25歳の女性。交通事故で頸椎脱臼骨折を受傷した。脊髄ショック期は脱したと考えられる。MMTで、肘屈曲は徒手抵抗に抗する運動が可能であったが、手関節背屈は抗重力位での保持が困難であった。肛門の随意的収縮は不能で、肛門周囲の感覚も脱失していた。目標とする動作で適切なのはどれか。
1: 起き上がり
2: 自動車運転
3: 側方移乗
4: 電動車椅子操作
5: トイレ移乗
18歳の男性。事故による第6頸椎脱臼骨折。受傷後3か月経過。筋力は、肩関節屈曲・伸展・外転筋ともにほぼ5(Normal)、肘関節屈筋5(Normal)、肘関節伸筋4(Good)であったが、手指屈筋・伸筋ほぼ0、体幹筋0、下肢筋0であった。感覚は体幹・下肢で脱失していた。この患者で誤っているのはどれか。
1: 不全四肢麻痺である。
2: 自律神経過反射が起きやすい。
3: コップの把持は可能である。
4: 自己導尿は可能と予測される。
5: 車椅子とベッド間の移乗は自立可能と予測される。
脊髄損傷患者の合併症とその対応との組合せで正しいのはどれか。
1: 肩関節の異所性骨化─急性期からストレッチ
2: 自律神経過反射-下肢挙上位で経過観察
3: 急性期の骨脱灰-牛乳の飲用
4: 褥 瘡-車椅子上で徐圧動作
5: 作業中の失禁-留置導尿
脊髄損傷の感覚障害について正しいのはどれか。
1: 馬尾神経症候群ではみられない。
2: 中心性頸髄損傷では上肢より下肢に強い。
3: 脊髄円錐症候群では肛門周囲が障害される。
4: 前脊髄動脈症候群では位置覚が障害される。
5: Brown-Séquard症候群では病巣の反対側の位置覚が障害される。
75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルでの損傷による四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位、手すり使用で立ち上がり動作、食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守り。衣服の着脱は介助。自宅内は手すり歩行で移動、屋外は車椅子移動。Frankel分類はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
25歳の男性。交通事故で脊髄損傷となった。現在のベッド上でのズボンの着衣は、図に示す矢印の順で可能であった。このような更衣が獲得できる頸髄損傷の最上位のZancolliのレベルはどれか。ただし、両側の障害レベルは同一であり、完全損傷とする。
1: C5A
2: C5B
3: C6B3
4: C7A
5: C8B1
頸髄損傷患者で正常可動域以上の可動性の獲得が望まれるのはどれか。
1: 肘関節伸展位での肩関節伸展
2: 手関節背屈位での肘関節伸展
3: 頸部屈曲位での体幹屈曲
4: 膝伸展位での股関節屈曲
5: 膝屈曲位での足関節底屈
第5腰髄節まで機能残存している二分脊椎患児に最もみられやすいのはどれか。
1: 股関節脱臼
2: 反張膝
3: 踵足変形
4: 尖足変形
5: 扁平足変形
脊髄損傷患者で異所性骨化の好発部位はどれか。
1: 肘関節
2: 手関節
3: 手指MP関節
4: 股関節
5: 足関節
中心性脊髄損傷について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 高齢者に多い。
2: 骨傷に伴って生じることが多い。
3: 頸椎の過屈曲によって発生することが多い。
4: 肛門括約筋の収縮が障害されることが多い。
5: 下肢より上肢機能が強く障害されることが多い。
脊髄損傷患者の排尿訓練について誤っているのはどれか。
1: 第6頸髄節まで機能残存していれば自己導尿訓練を行う。
2: 手圧排尿訓練には安定した座位保持能力が必要である。
3: 核上型の膀胱機能障害ではトリガーポイントの叩打による排尿反射を指導する。
4: 排尿反射は下肢の反射より早く回復する。
5: 冷水テスト陽性を排尿訓練開始の目安とする。
普通型車椅子の使用について誤っているのはどれか。
1: 上腕三頭筋の筋力低下では手をハンドリムに押しつける力が弱くなる。
2: 対麻痺患者は上腕二頭筋と長橈側手根伸筋を主動筋として駆動する。
3: 緩いスロープをバックで降りながらキャスター上げの訓練をする。
4: 段差の降りを介助する場合は後進が安全である。
5: 頸髄損傷(第7頸髄節まで機能残存)患者は屋外移動が自立できる。
第5頸髄不全四肢麻痺〈ASIA C〉患者の図の矢印の部分に褥瘡ができた。見直すべき動作で考えられるのはどれか。
1: 移乗
2: 座位保持
3: 立ち上がり
4: 起き上がり
5: プッシュアップ
20代の男性。頸髄損傷完全麻痺(Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類C6B2)。仰臥位から長座位へ垂直方向の起き上がり動作獲得のために練習を行っている。図に示す肢位で肩甲帯を左右に振り重心を移動することを繰り返す。正常以上の関節可動域拡大を目的とした関節運動はどれか。
1: 頸部伸展
2: 肩甲骨外転
3: 肩関節水平伸展
4: 肩関節内旋
5: 肩関節外旋
脳卒中後の左片麻痺の患者が車椅子からベッドへの移乗動作を行う際の介助方法として適切なのはどれか。
1: 装具は外して行う。
2: 車椅子の後方から介助する。
3: 車椅子上で殿部を前方に移動させておく。
4: ベッドに対して車椅子を平行に設置する。
5: ベッドの高さは車椅子の座面より高くしておく。
25歳の男性。交通事故による頚髄損傷。受傷後8か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋 4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋0、手関節背屈筋4(Good)、手関節屈筋0、下肢筋群0であった。この患者の移乗動作の自立を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。
長下肢装具を装着した脊髄損傷者の立ち上がりの行程を図に示す。この動作が可能な最も高位の機能残存レベルはどれか。
1: T4
2: T8
3: T12
4: L2
5: L4
脳卒中片麻痺患者の肩関節亜脱臼に対する対策で適切でないのはどれか。
1: 車椅子へのアームトレイ設置
2: 麻痺筋への機能的電気刺激(FES)
3: EMGバイオフィードバック
4: アームスリングの装着
5: 上肢の体幹固定
頸髄損傷患者でみられる脊髄ショック期の徴候はどれか。
1: 温痛覚解離
2: 腱反射亢進
3: 痙性四肢麻痺
4: 自律神経過反射
5: 肛門括約筋反射消失
我が国の外傷性脊髄損傷で誤っているのはどれか。
1: 女性より男性に多い。
2: 年齢分布は2峰性を示す。
3: 交通事故が最大の原因である。
4: 若年者の場合、5年生存率は50%程度である。
5: 高齢者では対麻痺より四肢麻痺が多い。