第37回午前第89問の類似問題

第42回午前:第31問

32歳の女性。躁うつ病。18歳で発病。24歳で結婚し、2児をもうけ、スーパーで仕事をしていた。長男が小学校へ入学し、PTAの役員を引き受けた頃から仕事も忙しくなり、気分が高揚し外出や買い物が頻繁となった。心配した夫とともに受診し、入院となった。入院2週目、高揚気分は徐々に治まり、本人から「手芸がしたい」という希望があり、作業療法が開始された。この時点での作業療法として適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 現在の病棟での生活の様子を病棟スタッフから聞く。

2: 過剰な刺激を避けるため静かな環境から開始する。

3: 運動を中心としたプログラムを選択する。

4: 手芸用品を持っていき、どのような手芸が好きか本人に確認する。

5: 自宅でどのような役割があるのか本人に確認する。

第40回午前:第86問

全般性不安障害患者の作業場面で観察されないのはどれか。  

1: 集中困難

2: 観念奔逸

3: めまい

4: 振戦

5: 口渇

第52回午後:第48問

てんかん患者が作業療法中に強直間代発作の重積状態を呈したときの対応として最も優先すべきなのはどれか。  

1: 家族に連絡する。

2: 呼吸を確認する。

3: 服薬状況を確認する。

4: 四肢を押さえて固定する。

5: 心電図モニターを装着する。

第41回午前:第36問

13歳の女子。中学に入学してから頭痛などを理由に欠席が多くなり、2学期からは不登校となった。自宅で母親への暴力がみられるようになったため、精神科を受診し外来作業療法に通うこととなった。この患者への対応で適切でないのはどれか。  

1: 作業療法場面の見学をさせ作業療法の利用法を一緒に考える。

2: 家族や教師との連絡が必要な場合は事前に本人の了解を得る。

3: 嫌なことは無理に話したり行ったりしなくてよいことを保証する。

4: 作業療法に毎日通えるようになることを目指す。

5: 本人の希望や要求を可能な範囲で取り入れる。

第37回午前:第36問

25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この時期の実施上の留意点で適切でないのはどれか。  

1: 参加に当たっての約束事を確認する。

2: 種目は患者に任せる。

3: 短期間で行えるものを選ぶ。

4: 手順と結果が明確なものを選ぶ。

5: 場面設定を一定にする。

第44回午前:第40問

33歳の男性。てんかん。IQ75。仕事を何度も変えている。母親への依存が強く何事も相談しないと始められない。発作再発で入院したが、処方薬の調整も済んで退院を目的として作業療法が開始された。開始して間もなく「口の中でコーヒーの味がしてくる」と訴えた。このときの対処で適切なのはどれか。  

1: 作業を続けさせる。

2: 母親へ電話をかけさせる。

3: 横に寝かせて安静を保つ。

4: 緊張緩和のために話しかける。

5: 不快感をとるためにうがいをさせる。

第53回午後:第96問

注意欠如・多動性障害について正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 薬物療法は行わない。

2: 男児よりも女児に多い。

3: 生育歴の聴取が重要である。

4: 二次性の精神症状に注意が必要である。

5: 成人期において診断されることはない。

  • 答え:3 ・4
  • 解説:注意欠如・多動性障害(ADHD)は、不注意、多動性、衝動性を特徴とし、生育歴の聴取や二次性の精神症状に注意が必要である。治療には心理・社会的アプローチと薬物治療があり、成人期に診断されることもある。
  • 選択肢1は間違いです。ADHDの治療には薬物療法が含まれ、メチルフェニデート塩酸塩(コンサータ)、アトモキセチン塩酸塩(ストラテラ)、グアンファシン塩酸塩(インチュニブ)などの薬が使用されます。
  • 選択肢2は間違いです。ADHDは男児に多いとされており、女児よりも男児に多く見られます。
  • 選択肢3は正しいです。ADHDの診断にあたっては、本人や家族から詳細な生育歴の聴取が重要であり、症状の特徴や発達の過程を把握することが必要です。
  • 選択肢4は正しいです。ADHDでは、不注意、多動性、衝動性以外に二次性の精神症状がみられることがあり、うつ病や不安障害を併発することがあるため、注意が必要です。
  • 選択肢5は間違いです。ADHDの症状は幼少期からみられることが多いですが、成人期になって初めて診断されることもあります。症状が軽度であったり、周囲の理解が得られなかったりすることが原因で、診断が遅れることがあります。
  • 科目:小児の障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第47回午後:第38問

理学療法士及び作業療法士法の規定内容について正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 作業療法士は業務独占資格である。

2: 作業療法士は都道府県知事の免許を受ける。

3: 国家試験に合格した日から業を行うことができる。

4: 業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。

5: 作業療法は社会的適応能力の回復を図るために行われる。

第49回午前:第17問

13歳の男子。幼児期は図鑑をひとりで眺めて過ごしていた。小学校に入ると、しつこく意味を確認する癖や協調性がとれないことを教師に注意されることが多くなり、級友からいじめられるようになった。最近、級友の話し声に過敏に反応したり、家族への暴言と暴力が頻繁となり入院となった。この患者に対する作業療法実施時の声かけとして適切なのはどれか。  

1: 「この作業をしてみたいですか」

2: 「休みは適当にとってください」

3: 「周囲の人に配慮して行動してください」

4: 「その作業の難しい点はどの辺りですか」

5: 「私の話す説明をよく覚えて作業に取り掛かってください」

第40回午前:第36問

23歳の女性。境界型人格障害。中学時代から対人関係が不安定で、不登校、家出、過量服薬、恋人との激しいけんかなどを繰り返してきた。今回、失恋を契機に睡眠薬自殺を図ったが、救命救急センターで意識回復し精神科へ入院した。左手首に数本の切創痕を認める。母親に甘えた態度をとったり、大声で怒鳴ったり、死にたいと言ったりする。治療目的で作業療法が依頼された。治療計画として適切でないのはどれか。  

1: 個別プログラムを設定する。

2: 欲求充足から実用性のある作業に移行する。

3: 自由度の高い作業場面を設定する。

4: 共同作業で所属感をもたせる。

5: 結果が明確な作業種目を選ぶ。

第50回午前:第43問

前頭側頭型認知症患者の作業療法でみられる特徴はどれか。  

1: 同内容の言葉を繰り返す。

2: 横道にそれない。

3: 約束が守れる。

4: 我慢が出来る。

5: 品格がある。

第49回午後:第20問

26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者への対応として適切なのはどれか。  

1: 集団プログラムへの参加を優先する。

2: 自分で考えて行動するよう働きかける。

3: 逸脱行動にはすぐに介入せず様子を見る。

4: 患者の希望に応じてプログラムを柔軟に変更する。

5: 作業療法士を攻撃する言動が生じたら担当を変更する。

第35回午前:第27問

22歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校1年時にうつ状態で3か月入院した。その後、毎年入退院を繰り返し5回目の入院となった。入院後1か月が経過したが、自発性の減退および引きこもりがみられる。また「私の結婚相手を姉に取られた。私の考えがすべて他人に分かってしまい自分がなくなってしまうみたいで困る。他人の声が左の頭に聞こえる。」と訴えている。その時点で作業療法が処方された。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。  

1: 姉の結婚に対する気持ちを聞く。

2: 日常生活の過ごし方について話し合う。

3: 作業種目について希望を聞く。

4: 参加の意思について聞く。

5: 病棟での他の患者との交流について話を聞く。

第53回午後:第81問

無意識的な葛藤を洞察して精神症状を和らげようとするのはどれか。  

1: 催眠療法

2: 行動療法

3: 芸術療法

4: 自律訓練法

5: 精神分析療法

  • 答え:5
  • 解説:無意識的な葛藤を洞察して精神症状を和らげる療法は、精神分析療法である。これは、患者の無意識の世界に抑圧されている葛藤とその象徴的意味を理解し、無意識を意識化することによって精神症状を和らげるものである。
  • 催眠療法は、催眠による暗示を用いて神経症症状の改善を目指す方法であり、無意識的な葛藤を洞察するものではない。
  • 行動療法は、学習理論に基づいて人間の異常行動を是正しようとする精神療法であり、無意識的な葛藤を洞察するものではない。
  • 芸術療法は、音楽や絵画などの芸術を用いて治療を行う方法であり、無意識的な葛藤を洞察するものではない。
  • 自律訓練法は、自己催眠法を用いたリラクゼーション療法であり、無意識的な葛藤を洞察するものではない。
  • 精神分析療法は、患者の無意識の世界に抑圧されている葛藤とその象徴的意味を了解し、無意識を意識化することによって精神症状を和らげるものである。この療法は、無意識的な葛藤を洞察して精神症状を和らげる目的に適している。
  • 科目:臨床心理学
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午後:第49問

統合失調症患者の退院直後の訪問時評価で優先度が高いのはどれか。  

1: 服薬管理

2: 行動範囲

3: 対人交流

4: 金銭管理

5: 余暇活動

第52回午後:第21問

作業療法に関する歴史において誤っているのはどれか。  

1: Adolf Meyerは感覚統合療法を提唱した。

2: 呉秀三は欧州における作業の効果を紹介した。

3: Philippe Pinelは精神病者を拘束的環境から解放した。

4: 昭和40年に理学療法士及び作業療法士法が制定された。

5: 自立生活〈IL〉運動は患者の自己決定権尊重をもたらした。

第55回午後:第37問

悪性腫瘍の緩和ケア主体の時期のリハビリテーションで正しいのはどれか。  

1: 呼吸困難の軽減は得られない。

2: 運動療法をすることで心理面が改善する。

3: 運動療法をすることで倦怠感は改善しない。

4: 疼痛緩和にマッサージは長期的効果がある。

5: 運動療法をすることで疼痛の改善は得られない。

  • 答え:2
  • 解説:緩和ケア主体の時期のリハビリテーションでは、運動療法やポジショニング、リラクセーションなどを行うことで、患者の心理面や倦怠感、疼痛などの症状が改善されることが知られています。
  • 選択肢1は間違いです。緩和ケア主体の時期であっても、ポジショニングやリラクセーションを行うことで、呼吸困難の軽減がみられることがあります。
  • 選択肢2は正しいです。運動療法とカウンセリングの併用やリハビリテーションの実施は、それらを行わない群と比較して、精神的機能の側面、心理的側面を改善させることが報告されています(推奨グレードA)。
  • 選択肢3は間違いです。緩和ケア対象がん患者に対するサーキットトレーニングを中心とした運動療法は、倦怠感を改善するので、行うよう勧められることがあります(推奨グレードB)。
  • 選択肢4は間違いです。末期がん患者に対するマッサージ、特に足マッサージは疼痛緩和の即時効果があるので、行うよう勧められることがあります(推奨グレードB)。ただし、長期的効果については明確ではありません。
  • 選択肢5は間違いです。がん患者に対する運動療法により、疼痛閾値の上昇を引き起こす可能性があるとされ、一定の改善が得られることが報告されています。
  • 科目:内科疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第36回午前:第55問

反射性交感神経性ジストロフィーについて適切でないのはどれか。  

1: 外傷や手術が誘因になる。

2: 交感神経系の血管運動機能不全が関与する。

3: 患肢の疼痛、発赤および腫脹がある。

4: 起立性低血圧を伴う。

5: 患肢の関節可動域訓練は愛護的に行う。

第35回午前:第39問

9歳の男児。自閉症。外来通院時に作業療法を実施することとなった。作業療法室では落ち着きなく歩き回り、周囲の物音や人の数などの環境の変化によって自分の手を噛んだり、手で頭を打ったりすることがある。紙折りに取り組ませてもごく短時間しかできない。開始当初の留意点として適切でないのはどれか。  

1: 作業手順を単純にする。

2: 粗大動作を多くする。

3: 作業台を整頓しておく。

4: 短時間で完成する作業にする。

5: 共同作業に参加させる。

第35回午後:第60問

心理療法の初回面接で適切でないのはどれか。  

1: 相談は秘密が守られる場所で行う。

2: 治療者の自己紹介を行う。

3: 治療の必要性について評価する。

4: 幾つかの心理検査を行う。

5: 次回の面接を予約する。