第38回午前第9問の類似問題

第54回午前:第10問

65歳の男性。視床出血による左片麻痺。救急搬送され保存的治療が行われた。発症後3日より脳卒中ケアユニットでの理学療法を開始。このとき覚醒しておらず、大きな声で呼びかけたが開眼しなかったため胸骨部に痛み刺激を加えたところ、刺激を加えている手を払いのけようとする動きがみられた。この患者のJCS〈Japan Coma Scale〉での意識障害の評価で正しいのはどれか。  

1: Ⅱ-10

2: Ⅱ-20

3: Ⅱ-30

4: Ⅲ-100

5: Ⅲ-200

第36回午前:第5問

図は右片麻痺患者の椅子からの立ち上がりを介助しているところである。正しいのはどれか。 

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1: 患側の足はできるだけ健側の足に近い位置に置かせる方が安定した動作ができる。

2: 介助者は、患者の膝の前面よりも膝の外側に自分の膝をあてるべきである。

3: 座位で体重を前方に移していく段階では、頸を屈曲位にするよう指導するとよい。

4: 腰ベルトよりも患者の両腋下で体幹に手をかけて引き起こす方が介助が容易にできる。

5: 健側の手で介助者の肩につかまらせ、この腕の力を主に使って立ち上がるようにさせるとよい。

第45回午前:第10問

脳卒中右片麻痺患者に対する訓練を図に示す。患者はボールに右足を乗せ、ボールを前後に転がしている。訓練目的として誤っているのはどれか。 

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1: 立位バランス改善

2: 腹筋・背筋の協調運動

3: 麻痺側下肢の支持性向上

4: 麻痺側下肢の屈筋強化

5: 非麻痺側下肢の伸筋強化

第36回午前:第9問

60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者への対応で誤っているのはどれか。 

36_0_9

1: 物品呼称の訓練

2: 左方注意の習慣化

3: 構成課題の訓練

4: 口頭での行為確認の習慣化

5: 衣服への目印の付加

第39回午前:第51問

脳卒中片麻痺患者のADL指導で適切でないのはどれか。  

1: 寝返り時、患側上肢を腹部の上に保持する。

2: ベッドからの立ちあがり時、体幹の前傾運動を入れる。

3: 立位での方向転換は患側下肢を軸に行う。

4: 階段の降り動作は患側から行う。

5: 昇りのエスカレーターへの乗りこみは健側から行う。

第56回午前:第27問

発症後1か月の脳卒中片麻痺患者。2か月後に予定されている退院時の歩行能力の目標を設定するための情報として、優先度が最も低いと考えられるのはどれか。  

1: 画像所見

2: 糖尿病の合併

3: 発症前のADL

4: 歩行能力の回復経過

5: Brunnstrom法ステージの回復経過

第52回午前:第4問

28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。  

1: BADS

2: SLTA

3: SPTA

4: VPTA

5: CBS〈Catherine bergego scale〉

第55回午前:第8問

78歳の女性。右利き。脳梗塞による左片麻痺で入院中。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅴ、手指Ⅵ、下肢Ⅴ。歯がなく、きざみ食をスプーンで全量自力摂取しているが、次から次へと食べ物を口に運ぶ。改訂水飲みテスト〈MWST〉は5点、反復唾液嚥下テスト〈RSST〉は4回/30秒であった。この患者への対応で正しいのはどれか。  

1: 摂食嚥下に問題の無い患者の対面に座らせる。

2: 食前に耳下腺マッサージを行う。

3: 主菜・副菜にとろみをつける。

4: 小さいスプーンを使用させる。

5: 患者の左空間に皿を置く。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は嚥下自体に問題はないが、次から次へと食べ物を口に運ぶため誤嚥の危険がある。そのため、一口量を減らすよう小さいスプーンを使用させるのが適切な対応である。
  • 摂食嚥下に問題のない患者の対面に座らせることで、誤嚥のない人の食べ方をモデルにして動作を学習させることができる。ただし、この患者は自己摂取の動作自体は可能であり、嚥下自体には問題がないため、この対応は必要ではない。
  • この患者は嚥下自体には問題がないと考えられるため、耳下腺マッサージの必要性は低い。この選択肢は適切ではない。
  • この患者は嚥下自体には問題がないと考えられるため、とろみ付けする必要性は低い。この選択肢は適切ではない。
  • この患者は次から次へと食べ物を口に運んでしまうため、誤嚥の危険がある。一口量を減らすよう、小さいスプーンを使用させるとよい。この選択肢が正しい対応である。
  • 問題文には、この患者が半側空間無視を呈している記載はない。ただし、右利きで左片麻痺であることから、半側空間無視が生じた場合は左半側空間無視になることが予想される。そのため、患者の左空間に皿を置くことは有効ではない。この選択肢は適切ではない。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午前:第16問

60歳の女性。脊髄小脳変性症。四肢体幹の運動失調で座位保持が困難であったが、2週間の座位保持練習を行い、端座位は上肢で支持しなくても保持できるようになった。今後行うバランス能力改善の運動療法として最も適切なのはどれか。

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第39回午前:第14問

65歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。歩行は自立しているが、痙縮が強く内反尖足と反張膝を示す。理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。 ア.ハムストリングスの持続的伸張イ.大腿四頭筋の筋力増強ウ.膝関節軽度屈曲位での体重支持エ.下腿三頭筋の持続的伸張オ.足関節背屈筋群のタッピング  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第40回午前:第44問

適切でない組合せはどれか。ただし、片麻痺は右で、ブルンストローム法ステージは上肢・手指の順。右利きとする。  

1: II・II-非麻痺側での箸の練習をする。

2: III・IV-麻痺側で受話器を取って耳に当てる。

3: IV・V-麻痺側を調理の補助手として使う。

4: IV・V-手さげカバンを麻痺側肘にかける。

5: V・VI-両手で洗濯物を干す。

第54回午前:第11問

30歳の男性。アテトーゼ型脳性麻痺。頸椎症性脊髄症を発症し、歩行不能となった。電動車椅子を導入し、練習開始後2週で施設内自走が可能となったが、壁への衝突等があるために見守りが必要である。上肢操作向上を目的とした作業療法で適切なのはどれか。  

1: 貼り絵をする。

2: 木工で鋸を使う。

3: ドミノを並べる。

4: 版画で彫刻刀を使う。

5: 革細工でスタンピングをする。

  • 答え:1
  • 解説:アテトーゼ型脳性麻痺の患者に対して上肢操作向上を目的とした作業療法として、貼り絵が適切である。貼り絵は指と手のコントロールを練習でき、失敗が少ないため効果的である。
  • 貼り絵は適切な作業療法である。小さな紙をのりで貼って絵を描くことで、指と手を机上でコントロールする運動が練習できる。また、不随意運動が出ても、のりで固定された紙片は動かないため、失敗が少ない点も良い。
  • 鋸を使った木工は適切ではない。上肢筋力を増強できるが、運動方向が前後に限られ、巧緻性に対してのアプローチではないため、電動車椅子の操作のための効果は限定的である。また、アテトーゼ型では不随意運動がみられるため、鋸の使用は危険性が高い。
  • ドミノを並べるのは上肢運動機能の練習になるが、アテトーゼ型のために失敗が多くなることが予測され、貼り絵のほうが望ましいと考えられる。
  • 彫刻刀を使う版画は適切ではない。アテトーゼ型の場合、不随意運動により、彫刻刀を使用することで外傷を負う危険がある。
  • 革細工でスタンピングをするのは適切ではない。アテトーゼ型の場合、不随意運動により正確に打刻ができず、スタンパーを持つ手を叩いてしまう危険がある。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第43回午前:第25問

56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。 

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1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。

2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。

3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。

4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。

5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。

第51回午後:第7問

79歳の女性。脳卒中後の左片麻痺。プラスチックAFOを装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。左立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。歩容を改善するために有用な方法はどれか。  

1: 外側フレアを付ける。

2: 足部のベルクロの固定を緩める。

3: 装具の高さを下腿中央付近まで低くする。

4: 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。

5: 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)する。

第49回午前:第5問

30代前半の男性。システムエンジニア。自転車走行中に自動車とぶつかり、外傷性脳損傷を生じ入院となった。作業療法は受傷後20日目から開始。麻痺はみられない。病棟では、食事、更衣、整容、排泄などは自立しているが、トイレや病室の場所が覚えられない、今日の日付が分からない、担当者の顔は分かっているが名前が覚えられない、などがみられた。このような症状がある時期に適切な作業療法はどれか。  

1: 調理

2: 日記

3: 買い物訓練

4: 職業前訓練

5: 電車乗車訓練

第50回午後:第17問

65歳の男性。右片麻痺。病棟では、ベッドから車椅子への移乗は介助者に腰を軽く引き上げてもらい、車椅子からベッドへの移乗は介助者に腰を持ち上げて回してもらう。移乗動作のFIMの点数はどれか。  

1: 5点

2: 4点

3: 3点

4: 2点

5: 1点

第53回午前:第34問

Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅳの片麻痺患者に座位で麻痺側上肢の促通練習を行う。上肢Ⅳを目指した課題として適切なのはどれか。  

1: 机上の積み木を裏返す。

2: 机上のお手玉を非麻痺側大腿に載せる。

3: 大腿上に置いた手を口元に近づける。

4: 頭上の高さの壁面を肘伸展位で雑巾で拭く。

5: 机上のお手玉を肘伸展位で麻痺側側方の肩の高さに移動する。

  • 答え:1
  • 解説:Brunnstrom法ステージでは、上肢Ⅲと手指Ⅳの片麻痺患者に対して、上肢Ⅳを目指す課題を選択する必要があります。上肢Ⅳは、腰の後ろへ回す、肘伸展位で上肢を90°前方挙上する、肘屈曲位での前腕回内・回外が可能な状態です。
  • 積み木を横つまみで把持し、裏返す動作は前腕回内・回外を促すことができるため、上肢Ⅳを目指した課題として適切です。
  • 机上のお手玉を非麻痺側大腿に載せる動作は、上肢伸展共同運動を促しており、上肢Ⅲを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 大腿上に置いた手を口元に近づける動作は、上肢屈筋共同運動を促しており、上肢Ⅲを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 頭上の高さの壁面を肘伸展位で雑巾で拭く動作は、上肢を頭上の高さまで挙上することが必要であり、上肢Ⅴを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 机上のお手玉を肘伸展位で麻痺側側方の肩の高さに移動する動作は、上肢を肘伸展位で外転することが必要であり、上肢Ⅴを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第47回午後:第24問

片麻痺にみられる動作とBrunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 対向つまみが可能 ― ステージⅣ

2: 手指の伸展がわずかに可能 ― ステージⅢ

3: 坐位で踵を床から離さずに足関節の背屈が可能 ― ステージⅣ

4: 麻痺側上肢を腰の後ろに持っていくことができる ― ステージⅤ

5: 肩関節屈曲・肘関節伸展位で回内と回外とができる ― ステージⅤ

第39回午前:第9問

21歳の男性。8か月前、交通事故で頸髄損傷によって四肢麻痺となった。斜面台による起立訓練中に頭痛を訴えた。上半身の著明な発汗がみられ、脈拍は42/分であった。適切でないのはどれか。  

1: 意識障害を確認する。

2: 血圧を測定する。

3: 頭部を低くする。

4: 留置バルーンカテーテルを開放する。

5: 便通を確認する。

第57回午前:第40問

脳卒中後のPusher現象について誤っているのはどれか。  

1: 右半球損傷に多い。

2: 垂直判断の障害が関係する。

3: 身体軸が非麻痺側に傾斜する。

4: 座位だけでなく立位でも認められる。

5: 端座位で体幹を正中位に近づけると非麻痺側の股関節が外旋する。