第35回午前第16問の類似問題

第53回午後:第9問

35歳の男性。飲酒後電車内で寝過ごし、右上腕部の圧迫によって橈骨神経麻痺となった。受傷4日後で橈骨神経領域の感覚低下があり、手関節背屈および手指伸展の自動運動は困難である。この患者に対するアプローチで適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 上腕部のアイシング

2: 手関節背屈の抵抗運動

3: Engen型把持装具の使用

4: 手指・手関節の他動伸展運動

5: コックアップ・スプリントの使用

  • 答え:4 ・5
  • 解説:この問題では、橈骨神経麻痺を持つ患者に対する適切な治療法を選択することが求められています。橈骨神経麻痺では、手関節背屈および手指伸展の自動運動が困難であり、感覚低下があるため、他動伸展運動やコックアップ・スプリントの使用が適切です。
  • 上腕部のアイシングは、神経回復を遅延させる危険があるため、この患者には適切ではありません。代わりに、ビタミン剤の投与や保温による血行改善が行われるべきです。
  • 手関節背屈の抵抗運動は、筋力が重力に抗して関節を運動できる状態でなければできません。この患者は受傷4日後であり、手関節背屈の自動運動が困難であるため、他動運動を行うべきです。
  • Engen型把持装具は、手指屈曲が不可能な場合に、手関節背屈によりテノデーシス・アクションのように手指屈曲を補助する装具です。この患者は、手関節背屈の自動運動ができないため、この装具は適していません。
  • 手関節背屈と手指伸展の自動運動が困難であることから、自動運動を促すために他動伸展運動を実施することが望ましい。この選択肢は正しいです。
  • 橈骨神経麻痺では下垂手となるため、コックアップ・スプリントを使用し、手関節軽度背屈位で機能的肢位を保持する。この選択肢は正しいです。
  • 科目:整形外科疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第41回午前:第84問

ギラン・バレー症候群で誤っているのはどれか。2つ選べ。 ア.初期に軽い感覚障害を生じる。イ.四肢の痙性麻痺を生じる。ウ.軸索型は脱髄型より予後は良好である。エ.肢節近位部から遠位部に向けて回復する。オ.重症では呼吸筋麻痺をきたす。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第43回午前:第25問

56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。 

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1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。

2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。

3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。

4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。

5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。

第55回午前:第12問

80歳の女性。重度の認知症患者。訪問作業療法を実施した際の足の写真を示す。対処方法で正しいのはどれか。 

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1: 入浴を禁止する。

2: 摂食状況を確認する。

3: 足部装具を装着させる。

4: 足関節の可動域訓練は禁忌である。

5: 踵部にドーナツ型クッションを使用する。

第49回午前:第8問

45歳の女性。脊髄小脳変性症。ADLは自立している。独歩は可能で、会社へは電車で通勤している。最近ふらつきが多くなり、ときに転倒することがあるという。この患者に指導する内容として適切なのはどれか。  

1: 背臥位でのストレッチ

2: 眼球運動による前庭刺激運動

3: 立位での下肢筋力増強

4: 外的リズムに合わせた平地歩行

5: T字杖を使用した応用歩行

第45回午前:第6問

65歳の男性。右上腕外側の持続圧迫による橈骨神経麻痺。発症後3日。橈骨神経領域の感覚障害がある。Danielsらの徒手筋力テストで腕橈骨筋3、橈側手根伸筋2、尺側手根伸筋2、指伸筋2、長母指外転筋2、示指伸筋1である。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 手関節の伸展他動運動

2: MP関節伸展の抵抗運動

3: Capener装具による示指伸張

4: コックアップスプリントの装着

5: 手関節伸筋に対する遠心性収縮による筋力強化

第38回午前:第26問

65歳の男性。脊髄小脳変性症。四肢の企図振戦があり、起立および歩行は可能であるが、方向転換ではバランスを崩しやすい。適切な運動療法はどれか。  

1: 棒体操

2: ロフストランド杖による4点歩行

3: 手拍子のリズムに合わせた歩行

4: ボール上座位バランス

5: モンキーウォーク

第41回午前:第26問

45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。MMSE(Mini-Mental State Examination)で低得点が予想される項目はどれか。  

1: 物品名3個の再生

2: 物品の名称呼称

3: 文章命令のよる動作

4: 文章作成

5: 図形の模写

第50回午後:第13問

5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能は側臥位までの寝返りが可能。背臥位と背臥位から引き起こしたときの状態を図に示す。臨床症状として可能性が低いのはどれか。 

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1: 足クローヌス陽性

2: 下肢の伸筋共同運動

3: 緊張性迷路反射の残存

4: パラシュート反応陽性

5: 股関節外転の可動域制限

第49回午後:第43問

糖尿病性神経障害で正しいのはどれか。  

1: 単神経障害を呈することが多い。

2: 近位部の筋力低下が生じやすい。

3: アキレス腱反射が低下しやすい。

4: 深部感覚では位置覚が障害されやすい。

5: 感覚障害は左右非対称であることが多い。

第53回午後:第10問

45歳の男性。半年前から左上肢遠位部の脱力、3か月前から左上肢の筋萎縮と右上肢の脱力、さらに最近歩行障害と構音障害を認めるようになり、神経内科で筋萎縮性側索硬化症と診断された。現時点で認められる可能性が高いのはどれか。  

1: 褥 瘡

2: 振動覚低下

3: 眼球運動障害

4: 膀胱直腸障害

5: Hoffmann反射陽性

第40回午前:第34問

50歳の女性。外傷性頸髄損傷。筋力は左右とも三角筋5、上腕二頭筋5、上腕三頭筋4、長橈側手根伸筋4、橈側手根屈筋1、手指伸筋4、手指屈筋0、体幹筋0、下肢筋0であった。この患者の機能残存レベルはどれか。  

1: 第5頸髄節

2: 第6頸髄節

3: 第7頸髄節

4: 第8頸髄節

5: 第1胸髄節

第54回午前:第83問

絞扼性神経障害における障害部位と症候の組合せで正しいのはどれか。  

1: 手根管――下垂手

2: 足根管――足背の異常感覚

3: 梨状筋――下腿内側の異常感覚

4: 肘部管――涙滴徴候

5: 腓骨頭――下垂足

  • 答え:5
  • 解説:絞扼性神経障害は、特定の部位で神経が圧迫されることによって生じる症状であり、障害部位によって症状が異なります。この問題では、それぞれの部位での絞扼性神経障害と症候の組合せについて問われています。
  • 手根管での絞扼性神経障害(手根管症候群)は、正中神経が障害されることで母指球筋の萎縮や対立障害、つまみ動作障害、示指・中指のしびれなどが生じます。下垂手は橈骨神経高位麻痺によって生じるため、この選択肢は正しくありません。
  • 足根管での絞扼性神経障害(足根管症候群)は、脛骨神経が障害されることで足底部から足趾にかけての放散痛や足根管部痛が生じます。足背の異常感覚は腓骨神経絞扼障害によって生じるため、この選択肢は正しくありません。
  • 梨状筋での絞扼性神経障害(梨状筋症候群)は、坐骨神経が障害されることで坐骨神経支配領域(大腿・下腿後面、下腿外側)の疼痛・知覚異常が生じます。下腿内側の感覚障害はHunter管(内転筋管)症候群によって生じるため、この選択肢は正しくありません。
  • 肘部管での絞扼性神経障害(肘部管症候群)は、尺骨神経が障害されることで鷲手が生じ、Froment徴候陽性となります。涙滴徴候(teardrop sign)は正中神経低位麻痺によって生じるため、この選択肢は正しくありません。
  • 腓骨頭での絞扼性神経障害(腓骨神経絞扼障害)は、腓骨神経が障害されることで下垂足や足背と第5趾以外の足趾背側にかけての感覚障害が生じます。この選択肢は正しい組合せです。
  • 科目:神経・筋系の障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第49回午前:第89問

重症筋無力症で正しいのはどれか。  

1: 女性より男性に多く発症する。

2: 四肢では遠位筋の筋力低下が起きやすい。

3: 夕方にかけて症状は軽快する。

4: 末梢神経の連続刺激で振幅の増大がみられる。

5: コリンエステラーゼ阻害薬が用いられる。

第56回午前:第3問

25歳の男性。頸髄完全損傷。手指屈曲拘縮以外の関節可動域制限はない。書字の際のボールペンを把持した場面を示す。片手では困難で、両手でボールペンを保持する動作が観察された。このような動作を行う頸髄損傷患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類の最上位レベルはどれか。 

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1: C5A

2: C6A

3: C6B3

4: C7A

5: C8B

第50回午前:第4問

38歳の男性。オートバイ運転中に転倒し腰背部を強打して、脊髄損傷と診断された。T12以下の感覚鈍麻を認める。筋力はMMTで上肢はすべて5、下肢はすべて0である。肛門周囲の感覚は残存している。この患者のASIA機能障害尺度はどれか。  

1: A

2: B

3: C

4: D

5: E

第52回午前:第11問

35歳の女性。橈骨遠位端骨折後に右上肢にCRPS〈複合性局所疼痛症候群〉を生じた。この患者にみられる所見に合致しないのはどれか。  

1: 浮腫

2: 痛覚鈍麻

3: 発汗異常

4: アロディニア

5: 皮膚温の変化

第44回午後:第90問

認知障害がみられるのはどれか。  

1: 重症筋無力症

2: 筋萎縮性側索硬化症

3: Guillain-Barré症候群

4: 筋強直性ジストロフィー

5: 平山病(若年性一側上肢筋萎縮症)

第42回午前:第16問

65歳の女性。関節リウマチで外来通院中。上肢の関節可動域制限と手指の変形を認める。手指変形を写真に示す。この患者の生活指導で正しいのはどれか。

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第54回午前:第8問

55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。  

1: 長対立装具

2: IP伸展補助装具

3: ナックルベンダー

4: Thomas型懸垂装具

5: コックアップ・スプリント

  • 答え:1
  • 解説:この患者は高位型の正中神経麻痺を持っており、長対立装具が適切な装具療法となります。他の選択肢は、それぞれ異なる神経麻痺や状況に対応する装具です。
  • 長対立装具は、高位型の正中神経麻痺による祈祷肢位変形に対して適応となる。この患者の症状に適切な装具であるため、正しい選択肢です。
  • IP伸展補助装具は、マレットフィンガーなどIP関節の屈曲拘縮に対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • ナックルベンダーは、MP関節を屈曲位にさせることで機能的肢位を保ち、把持を行いやすくする装具である。尺骨神経麻痺による鷲手に対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • Thomas型懸垂装具は、高位型の橈骨神経麻痺による下垂手に対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • コックアップ・スプリントは、手関節背屈位保持のために用いられる。高位型の橈骨神経麻痺や橈骨遠位端骨折などに対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • 科目:整形外科疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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