62歳の女性。転倒後、四肢麻痺が出現した。上肢の筋力は2、手指内在筋は0~1、下肢は4であった。受傷時の頸部CT(写真A、B)と頸部MRI(写真C)を示す。画像から得られる所見で正しいのはどれか。2つ選べ。ア.CTで第3~5頸椎間に後縦靱帯骨化がみられる。イ.CTで第4・5頸椎部に骨折がみられる。ウ.CTで第5・6頸椎間に脱臼がみられる。エ.MRIで脊髄の圧迫はみられない。オ.MRIで第5頸椎後方の脊髄に高輝度の変化がある。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
75歳の男性。高血圧と糖尿病の治療を長期にわたり行っている。徐々に歩行障害がみられるようになり、転倒することが多くなった。頭部MRIを示す。この患者で認められないと考えられるのはどれか。
1: 嚥下障害
2: 感情失禁
3: 小刻み歩行
4: 認知機能低下
5: 左側弛緩性麻痺
80歳の女性。夫と2人暮らし。認知症があり、MMSEは13点。自宅にて転倒し、救急搬送され大腿骨頸部骨折と診断されて人工骨頭置換術が行われた。その後、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、理学療法を開始したが消極的である。理学療法中の患者の訴えへの返答で適切なのはどれか。
Brunnstrom法ステージの段階と脳卒中片麻痺の患側下肢の動きとの組合せで正しいのはどれか。
1: Ⅲ − 座位で膝屈曲位をとり、踵を床につけたままつま先を持ち上げる。
2: Ⅲ − 座位で足裏を床上に滑らせて、膝を90°以上曲げる。
3: Ⅳ − 立位で膝伸展位をとり、つま先を持ち上げる。
4: Ⅴ − 立位で股関節を外転する。
5: Ⅵ − 座位で下腿を内外旋する。
脳血管障害による片麻痺患者の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 下肢装具は立ち上がりが自立してから用いる。
2: 歩行時の膝折れに膝軽度屈曲位で体重負荷を行う。
3: 座位バランスが完成してから立位訓練を開始する。
4: 痙縮筋の緊張抑制の目的で持続伸張法を行う。
5: 麻痺筋に対しては筋力増強訓練を行わない。
75歳の女性。頸椎症性神経根症。4年前から上肢のしびれ感がある。その領域を図に示す。障害を受けている神経根で正しいのはどれか。
1: C5
2: C6
3: C7
4: C8
5: Th1
脳卒中片麻痺の機能障害(impairment)に対する理学療法はどれか。
1: 歩行訓練
2: 関節拘縮の改善
3: 利き手の交換
4: 補装具の使用
5: 環境の改善
70歳の男性。仕事における意欲と作業能率の低下を主訴に来院した。最近、物をよく置き忘れる、金庫の暗証番号を思い出せない、得意先にたどり着けないといったことが多くなってきた。頭部MRIを示す。この患者にみられる可能性が高い症状はどれか。
1: 幻覚
2: 尿失禁
3: 希死念慮
4: 症状日内変動
5: 地誌的見当識障害
脳卒中片麻痺患者にみられる症状で転倒と関連が少ないのはどれか。
1: 痴呆
2: 深部感覚障害
3: 夜間せん妄
4: 視空間失認
5: 失語症
74歳の女性。アルツハイマー型老年認知症。約6年前から、朝食の内容を昼には忘れてしまう。最近、貯金通帳の置き場所を忘れ、長女夫婦が盗んだと非難することが多くなり、「他人が勝手に玄関から入ってくる」と訴え入院となった。入院後は落ち着き、作業療法を実施することになった。この患者に作業療法を実施する際の留意点で誤っているのはどれか。
1: 身体機能の評価を行う。
2: 意欲低下がみられる場合は励ます。
3: 言い間違いは指摘する。
4: 単純な作業から始める。
5: 過去に行った作業を適用する。
5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能は側臥位までの寝返りが可能。背臥位と背臥位から引き起こしたときの状態を図に示す。臨床症状として可能性が低いのはどれか。
1: 足クローヌス陽性
2: 下肢の伸筋共同運動
3: 緊張性迷路反射の残存
4: パラシュート反応陽性
5: 股関節外転の可動域制限
42歳の女性。左の末梢性顔面神経麻痺と診断された。味覚の異常を訴えている。舌の異常部位を網かけにした図を示す。症状がみられる部位として正しいのはどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
脳卒中片麻痺患者のADL訓練で適切でないのはどれか。
1: 前開きシャツは健側肢から着る。
2: 導入時にはニットのかぶり型上衣を用いる。
3: 長めのループ付きタオルで背中を洗う。
4: トイレ横壁のL字型手すりを使って移乗する。
5: 車椅子を健側上下肢で操作する。
68歳の男性。歩行中に転倒して歩けなくなり救急搬送された。上下肢に麻痺を認めたが骨傷はみられず、中心性頸髄損傷の診断を受けた。受傷5日後のADLは全介助であった。6か月後にFIMでADLを評価したときに、最も自立度が低いと予想される項目はどれか。
1: 更衣(上半身)
2: 排尿管理
3: トイレ移乗
4: 歩行
5: 階段昇降
68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。作業療法場面での留意点で適切でないのはどれか。
1: 自動症
2: せん妄
3: 転倒
4: 脳卒中発作
5: 精神分裂病(統合失調症)の悪化
42歳の女性。感冒症状が出現して1週間後から対称性に両手のしびれを自覚し、脱力が急速に近位部へと広がったため神経内科を受診した。上肢遠位部優位の脱力と四肢の深部腱反射消失を認め、Guillain-Barré症候群と診断された。検査所見として正しいのはどれか。
1: 髄液検査で細胞数が増加する。
2: 頸髄MRI検査で髄内信号異常を認める。
3: 末梢神経伝導検査で伝導速度が低下する。
4: 末梢神経の連続刺激でM波の振幅が漸増する。
5: 末梢神経刺激で誘発されるF波の潜時が短縮する。
40歳の女性。2年前から歩行障害を自覚し、黄色靱帯骨化症と診断され手術を予定している。特記すべき併存症はみられない。この患者の理学療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 痙性歩行の改善
2: 下肢の筋力増強
3: 胸部絞扼感の軽減
4: 上肢の感覚障害の改善
5: 骨盤底筋群の筋力増強
脳卒中片麻痺患者のADL指導で適切でないのはどれか。
1: 寝返り動作では健側の方に行う。
2: 車椅子は片手駆動型が一般的である。
3: 階段の昇りは健側から、降りは患側から行う。
4: シャツの着衣は患側手から、脱衣は健側手から行う。
5: ベッドからの起立動作では健側足部を引き寄せてから行う。
58歳の男性。生来健康であったが、突然のめまいと歩行困難で救急搬送された。脳梗塞の診断で理学療法が開始された。理学療法の初期評価では、めまい、眼振とともに、右側には小脳性の運動失調、Horner症候群および顔面の温痛覚障害がみられた。左側には上下肢の温痛覚障害がみられたが深部感覚は保たれていた。この患者が立位をとったところ、不安定で突進するような現象(pulsion)がみられるために介助が必要であった。この現象がみられる方向はどれか。
1: 後方
2: 前方
3: 右側方
4: 左側方
5: 全方向
身体障害者手帳について誤っているのはどれか。
1: 脳卒中片麻痺患者では症状が固定したときに申請する。
2: アルツハイマー病患者では認知症が進んだ時点で申請する。
3: 聴覚障害では補聴器の交付が受けられる。
4: 視覚障害では盲人安全つえの交付が受けられる。
5: 肢体不自由では義肢の交付が受けられる。