63歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後2か月。歩行時の立脚相に図のような現象を認めた。患側に対する理学療法で適切でないのはどれか。
1: 下腿三頭筋のタッピング
2: 前脛骨筋の治療的電気刺激
3: 短下肢装具を用いた歩行
4: 膝屈曲位での体重支持
5: 下腿後面のアイシング
脳卒中患者の摂食・嚥下障害について誤っているのはどれか。
1: 仮性球麻痺や球麻痺に伴いやすい。
2: 急性期には高頻度にみられる。
3: 誤嚥を伴うと肺炎の危険性が高くなる。
4: 体位の違いで誤嚥の危険性が変わる。
5: 食物は刺激のない人肌の温度が基本となる。
運動性失語があっても、目的とする機能を適切に評価できる検査はどれか。2つ選べ。
1: ベントン視覚記銘検査
2: 田中・ビネー式知能検査
3: レーブン色彩マトリクス検査
4: MMSE(Mini Mental State Examination)
5: HDS-R(改訂版長谷川式簡易知能スケール)
59歳の女性。脳梗塞発症2週目。左片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢III・手指IV・下肢III。重度の感覚障害と左半側空間無視を認める。上肢の分離運動がわずかに出現してきたが、左上肢の疼痛と手部の腫脹および熱感を訴えた。理学療法では、立位と歩行訓練が開始された。この時期の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 左上肢の疼痛に対してホットパック
2: 左上肢の随意性向上のためのサンディング
3: 歩行訓練時のアームスリング装着指導
4: プーリーを用いた左上肢の自動介助運動
5: 左手で机上の用紙を押さえての右手書字訓練
56歳の男性。頭痛と複視を自覚し脳神経内科を受診した。頭部MRIで右脳幹部に腫瘍性病変を指摘された。対座法で観察した眼球運動を図に示す。障害されている脳神経はどれか。
1: 右動眼神経のみ
2: 右滑車神経のみ
3: 右外転神経のみ
4: 右動眼神経と右滑車神経
5: 右動眼神経と右外転神経
小脳性失調の評価と症候との組合せで正しいのはどれか。
1: 指鼻試験-正常
2: 書 字-小字症
3: 深部腱反射-亢進
4: ロンベルグ試験-陰性
5: 歩 行-逆説運動
精神遅滞の障害像で誤っているのはどれか。
1: 情緒障害
2: 意識障害
3: 認知障害
4: 学習障害
5: 運動障害
左半側無視の症状がある回復期の左片麻痺患者への生活指導で誤っているのはどれか。
1: 本人の関心があるものを左側に置くようにする。
2: 見落としがちなものはメモする習慣をつける。
3: 鏡を見せて体幹の傾きに気付かせる。
4: 入浴時に左上下肢をしっかりこするようにする。
5: 食事の始めにお盆のふちをたどるようにする。
統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。
1: 思考が緩徐でうまく進まない。
2: 思考の進行が突然遮断され、会話が停止する。
3: まわりくどく、要領よく思考目標に到達できない。
4: 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴う。
5: 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていく。
55歳の女性。右利き。脳梗塞による左片麻痺。発症15日目のブルンストローム法ステージは上肢III・手指III・下肢III、左足にクローヌスと内反尖足を認める。感覚障害や高次脳機能障害はない。早期に移動能力を獲得するために適切な装具はどれか。
1: 靴型装具
2: 短下肢装具
3: 硬性膝装具
4: 長下肢装具
5: 骨盤帯付長下肢装具
脳卒中患者の摂食・嚥下障害で誤っているのはどれか。
1: 仮性球麻痺や球麻痺に伴いやすい。
2: 急性期には高頻度にみられる。
3: 食物は刺激の少ないぬるめの温度が基本となる。
4: 体位の違いで誤嚥の危険性が変わる。
5: 誤嚥を伴うと肺炎の危険性が高くなる。
60歳の男性。左中大脳動脈梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢II、手指I、下肢II。意識はJCS(Japan Coma Scale)で10。高次脳機能障害はない。初回の座位訓練を行う上で適切でないのはどれか。
1: ベッド上端座位でバランス訓練を行う。
2: 脈拍が120/分以上であれば中止する。
3: 収縮期血圧が開始前より40 mmHg上昇すれば中止する。
4: 表情の変化を観察する。
5: 欠伸が頻発したときは血圧の低下を疑う。
脳卒中患者の嚥下障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 片側性大脳病変では発生しない。
2: 延髄病変で生じやすい。
3: 改訂水飲みテストで評価する。
4: むせなければ安全な嚥下と判断する。
5: 飲み物にとろみをつけるとむせやすい。
67歳の男性。Lewy小体型認知症。退職しているにもかかわらず時々会社に行こうとするが、説明をすると納得する。「子供が部屋の中にいる」と訴えることが増えた。日常の動作は緩慢となり、歩行も困難になったため入院した。この患者に対する作業療法の際に適切なのはどれか。
1: 幻視の訴えを正す。
2: 身体の活動量を減らす。
3: リズムのある反復動作は避ける。
4: 転倒しやすいことを本人に伝える。
5: 過覚醒を防ぐために照明を暗くする。
脳卒中片麻痺患者のADL訓練で適切でないのはどれか。
1: 前開きシャツは健側肢から着る。
2: 導入時にはニットのかぶり型上衣を用いる。
3: 長めのループ付きタオルで背中を洗う。
4: トイレ横壁のL字型手すりを使って移乗する。
5: 車椅子を健側上下肢で操作する。
脊髄小脳変性症で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: Frenkel体操は無効である。
2: 視覚障害を伴うことが多い。
3: 包括的な評価指標にSARAがある。
4: 患者数は非遺伝性に比べて遺伝性が多い。
5: 自律神経障害は非遺伝性に比べて遺伝性が少ない。
60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 物品呼称の訓練
2: 左方注意の習慣化
3: 構成課題の訓練
4: 口頭での行為確認の習慣化
5: 衣服への目印の付加
右延髄背外側部の脳梗塞による障害で認められるのはどれか。
1: 左内反足
2: 右下垂足
3: 右の痛覚脱失
4: 左の深部感覚障害
5: 右下肢の運動失調
てんかん発作にみられて、失神にみられないのはどれか。
1: 意識消失
2: 脳波異常
3: 前駆症状
4: 低血圧
5: 健忘
自律神経障害を伴う脊髄小脳変性症において発症4年目で考えられる病態はどれか。
1: タンデム歩行は可能である。
2: 独歩は可能である。
3: 支持なしでの立ち上がりは可能である。
4: 介助歩行は可能である。
5: 寝たきりの状態である。