60歳の男性。仕事中に意識障害を発症したため、救急車で搬入された。緊急手術を行い順調に経過していたが、術後7日目に突然右片麻痺が出現した。入院時の頭部CTを示す。麻痺の原因として最も考えられるのはどれか。
1: 正常圧水頭症
2: 血管攣縮
3: 脳内出血
4: 脳挫傷
5: 脳膿瘍
51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。
1: 静かな環境で行う。
2: 新規課題を毎日与える。
3: 複数の作業療法士で担当する。
4: 不適切な言動には繰り返し注意する。
5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。
26歳の男性。C6レベルの頸髄損傷完全麻痺。仕事中の事故により受傷し入院。翌日からリハビリテーションが開始され継続している。受傷後1か月での徒手筋力テストの結果を表に示す。受傷後2か月で到達可能と予測される動作はどれか。
1: 更 衣
2: 自己導尿
3: プッシュアップ
4: 万能カフを用いた食事
5: ベッドから車椅子への移乗
3歳の男児。脳性麻痺による右片麻痺。背臥位から図のように起き上がる。影響する反射はどれか。
1: Moro反射
2: Galant反射
3: 緊張性迷路反射
4: 交叉性伸展反射
5: 非対称性緊張性頸反射
ブルンストローム法ステージにおける脳卒中の運動療法として正しいのはどれか。
1: ステージIではBFOを使用する。
2: ステージIIでは共同運動を抑制する。
3: ステージIIIでは伸張反射を促通する。
4: ステージIVでは分離運動を促通する。
5: ステージVでは関節固定装具を着用する。
顔面と上下肢に感覚脱失を呈する脳卒中片麻痺の患者に対する生活指導で適切なのはどれか。
1: 麻痺手使用を控える。
2: 湯呑を非麻痺側で把持する。
3: 両手での車椅子駆動を勧める。
4: 屋内ではスリッパ使用を勧める。
5: 髭剃りはT字カミソリを勧める。
下肢ブルンストローム法ステージと可能な随意運動との組合せで正しいのはどれか。
1: ステージII-座位、股・膝・足関節の同時屈曲
2: ステージIII-座位、膝関節90゜屈曲位で踵が離床せずに足関節背屈
3: ステージIV-座位、膝関節90゜屈曲位で下腿外旋
4: ステージIV-立位、股関節伸展位で膝関節屈曲
5: ステージV-立位、膝関節伸展位で足関節背屈
65歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞。発症後3日経過。ベッドサイドでの作業療法が開始された。GCS(Glasgow coma scale)はE3+V2+M5=10、血圧は不安定でギャッジアップ60°で収縮期血圧が25 mmHg低下する。背臥位では頸部が右回旋している。作業療法の初回評価として適切なのはどれか。
1: 表在感覚
2: 端座位姿勢
3: 追視による眼球運動
4: 簡易上肢機能検査(STEF)
5: Trail Making Test(TMT)
合併症のない第7頸髄節機能残存の外傷性脊髄損傷患者で誤っているのはどれか。
1: 自己導尿は自立できる。
2: 車椅子とベッド間の移乗は自立できる。
3: 感覚障害の程度は座位能力に関係する。
4: 自律神経過反射が起きやすい。
5: BFOが役立つ。
5歳のアテトーゼ型脳性麻痺児。介助立位では足底を持続して床に着いていられない。上肢運動年齢テストは24か月である。本児の手を使う作業活動中の配慮として適切でないのはどれか。
1: 体幹ベルト付きコーナーチェアを使用する。
2: 椅子座位では股関節と膝関節を90゚以上屈曲させる。
3: 椅子座位では裸足にして感覚を刺激する。
4: レッグレストにベルトを付け下腿を固定する。
5: 臀部が前方にずれないよう滑り止めを用いる。
図は脳卒中右片麻痺の理学療法である。誤っているのはどれか。
1: 患側下肢の反張膝を防止している。
2: 患側下肢の足関節背屈を促通している。
3: 患側上肢の屈筋を持続的に伸張している。
4: 患側への重心の移動を訓練している。
5: 患側股関節の伸展を促している。
62歳の男性。心筋梗塞発症当日に入院。発症後3日から理学療法を開始している。合併症はない。発症後5日の理学療法で適切でないのはどれか。
1: ベッド上での肘関節自動運動
2: ベッド上での足関節自動運動
3: 両下肢の他動運動
4: ギャッチベッド上での座位
5: ブリッジ運動
42歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日目。四肢体幹の重度な麻痺と呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理の状態である。この時期に行う理学療法で適切なのはどれか。
1: 体位排痰
2: 痙縮の抑制
3: 体幹の漸増抵抗運動
4: 上下肢の高負荷の筋力増強運動
5: 上下肢の過伸張を伴うストレッチ
脳血管障害患者のブルンストローム法ステージテストで、「手を背中の後に」「ペグを取って」の指示に対して図のような運動をした。上肢・手指のステージはどれか。
1: 上肢IV・手指V
2: 上肢IV・手指IV
3: 上肢IV・手指III
4: 上肢III・手指IV
5: 上肢III・手指III
脳卒中片麻痺患者の発症後初期の安静臥床時における患側上肢の肢位で誤っているのはどれか。 ア.側臥位では患側を上にする。イ.背臥位では肩の下に枕を置く。ウ.肘は90゚屈曲位に置く。エ.手は心臓より低い位置に置く。オ.母指は対立位に置く。
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
アテトーゼ型脳性麻痺児の症状と訓練課題との組合せで適切なのはどれか。
1: 定頸不良 — 背臥位で下肢を挙上する。
2: 体幹過伸展 — 座面の高い椅子で座位を保持する。
3: 手指の過伸展 — 豆をつまむ。
4: 目と手の協調障害 — ボールプールで遊ぶ。
5: 動的バランス不良 — セラピーボールに乗って揺らす。
図は脳卒中右片麻痺の理学療法である。誤っているのはどれか。
1: 患側下肢の反張膝を防止している。
2: 患側下肢の足関節背屈を促通している。
3: 患側上肢の屈筋を持続的に伸張している。
4: 患側への重心の移動を訓練している。
5: 患側股関節の伸展を促通している。
脳卒中患者の障害と徴候との組合せで誤っているのはどれか。
1: シャツの袖をうまく通せない-着衣失行
2: 知っている人なのに声を聞かないとわからない-相貌失認
3: 指示による閉眼維持が困難である-運動維持困難
4: 移動時に左にある物にぶつかる-左半側無視
5: 麻痺がないのに指で模倣ができない-観念失行
20歳の男性。脊髄損傷(第12胸髄節まで機能残存)。この患者のキャスター上げ訓練で誤っているのはどれか。
1: 理学療法士は車椅子の後方に立つ。
2: ひもはクロスバーに結ぶ。
3: 一旦前進して止めるようにして上げる。
4: 後方に転倒しやすいときは頸部を屈曲させる。
5: ハンドリムから手を放さないようにバランスをとる。
ブルンストローム法ステージと運動との組合せで誤っているのはどれか。
1: 上肢ステージIII-手を腰の後ろに回す
2: 上肢ステージV-肘伸展位で上肢の挙上
3: 手指ステージIV-母指と示指間の側腹つまみ
4: 下肢ステージII-連合反応での股関節の内転
5: 下肢ステージIV-端座位で踵を床につけたまま足関節の背屈