75歳の女性。突然の意識障害で搬入された。発症当日の頭部CTを示す。発症3日目のJCS(Japan coma scale)は10点であった。この時点での理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 体位変換
2: 座位訓練
3: 移乗訓練
4: 腹筋強化
5: 関節可動域訓練
35歳の男性。飲酒後電車内で寝過ごし、右上腕部の圧迫によって橈骨神経麻痺となった。受傷4日後で橈骨神経領域の感覚低下があり、手関節背屈および手指伸展の自動運動は困難である。この患者に対するアプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 上腕部のアイシング
2: 手関節背屈の抵抗運動
3: Engen型把持装具の使用
4: 手指・手関節の他動伸展運動
5: コックアップ・スプリントの使用
図に示す立ち上がり動作手順と疾患(障害)との組合せで誤っているのはどれか。
1: 左片麻痺
2: パーキンソン病
3: 腰髄損傷(第3腰髄節まで機能残存)
4: 筋ジストロフィー
5: 小脳性失調症
25歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。書字の際のボールペンを把持した場面を示す。片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。このような動作を行う頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。
1: C5A
2: C6A
3: C6B3
4: C7A
5: C8B
65歳の男性。右上腕外側の持続圧迫による橈骨神経麻痺。発症後3日。橈骨神経領域の感覚障害がある。Danielsらの徒手筋力テストで腕橈骨筋3、橈側手根伸筋2、尺側手根伸筋2、指伸筋2、長母指外転筋2、示指伸筋1である。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 手関節の伸展他動運動
2: MP関節伸展の抵抗運動
3: Capener装具による示指伸張
4: コックアップスプリントの装着
5: 手関節伸筋に対する遠心性収縮による筋力強化
54歳の男性。肺塞栓に併発した低酸素脳症。意識障害は2か月で回復し、歩行も2年間で介助レベルまで回復した。運動時の上肢のミオクローヌス、小刻み歩行、寡黙、認知障害や自発性低下がある。治療アプローチで誤っているのはどれか。
1: 上肢の素速い運動
2: 四つ這いでのバランス訓練
3: メトロノームを使った歩行
4: 低い台からの立ち上がり
5: 日記を用いた記憶の代償
右延髄外側の脳梗塞で認められるのはどれか。
1: 右顔面の温痛覚障害
2: 右顔面神経麻痺
3: 右上斜筋麻痺
4: 右片麻痺
5: 左小脳性運動失調
脳卒中後のPusher現象について誤っているのはどれか。
1: 右半球損傷に多い。
2: 垂直判断の障害が関係する。
3: 身体軸が非麻痺側に傾斜する。
4: 座位だけでなく立位でも認められる。
5: 端座位で体幹を正中位に近づけると非麻痺側の股関節が外旋する。
65歳の男性。変形性頸椎症。2年前から肩こりがあり、2か月前から頸部伸展時に右手の母指にしびれが出現し、右上肢のだるさと脱力感を自覚するようになった。下肢の症状やバランス不良はみられない。右上肢において筋力低下が最も生じやすいのはどれか。
1: 三角筋
2: 上腕三頭筋
3: 上腕二頭筋
4: 尺側手根屈筋
5: 長橈側手根伸筋
38歳の男性。30歳ころから歩行時にふらふらする感じを自覚していた。最近、階段昇降で手すりが必要となり、構音障害と上肢の協調性低下も出現した。症状が徐々に進行し、屋内つたい歩きとなったため入院した。意識は清明。知能は正常である。感覚障害はなく、病的反射も認めない。兄も同様の症状を呈している。臨床所見として認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 企図振戦
2: 膝踵試験異常
3: Romberg徴候
4: Lhermitte徴候
5: ミオトニア現象
75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルの脊髄損傷で四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位の保持と手すりを使用した立ち上がり動作は可能。食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守りが必要。衣服の着脱は介助があれば行える。自宅内は手すり歩行で移動し、屋外は車椅子移動。Frankel分類はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
56歳の男性。右利き。脳卒中による右片麻痺。発語は流暢だが内容は意味不明だった。また、「今日の天気は晴れです」の繰り返しを指示すると反復することができなかった。考えられる失語症はどれか。
1: 伝導失語
2: ブローカ失語
3: ウェルニッケ失語
4: 超皮質性運動失語
5: 超皮質性感覚失語
理学療法士が、図に示すように患者の左上肢を包むように支え、患者の右指で左の母指をつまむように指示している。この検査で評価しようとする障害はどれか。ただし、患者が右指で左母指をつまむ過程を観察することで評価を行う。
1: 右上肢の不随意運動
2: 右上肢の体性感覚障害
3: 左上肢の不随意運動
4: 左上肢の体性感覚障害
5: 半側無視
32歳の女性。頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。手指に可動域制限がある。手関節背屈時の写真(別冊No. 4)を別に示す。把持力を高めるために使用する装具として適切なのはどれか。
1: コックアップスプリント
2: Thomas(トーマス)スプリント
3: Oppenheimer(オッペンハイマー)スプリント
4: ナックルベンダースプリント
5: 短対立スプリント
38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。この患者のASIA機能障害尺度はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
脳卒中片麻痺患者(右片麻痺30名、左片麻痺30名)を対象に、自助具の使用について調査した。回答は右片麻痺患者で「使いやすい」13名、「使いにくい」17名、左片麻痺患者で「使いやすい」15名、「使いにくい」15名であった。麻痺側による回答の違いを統計学的に検定する方法はどれか。
1: t検定
2: χ2検定
3: 符号検定
4: Mann-Whitney検定
5: Wilcoxon符号付順位検定
7歳の男児。脳性麻痺の痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢ。床上を前方へ移動する様子を示す。考えられる状態はどれか。
1: 頭部保持能力の低下
2: 両側上肢の支持能力の低下
3: 下部体幹の支持能力の低下
4: 両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
5: 左右股関節の交互分離運動能力の低下
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1: サドル付型を用いる。
2: ピックアップ型を用いる。
3: 歩行器は軽量のものを選ぶ。
4: 上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5: 上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
85歳の女性。多発性脳梗塞。2年前大腿骨転子間骨折。T字杖歩行をしていたが、最近、転倒がみられるようになった。また、痴呆が出現し声かけをしないと歩行をしなくなり、ベッドに臥床することが多くなった。介護者である嫁の要請があり訪問による理学療法を開始した。理学療法および指導で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の等尺性筋力強化訓練
2: 介助歩行とその指導
3: 廊下に手すりを設置
4: ポータブルトイレへの移乗訓練
5: 屋外用車椅子の貸与
38歳の男性。30歳ころから歩行時にふらふらする感じを自覚していた。最近、階段昇降で手すりが必要となり、構音障害と上肢の協調性低下も出現した。症状が徐々に進行し、屋内つたい歩きとなったため入院した。意識は清明。知能は正常である。感覚障害はなく、病的反射も認めない。兄も同様の症状を呈している。MRI(写真①~⑤)を示す。この症例はどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤