20歳の男性。脊髄損傷(第12胸髄節まで機能残存)。この患者のキャスター上げ訓練で誤っているのはどれか。
1: 理学療法士は車椅子の後方に立つ。
2: ひもはクロスバーに結ぶ。
3: 一旦前進して止めるようにして上げる。
4: 後方に転倒しやすいときは頸部を屈曲させる。
5: ハンドリムから手を放さないようにバランスをとる。
28歳の女性。生来健康であったが、1週前に急に回転性のめまいが出現した。良性発作性頭位眩暈症と診断され、理学療法が開始された。初回評価時には座位は可能であるが立位の保持は不安定であった。非注視下での眼振を認め、姿勢変換時にめまい感が増悪する。この障害を改善するための理学療法で適切なのはどれか。
1: 背臥位での他動的関節可動域運動
2: 外力を加えた座位姿勢の保持練習
3: 座位での頸部回旋運動による前庭刺激
4: 眼振が出現しない姿勢での基本動作練習
5: 杖を用いた歩行練習
30歳の男性。頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄まで機能残存)。上腕三頭筋の筋力検査を行う場面を図に示す。代償運動が出現しないように作業療法士が最も抑制すべき運動はどれか。
1: 体幹屈曲
2: 肩関節屈曲
3: 肩関節外転
4: 肩関節外旋
5: 前腕回内
75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルでの損傷による四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位、手すり使用で立ち上がり動作、食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守り。衣服の着脱は介助。自宅内は手すり歩行で移動、屋外は車椅子移動。Frankel分類はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
脳卒中片麻痺患者の理学療法の組合せで適切でないのはどれか。
1: 非対称姿勢-矯正鏡
2: 痙縮-リラクセーション
3: 空間無視-傾斜台
4: 尖足拘縮-補高靴
5: 肩手症候群-愛護的関節可動域訓練
脳卒中片麻痺患者の内反尖足の理学療法で誤っているのはどれか。
1: 下腿三頭筋の寒冷療法
2: 下腿三頭筋の持続的伸張
3: 下腿三頭筋のタッピング
4: 足関節背屈筋群の電気刺激
5: PNF屈曲・外転・内旋パターンでの促通
60歳の独居女性。慢性関節リウマチを発症し15年経過。両股関節は人工関節置換術を行っているが屋内歩行は自立している。手指の変形が著しく、関節痛が強い。在宅における日常生活・環境整備の指導で適切でないのはどれか。
1: ドアノブ用自助具を利用する。
2: 居室の段差を解消する。
3: 自動洗浄便座を設置する。
4: 買い物に電動車椅子を利用する。
5: 浴室にリフターを設置する。
45歳の女性。40歳で関節リウマチを発症し、寛解と増悪を繰り返している。両手関節の腫脹と疼痛が顕著である。歩行は可能であるが、左膝関節の疼痛と変形が強いため人工関節置換術を検討している。術前に使用する歩行補助具として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: T字杖
2: ロフストランド杖
3: プラットホーム杖
4: 松葉杖
5: 四輪式歩行器
78歳の女性。布団を持ち上げようとした際、背部から腹部への強い帯状痛を生じ、寝返りも困難となったため入院となった。入院時のエックス線写真AとMRI T2強調像Bとを示す。この患者の病態で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 骨粗鬆症
2: 脊椎分離症
3: 脊柱管狭窄症
4: 椎間板ヘルニア
5: 脊椎椎体圧迫骨折
66歳の男性。意識障害で右上肢を下に腹臥位で体動困難となっているところを発見された。両膝、右手首、右肘および右前胸部に多発褥瘡を認め、脱水症を伴うことから発症後数日が経過していると考えられた。保存的加療とともに理学療法が開始され、徐々に意識障害が改善すると、入院後1か月で訓練中に右手のしびれを訴え、図のような手を呈した。この患者の右手に適応となるのはどれか。
1: BFO
2: 虫様筋カフ
3: 短対立装具
4: 手関節駆動式把持装具
5: コックアップ・スプリント
60歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3で寛解状態であり安定している。理学療法士が行う生活指導について誤っているのはどれか。
1: 歩容に応じた足底板を調整する。
2: 頸椎の等張性抵抗運動を励行する。
3: 変形防止用のスプリントを用いる。
4: 再燃の急性炎症期には運動を避ける。
5: 大関節を使う関節保護方法を指導する。
82歳の女性。室内移動は手すりや家具を支えになんとか可能であったが、動きづらくなり、作業療法が依頼された。この患者が屋外でも使用できる車椅子はどれか。
45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.計算ドリルの練習イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
疾患と歩行補助具との組合せで適切でないのはどれか。
1: 脳卒中片麻痺-T字杖
2: 脊髄小脳変性症-交互型歩行器
3: 痙直型両麻痺-ロフストランド杖
4: 慢性関節リウマチ-プラットフォーム杖
5: パーキンソン病-四点杖
52歳の女性。踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。術後翌日の単純エックス線写真を示す。この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。
1: 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。
2: 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。
3: 術後翌日から部分荷重を始める。
4: 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。
5: 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。
45歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し1か月経過した。病変部位はMRIで左角回と左側頭葉後下部であった。運動麻痺は認められない。生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 運動保続
2: 失読失書
3: 地誌的失見当
4: 半側空間無視
5: 道具の強迫的使用
47歳の右利きの女性。脳出血発症後2か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。麻痺側の感覚障害を認めた。図に発症時の出血部位(出血部位:網かけ)を示す。脳の他の部位には萎縮や低吸収域を認めなかった。この患者の出血部位はどれか。2つ選べ。ア.脳梁イ.前障ウ.被殻エ.内包オ.視床
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。
1: 長対立装具
2: IP伸展補助装具
3: ナックルベンダー
4: Thomas型懸垂装具
5: コックアップ・スプリント
85歳の女性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。入院後、意識は回復した。発症後2時間のMRI拡散強調像を示す。今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。
1: 拮抗失行
2: 左右失認
3: 運動性失語
4: 社会的行動障害
5: 左半側空間無視
32歳の女性。2週前に上気道炎を発症し、5日前から四肢末端の異常感覚を自覚した。その後、徐々に四肢の脱力を認めた。Guillain-Barré症候群と診断され、直ちにγ-グロブリン大量静注療法を開始した。入院時の四肢筋力はMMTで段階4であったが、入院2日後には顔面筋麻痺と構音・嚥下障害が出現し、翌日には痰が多く呼吸困難が出現したため、気管挿管され人工呼吸器管理となった。四肢筋力は近位筋で段階1、その他は段階2~3に低下している。現時点で優先される治療はどれか。
1: 機能的電気刺激
2: 筋力増強運動
3: 座位練習
4: 自発呼吸練習
5: 排痰練習