認知症患者に対する作業療法の導入期で適切なのはどれか。
1: 新しい活動を用意する。
2: 活動内容に変化をもたせる。
3: 時間を要するものから始める。
4: 得意であったものを取り入れる。
5: 能力を少し上回る活動を提供する。
24歳の女性。知的障害。就労継続支援A型事業を利用中。就労意欲は高いが状況の判断能力が低く、他者の発言を被害的に受け取る傾向が強く欠勤が多くなり、作業療法士に相談に来た。この患者で優先して支援すべきなのはどれか。
1: 洞察
2: 職場の変更
3: 作業耐久性の向上
4: 生活リズムの安定
5: 対人関係技能の向上
薬物依存の患者に対する作業療法の目的でないのはどれか。
1: 退行の促進
2: 身体機能の改善
3: 衝動のコントロール
4: 日常生活能力の改善
5: 心理的耐久力の向上
統合失調症の回復期後期に行う作業療法の目的で適切なのはどれか。
1: 休息援助
2: 対人交流
3: 衝動発散
4: 欲求充足
5: 鎮静と賦活
30歳のてんかん患者。陶芸作業中、突然動作が止まりぼんやりして口をもぐもぐさせていた。しばらくして、再び陶芸作業を始めた。作業療法士が尋ねると「昔見た光景がありありと目に浮かんできた」と答えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 様子を注意深く観察する。
2: 緊急に主治医に連絡する。
3: 光景の内容を詳しく聞く。
4: 作業種目を変更する。
5: その日の作業を中止する。
うつ病の患者への対応として適切でないのはどれか。
1: 急性期には休息をとらせる。
2: 自殺しないように約束させる。
3: 重要な問題の決定を先延ばしさせる。
4: 抗うつ薬の副作用について説明する。
5: うつ病であることを伝えずに伏せておく。
急性期を脱した後、まだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者の作業療法導入時の対応で適切なのはどれか。
1: 役割を付与する。
2: 対人交流を促す。
3: 定期的な実施を心がける。
4: 複数の作業療法士で対応する。
5: 退行的行動に対しては関与を控える。
理学療法士及び作業療法士法で誤っているのはどれか。
1: 昭和40年に制定された。
2: 守秘義務は退職後も継続する。
3: 外国籍の者も免許を取得できる。
4: 都道府県知事は免許を取り消すことができる。
5: 免許を紛失した場合再交付を申請できる。
61歳の男性。BMI 27.5。前頭葉および側頭葉に著明な萎縮を認めて入院加療中。発語は発症前より減少しているが、エピソード記憶や手続き記憶は比較的残存している。自分の昼食を食べ終えた後も他人の食事や配膳車の残飯を勝手に取って食べる行為があり、取り戻そうとすると激しく怒り出す。午後の集団体操プログラムではすぐに立ち去ろうとする一方、カラオケには興味を示し、集中して数曲を歌う。食行動に対する作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
1: 減量の必要性を説明する。
2: 他の患者に状況を説明し、受容的に対応してもらう。
3: 毎回の昼食が終了次第、体操プログラムを導入する。
4: 毎回の昼食が終了次第、カラオケのプログラムを導入する。
5: 他人の食事を勝手に食べてはいけないことを言葉で簡潔に伝える。
81歳の女性。多発性脳梗塞と心不全を併発したため入院した。日中に家族がいるときはしっかりしているが、夜間には「大きな声を出す」、「窓から外に出ようとする」、「服を脱ぐ」などの行為が見られるようになった。この患者の病態で考えられるのはどれか。
1: 昏迷
2: せん妄
3: 多幸症
4: 不安発作
5: 抑うつ状態
うつ病患者への対応で適切なのはどれか。
1: 「必ず回復します」
2: 「職場を変えてみましょう」
3: 「仕事はためずに早めにこなしましょう」
4: 「自殺のことは考えないようにしましょう」
5: 「あなたなしでは職場はうまくいきませんね」
70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。この時期の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか。
1: 食事動作の維持
2: 精神的混乱の軽減
3: 廃用症候群の予防
4: 非言語的交流の活用
5: 福祉用具の適用評価
69歳の男性。肺癌。これまで化学療法を行ったが病状は進行し、経過中に脳転移がみられた。胸部エックス線写真(A)と頭部造影MRI(B)とを示す。現在、呼吸に関する自覚症状はないが、全身倦怠感、食欲不振および悪心があり、外出する気分になれず自宅に閉じこもる傾向にある。この時期に適切な理学療法はどれか。
1: 嚥下練習
2: 下肢促通運動
3: 屋外での歩行運動
4: 軽打法による排痰
5: 漸増的な持久性運動
45歳の男性。アルコール依存症。最近連続飲酒となり、今回、極度の疲労感を自覚し、希望により入院した。入院後、離脱症状を示した。離脱症状で誤っているのはどれか。
1: 睡眠障害
2: 幻視
3: 昏迷
4: 手指振戦
5: 発汗
認知症高齢者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 複数の課題を提供する。
2: 絵や文字を併用し説明する。
3: 作業療法士が交代で指導する。
4: できない作業を中心に練習する。
5: 小集団で参加メンバーを固定する。
55歳の男性。急性心筋梗塞後合併症なく4週で自宅退院となった。復職までの2か月は自宅療養の予定である。自宅療養中の生活指導として適切でないのはどれか。
1: 1日に1~2 kmの歩行
2: 休みながらの階段昇降
3: 脈拍120/分以下での自転車エルゴメーター
4: 洗車・ワックスがけ
5: ボルグ指数12以下での運動
うつ状態の作業療法における留意点で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 生活に関連する活動を行う。
2: 気分転換の方法を検討する。
3: 社会適応のための耐性を高める。
4: 病前に得意だったことを優先する。
5: 他者との競争を作業に取り入れる。
45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.計算ドリルの練習イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
うつ病患者の作業療法で適切な作業活動はどれか。
1: 中断が容易なもの
2: 疲労感を自覚しにくいもの
3: 他者との優劣が分かりやすいもの
4: 複雑で完成すると達成感が得られるもの
5: 病前に到達していた水準と現在を比較できるもの
32歳の女性。8歳の娘が担任の先生の勧めで1週前に精神科を受診し、注意欠如・多動性障害と診断を受けた。放課後等デイサービスを利用することになり、作業療法士がこの女性と面接したところ「集中力が続かないし、物忘れもひどかったけど、まさか自分の子どもが障害児なんて思っておらずいつも叱っていた。お友達ともうまくいっていない状況が続いており、とても心配していた。これからどうしたら良いでしょうか」と話す。この時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
1: 娘への不適切な対応を指摘する。
2: 障害の特徴について解説する。
3: 他の障害児の親に会わせる。
4: 障害は改善すると伝える。
5: 不安を受け止める。