57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年が経過。四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり、ADLは全介助。球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚している。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 口 唇
3: 呼 気
4: 手 指
5: 外眼筋
80歳の女性。5年前に発症した脳梗塞による右片麻痺がある。Brunnstrom法ステージは上肢、手指および下肢でⅢである。全失語を認める。FIMでは、ベッドへの移乗項目は3点で、車椅子での移動項目は3点である。訪問リハビリテーションを導入する際、目標として適切なのはどれか。
1: 屋外杖歩行の自立
2: 屋内杖なし歩行の獲得
3: 移乗動作の安定性の改善
4: 右手指機能の改善
5: 失語症の改善
46歳の男性。脊髄小脳変性症。最近、歩行が不安定となり、壁を伝うことが多くなってきた。片脚起立は困難。複視と眼振が強く、日常生活でも気分不良となる。理学療法として適切なのはどれか。
1: 継ぎ足歩行
2: Frenkel体操
3: 号令を用いた歩行
4: バランスボードを用いた起立訓練
5: リズミック・スタビリゼーション
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症と診断されて3年が経過。四肢や体幹に運動麻痺を生じてベッド上の生活となりADLは全介助。さらに球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚する。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 手指
3: 口唇
4: 呼気
5: 外眼筋
70代の女性。Alzheimer型認知症の診断を受けデイケアを利用しながら自宅で生活を続けている。独歩での移動は可能であるが、屋外では道に迷う。IADLは全介助である。感情のコントロールができなくなり、デイケア施設職員に文句を言ったり介護に抵抗することもある。この患者に対するデイケアプログラムで優先すべき目標はどれか。
1: 気分の安定
2: 買い物の練習
3: 対人関係の改善
4: 家事動作の練習
5: 短期記銘力の向上
脳卒中片麻痺患者のADL指導で適切でないのはどれか。
1: 寝返り動作では健側の方に行う。
2: 車椅子は片手駆動型が一般的である。
3: 階段の昇りは健側から、降りは患側から行う。
4: シャツの着衣は患側手から、脱衣は健側手から行う。
5: ベッドからの起立動作では健側足部を引き寄せてから行う。
21歳の男性。交通事故によるびまん性軸索損傷と診断された。意識は清明で運動麻痺はない。新しい物事を覚えるのが困難で記憶の障害が顕著である。この患者に対する適切なアプローチはどれか。
1: 毎日異なる課題を与える。
2: 記憶の外的補助手段を使う。
3: 試行錯誤が必要な課題を行う。
4: 複数の学習課題を同時に行う。
5: 日課は本人のペースで柔軟に変更する。
65歳の女性。右利き。脳出血による左片麻痺。発症後6か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。感覚障害と高次脳機能障害とはない。屋内は独歩可能である。日常生活で実用可能な両手動作はどれか。2つ選べ。
1: 財布から硬貨を出す。
2: ズボンを引き上げる。
3: りんごの皮をナイフでむく。
4: 荷物を頭上の棚の上に載せる。
5: 首の後ろでネックレスを留める。
80歳の女性。多発性脳梗塞。動作の観察から、明らかな運動麻痺はみられないが軽度の感覚障害が予想される。軽度の認知症があり、口頭での詳細な手順の説明は理解しにくい。深部感覚検査として適切なのはどれか。
1: 非検査肢の自動運動による模倣試験
2: 非検査肢の他動運動による模倣試験
3: 検査肢の自動運動による再現試験
4: 検査肢の他動運動による再現試験
5: 関節定位覚(母指探し)検査
25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この時期の実施上の留意点で適切でないのはどれか。
1: 参加に当たっての約束事を確認する。
2: 種目は患者に任せる。
3: 短期間で行えるものを選ぶ。
4: 手順と結果が明確なものを選ぶ。
5: 場面設定を一定にする。
69歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症から4週が経過。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、手指Ⅱ、下肢Ⅲ。移乗とトイレ動作は手すりを使用して自立、車椅子駆動は自立している。歩行は短下肢装具とT字杖を使用して軽介助が必要であり、病棟では車椅子で移動している。病室を図に示す。この患者に適切なのはどれか。
65歳の女性。アルツハイマー型認知症。2年前から物忘れがひどくなった。散歩に行って自宅に帰れなくなってから、抑うつ的となり自宅から出たがらなくなった。日中の臥床傾向が強く、夜中に徘徊するようになったため入院となった。この患者の作業療法の目的で適切でないのはどれか。 ア.生活リズムの改善イ.身辺処理能力の改善ウ.対人関係能力の改善エ.作業遂行能力の改善オ.安心感の提供
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
62歳の女性。約半年前から歩行中にふらつき、しゃべりにくいことに気付いていたが、最近これらの症状が悪化してきた。その他、四肢協調運動障害、頭部CTで小脳および脳幹萎縮を指摘されている。この症例の評価指標として適切でないのはどれか。
1: FBS
2: 踵膝試験
3: 鼻指鼻試験
4: FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
5: SARA〈scale for the assessment and rating test〉
45歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。病棟内のADLは自立している。この患者の調理動作訓練で適切でないのはどれか。
1: ゆでざるでめん類を茹でる。
2: 調理用ハサミで野菜を切る。
3: 台ふきんで調理台を拭く。
4: 皮むき器で大根の皮をむく。
5: 電子レンジで食品を温める。
25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者の作業療法場面でしばしばみられるのはどれか。2つ選べ。
1: 一人で作業をやりたがる。
2: 一つの作業に執着する。
3: 作業手順が覚えられない。
4: 病棟スタッフの悪口を言う。
5: 些細なことで自傷行為をする。
85歳の女性。ADLに一部介助が必要だが、屋内歩行はつたい歩きで自立している。3か月前に机に手をついて床から立ち上がろうとした際に転倒したが、骨折には至らなかった。自宅の住環境に関する助言として適切なのはどれか。
1: 敷居の段差に同系色のテープを貼る。
2: 階段や浴室に滑り止めマットを敷く。
3: 夜間の照明は視線の高さに設置する。
4: トイレの開き戸をカーテンに変更する。
5: 必要な物は手の届く範囲の床上に置く。
67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1: 幻視の訴えを正す。
2: 身体の活動量を減らす。
3: リズムのある反復動作は避ける。
4: 転倒しやすいことを本人に伝える。
5: 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
80歳の女性。夫と2人暮らし。認知症があり、MMSEは13点。自宅にて転倒し、救急搬送され大腿骨頸部骨折と診断されて人工骨頭置換術が行われた。その後、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、理学療法を開始したが消極的である。理学療法中の患者の訴えへの返答で適切なのはどれか。
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。その後、意識状態が改善した。歩行が困難であるにもかかわらず、ひとりでベッドから立ち上がろうとする。この患者に認められる可能性が高い症状はどれか。
1: 右手は自由に動かせるが、ジャンケンのチョキが模倣できない。
2: 5つの物品の中から指示した物を選択できない。
3: 「左手足は動きますか」と聞くと「はい」と答える。
4: 指示に対して右手足をほとんど動かせない。
5: 眼鏡を見て「めがね」と呼称できない。
70歳の男性。3年前に右手の振戦によってParkinson病を発症し、在宅で治療を行っている。ADLは自立していたが、1か月前に風邪をひいてから歩く速さが遅くなり、歩行の際に一歩めが思うように前に出ず、歩き出してからも前方に転びそうになることが多いという。在宅での理学療法における歩行指導で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 両下肢に弾性包帯を装着する。
2: 足関節に重錘バンドを装着する。
3: 一歩目を小さく前に出すよう指導する。
4: 床にはしご状の目印を付けてまたがせる。
5: かけ声などをかけてもらいながら歩くよう指導する。