明できるが、誤った着方をする。
3: 重度の運動麻痺があるのに、歩けると主張する、
4: 視界の左半分にある物を見落とす。
5: 色紙の色分けができない。
48歳の男性。脳梗塞後の右片麻痺。発症から5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにⅢ。T字杖で屋内歩行は自立しているが、疲労しやすく、すぐに椅子に腰掛ける。遠近感が分かりづらく、平地でつまずくことがある。自宅退院に向けた浴室の環境整備案を図に示す。設置する手すりとして必要でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
痙直型両麻痺を呈する脳性麻痺児の歩行訓練に際して、痙縮を抑制する手技の対象となるのはどれか。2つ選べ。
1: 大殿筋
2: 中殿筋
3: 長内転筋
4: 腓腹筋
5: 長腓骨筋
65歳の男性。脳卒中左片麻痺発症後3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢II、手指II、下肢II。左肩関節は一横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。左肩関節可動域は屈曲80°、外転60°、外旋10° と痛みを伴う制限がある。左半側空間無視があり、座位は患側前方へ傾き自立保持は不可能である。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 肩手症候群に対するアームスリング装着
2: 座位での健側上肢体重支持練習
3: 長下肢装具を用いた平行棒内立位訓練
4: 患側下肢の随意運動促通
5: 患側片肘立ちの起き上がり動作練習
顔面筋麻痺について正しいのはどれか。
1: 片側大脳病変では前頭筋麻痺が生じる。
2: 片側橋病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。
3: 片側延髄下部病変では同側の顔面筋麻痺が生じる。
4: 大脳病変では電気治療が有効である。
5: 末梢性病変では顔面筋全体の同時収縮を促すように電気治療を行う。
頭部外傷患者にみられる障害の特徴で適切でないのはどれか。
1: 自発性低下のため指示が必要である。
2: 受傷前後のことを忘れている。
3: 簡単なテストもいらいらして中断する。
4: 復職しても仕事を続けることが困難である。
5: 動作性知能より言語性知能の低下が大きい。
痙直型片麻痺児の促通すべき要素で誤っているのはどれか。
1: 患側肩甲帯の前方突出
2: 正中位での上肢活動
3: 体幹の支持性
4: 立位で下肢の陽性支持反射
5: 座位での平衡反応
脳卒中片麻痺の上肢に対するCI療法〈constraint-induced movement therapy〉で正しいのはどれか。
1: 非麻痺側上肢を拘束する。
2: 理学療法士の近位監視下で行う。
3: 疼痛が少しでもあれば適応とならない。
4: 他動的関節可動域運動を長時間行う方法である。
5: 患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる。
60歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。狭心症の既往がある。運動療法で誤っているのはどれか。
1: 訓練中は心電図をモニターする。
2: 運動負荷テストによって許容される最大心拍数を決定する。
3: 冷汗、顔面蒼白があれば訓練を中止する。
4: 訓練中に胸骨下部の痛みを訴えたら狭心痛を疑う。
5: 左肩他動運動は狭心痛を誘発する。
脳卒中後の肩手症候群について正しいのはどれか。
1: 体温上昇を伴う。
2: 脳卒中発症直後から生じる。
3: 重度の片麻痺で多くみられる。
4: 患側手背に限局した疼痛を認める。
5: 早期には上肢全体に高度な浮腫を認める。
作業療法中に「脳が溶けて流れ出す」と辛そうに訴える患者の症状として考えられるのはどれか。
1: 作為体験
2: 被害妄想
3: 思考奪取
4: 体感幻覚
5: 連合弛緩
70歳の男性。脳梗塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。考えられる障害はどれか。
1: 半側空間無視
2: 失 書
3: 失 語
4: 左同名半盲
5: 物体失認
誤っている組合せはどれか。
1: 脳卒中片麻痺-台付き爪切り
2: 慢性関節リウマチ-ソックスエイド
3: 頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)-トランスファーボード
4: アテトーゼ型脳性麻痺-ボタンエイド
5: 変形性股関節症-リーチャー
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ベッドサイドでの作業療法の評価として適切でないのはどれか。
1: 起座時には血圧を測定する。
2: 病棟でのADLについて情報を得る。
3: 端座位の保持は左側から介助する。
4: 言語機能のスクリーニングを行う。
5: 左手の物品操作能力を確認する。
片麻痺患者のADLで誤っているのはどれか。
1: 車椅子からベッドへの移乗は患側から近づく。
2: 椅子から立ち上がるときは健側下肢を後方に引く。
3: 階段は患側から降りる。
4: ズボンは患側からはく。
5: シャツは健側から脱ぐ。
21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。
1: 意識障害を確認する。
2: 血圧を測定する。
3: 頭部を低くする。
4: 留置バルーンカテーテルを開放する。
5: 便通を確認する。
脳卒中片麻痺患者に併発した場合、翌日の歩行訓練を控えるのはどれか。2つ選べ。
1: 心房内血栓
2: 深部静脈血栓
3: 膀胱結石
4: 起立性低血圧
5: てんかん発作